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去年12月、群馬県北関東自動車道で乗用車がガードレールに衝突し女性2人が死亡、2人が重軽傷を負った事故で、警察は乗用車に幅寄せする形で走行し、事故を引き起こしたうえそのまま逃げたとして、過失運転致死傷とひき逃げの疑いで、栃木県に住む54歳の会社役員を逮捕しました。

この事故は当初、単独事故とみられていましたが、助手席に乗っていた女性が「並走していた車に急に幅寄せされた」と証言し、警察は現場付近を走行していた車の特定を進めていました。

名古屋出入国在留管理局に収容されていたスリランカ人の女性、ウィシュマ・サンダマリさんが(33)体調不良を訴えて、ことし3月に亡くなったことを受け、出入国在留管理庁は、対応に問題がなかったか調査を行い、10日最終報告を公表しました。

それによりますと、ウィシュマさんは、体調が悪化した1月以降、医療機関での診察や点滴を求めましたが、局長に報告せず、現場の職員だけで必要ないと判断するなど、内規に違反した運用を行っていたと指摘しています。

また、施設内にある診療室の医師や看護師は非常勤のため、死亡した当日は不在で、ウィシュマさんの容体が悪化しても職員だけで対応するなど、医療体制が整っていなかったとしています。

そして、一時的に施設の外で滞在することを求める申請を速やかに認めなかったことについて、体調の悪化を踏まえ、早く検討することが望ましかったとしています。

今後は、体調不良を訴えた人には、積極的に認めるよう求めています。

また、適切な治療を行う体制が不十分だったなどとして、名古屋出入国在留管理局の局長と当時の次長の2人が訓告、ほかの幹部2人が厳重注意の処分となりました。

出入国在留管理庁の佐々木長官は「医療体制や体調不良者に対する組織的な対応体制が整備されていなかったことなどが明らかになり、私の責任を痛感しており、お詫びを申し上げる。人の命を預かる行政機関としての緊張感や、心のこめ方が不十分であったと認識している」と述べました。

そのうえで、近く、遺族に対して謝罪し、最終報告の内容を説明するとともに、施設内でのウィシュマさんの様子などを写した映像を開示する考えを明らかにしました。

ウィシュマさんは、去年8月からことし3月まで、半年余りの間、名古屋出入国在留管理局に収容されていました。

入管施設では、近年、収容が長期化するケースが相次いでいて、背景には、在留資格の期限が切れて、不法滞在となる外国人が増加していることがあります。

ウィシュマさんもその1人でした。

ことし1月の時点で、日本に不法に滞在している外国人は8万2868人と、この5年間で2万人以上増えています。

こうした現状の中、施設に収容された外国人が、国外退去の処分を受けたものの帰国を拒否することで、収容が長期化しているのです。

このため、出入国在留管理庁は、逃亡のおそれが低いなど一定の条件を満たす外国人については、国外退去するまでの間、施設には収容せず、親族などのもとで生活することを認める出入国管理法などの改正案の成立を目指しました。

改正案は、ことしの通常国会で審議されましたが、ウィシュマさんが死亡した真相の究明などをめぐって、与野党が対立し、改正案の成立は見送られたため、収容の長期化という課題は今後も残り続けることになります。

一方、新型コロナウイルスの影響で新たな課題が生じています。

出入国在留管理庁は、感染拡大の防止の観点から「密」を避けるため、施設から一時的に釈放する「仮放免」の措置を積極的に活用しています。

去年末の時点で、国外退去の処分を受けたものの帰国を拒否している外国人は、およそ3100人にのぼっていますが、これまでに、2800人を超える人が「仮放免」を認められました。

この結果、施設に収容されている人は250人程度にまで減っていて、収容の長期化は一時的に抑えられていますが、「仮放免」となった人のうち、400人以上が行方をくらまして所在不明になるという新たな課題が生まれています。

こうした背景には出入国管理法などで定めた国外退去や収容の手続きが、70年余りにわたって大きな改正がなされていないことがあります。

外国人が国外退去を拒否することや、収容が長期化することは想定されておらず、現場の運用だけでは、不法に滞在する外国人に対応しきれないという現状があります。

ウィシュマさんが亡くなったことをめぐっては、これまで支援者や入管制度の専門家などから問題点や疑問点が指摘されてきました。

そのひとつはウィシュマさんに提供された医療が適切だったのかどうかです。

ウィシュマさんの死因については特定にいたっていませんが、支援者や専門家からはそもそも長期にわたって明らかな体調の悪化がみられたのに、なぜもっとさまざまな角度から検査を行い、治療や入院などの措置につなげられなかったのか疑問視する声があがっています。

ウィシュマさんは、ことし1月以降、吐き気や食欲不振などの体調不良を訴え、施設内の診療室のほか、外部の病院でも医師の診察を受けました。

亡くなるおよそ1か月前のことし2月5日に外部の消化器内科で診察や胃カメラの検査を受けた結果、ほぼ異常なしと診断され、胃潰瘍などを治療する薬の服用の継続を指示されました。

支援する弁護士らによりますと、このときの診察について担当の医師は遺族らとの面会の中で「管理局側からは消化管のみの検査を依頼された」などと説明したということで、ウィシュマさんの体調がその後悪化していったにもかかわらず、およそ1か月の間、外部の病院で追加の検査が行われたり、入院の措置がとられたりすることはありませんでした。

弁護士らは体調悪化の原因そのものを突き止める検査や適切な治療が行われていないとしてその対応を批判しています。

ウィシュマさんがその後、外部の病院を受診したのは亡くなる2日前の3月4日で、精神科での診察と頭部のCT検査を受けましたが、精神科の医師はその後の遺族らとの面会の中で「管理局側からウィシュマさんが病気を装っている可能性について伝えられた」と明かしたということです。

弁護士らは、亡くなる2日前の時点でも管理局側がウィシュマさんが病気かどうかを疑っていた可能性があるとしていて、追加の検査や入院措置など適切な医療が提供されていれば亡くなることはなかったのではないかと指摘しています。

次に、ウィシュマさんの処遇についても疑問視する声があります。

ウィシュマさんは一時的に施設から出される「仮放免」について、亡くなる10日余り前のことし2月22日に「体調が悪い」といった理由で2度目の申請を行っていました。

管理局では仮放免の方針を検討していたということですが、支援する弁護士らは「速やかに仮放免していれば外部の病院で治療を受けさせることもでき、亡くなることはなかったのではないか」として判断や手続きの遅さを指摘しています。

また、弁護士らはウィシュマさんが職員に繰り返し体調不良を訴えていたのに、なかなか外部の病院での検査や治療につながらず、支援団体が入院などを求めて複数回にわたって申し入れをしたのに実現しなかったとしています。

こうした対応について専門家などからは「管理局内部での意思決定がどのようにされているのか不透明だ」などと指摘されていました。

さらに調査の透明性についても、十分ではないという指摘があります。

施設内でのウィシュマさんの様子を映した映像について、出入国在留管理庁は保安上の問題などを理由に遺族に対しても開示してきませんでした。

遺族らは「亡くなるまでの施設内での様子を記録した映像は原因究明のためには欠かせないものだ」として開示を強く求めていて、出入国在留管理庁の佐々木長官は近く、遺族に対して謝罪し、最終報告の内容を説明するとともに、施設内でのウィシュマさんの様子などを写した映像を開示する考えを明らかにしました。

ウィシュマさんの死亡は、国会の審議にも大きな影響を与えました。

今回の最終報告に先立ち、出入国在留管理庁は、ことし4月、ウィシュマさんが亡くなるまでの体調の変化などをまとめた中間報告を公表しています。

それによりますと、おととし1月から不法滞在だったウィシュマさんは、去年8月に施設に収容され、ことし1月中旬以降、体調不良を訴えました。

このため、施設内や外部の病院で、合わせて4人の医師の診察を受け、逆流性食道炎や精神的な病気の疑いがあると診断され、薬を処方されていましたが、3月6日に死亡しました。

ウィシュマさんは当初、帰国を希望していましたがその後「日本人の支援者と日本で暮らしたい」として、ことし1月に、施設から一時的に釈放される仮放免を求めましたが、認められず2月下旬に「体調が悪い」などと訴えて、再び申請を行っているところでした。

一方、ことしの通常国会には、不法滞在で国外退去の処分を受けた外国人の収容の在り方などを見直す出入国管理法などの改正案が提出され、中間報告の公表後に、本格的な審議が始まりました。

立憲民主党共産党などの野党側は、同じような事態を繰り返さないためにも、ウィシュマさんが死亡した真相究明が先決であり、改正案の採決には応じられないとしてきました。

中でも、問題視したのが、体調が悪化していたにもかかわらず、「仮放免」が認められなかったことです。

野党側は、死亡の2日前に診察を行った医師の紹介状に、仮放免を勧める記述があったにもかかわらず行わなかったことや、その記述が、中間報告に盛り込まれていなかったことなどを指摘し「調査の客観性や公平性に疑義がある」と批判しました。

そして、具体的で客観的な証拠として、施設内のウィシュマさんの様子などを写した監視カメラの映像を開示するよう求めました。

一方、与党側は「法案の審議とウィシュマさんの死亡は別の話だ」として、通常国会での成立を目指したことから、改正案の採決をめぐって与野党の対立が続きました。

そして、打開策を見いだすための修正協議が行われ、収容の判断にあたっては透明性を確保するための措置を講じることや、収容期間の上限を設けることなど、改正案の修正内容について大筋で合意しましたが、野党側は、制度を運用する出入国在留管理庁が、信頼の置ける組織なのか明らかにする必要があるとして、改めて、監視カメラの映像を開示するよう求めました。

しかし、出入国在留管理庁が、故人の尊厳を守ることや、収容施設の保安上の理由から、開示に応じなかったことから、協議は決裂し、政府・与党は改正案の成立を見送りました。

ウィシュマ・サンダマリさんが亡くなったことについて、真相解明を求めて来日している2人の妹、ワヨミさんとポールニマさんは最終報告の公表を前にNHKの単独インタビューに応じ「入管がもっと配慮していれば姉が亡くなることはなかった」と訴えました。

ウィシュマさんの2人の妹はことし5月に来日し、上川法務大臣と面会するなどして姉の死の真相解明を求めてきました。

ワヨミさんとポールニマさんは最終報告の公表を前にNHKの単独インタビューに応じました。

母親とウィシュマさんと4人で暮らしてきた妹たちにとって、ウィシュマさんは優しく、父親代わりのしっかりものの姉でした。

その姉が日本の入管の施設内で亡くなったと聞いたとき、信じられなかったといいます。

ワヨミさんは「とても優しい姉でした。お母さんのように私たちの面倒も見てくれました。姉が亡くなったと聞いても信じられなかったです。人違いだと思いました。実際に遺体を見ても、違う人だと思うくらい信じられなかった。何の病気もなかったのに、入管で亡くなったのはありえない」と振り返りました。

姉の死の真相解明を求めてきた2人は「報告書は亡くなった時にすぐに出すべきなのに、出さないのは入管のミスがあったからではないでしょうか」と話し、日本の入管に対する不信感をあらわにしました。

そして「入管がもっと配慮していれば、姉が亡くなることはなかったと思います。わたしの姉はこの国を愛してやってきました。このような死に至ったのは信じがたいし本当に悲しい気持ちです。最終報告が信用できる正確なものであることを望んでいます」と訴え、姉がなぜ亡くなったのか助けることはできなかったのか、真相を明らかにするよう求めていました。

ウィシュマさんと同じ時期に名古屋出入国在留管理局に収容されていたナイジェリア国籍の男性は「ウィシュマさんが亡くなったのは本当に残念です。こういうことが起きてしまったのに入管が責任を持たず、どうして亡くなったのかということを教えてくれないので、施設にいまも残っている人たちやその後、収容された人たちも怖いと思います」と話しました。

男性は自身も収容中に体調が悪化し、ことし6月に仮放免されましたが、収容中の医療環境について「中の人間(入管の職員)たちは(収容されている人たちが)具合が悪くても『ちょっと待ってください』と言って、いつ診てくれるのか決まらないんです。『ナースが来たら呼びます』と言ったまま、1日、2日、3日たっても診てくれない。どういうことかと思いました」と振り返りました。

そのうえで「僕も彼女と同じ状況になっていたかもしれない。入管には人の預かり方をもうちょっと考えてほしいです。預かってるのは人間です。預かってるのは命です。みんな考えてほしい。自分の家族だったら、もし自分の息子や娘が他の国でこういうことになって亡くなったらどんな気持ちかを考えてみてください」と訴えました。

上川法務大臣は、記者会見で「体調を崩していく中で、ご本人が抱いていた孤独、不安、無念さは察するに余りあるもので、心からお悔やみを申し上げるとともに、尊い命が失われたことに対し、心からおわびを申し上げる」と述べました。

そのうえで「収容施設として大切な命を預かっているという基本中の基本を常に見つめ直していれば、一層寄り添った対応もあり得たのではないか。二度と繰り返さない、繰り返させないという決意のもと、改革を実行し責任を果たしていく」と述べました。

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世界各国の科学者でつくる国連のIPCC=「気候変動に関する政府間パネル」は、地球温暖化に関する報告書を8年ぶりに公表しました。

温暖化が進めば熱波や豪雨といった「極端現象」の頻度や強さが増すとして、温室効果ガスの排出を削減するよう警鐘を鳴らしています。

IPCCは、先月26日からオンラインで開かれた会合で、最新の研究成果に基づく地球温暖化の現状や予測についての報告書を8年ぶりにまとめ、日本時間の9日午後、公表しました。

2015年に採択された国際的な枠組み「パリ協定」では、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べ1.5度に抑えるよう努力することなどが目標に掲げられていますが、今回の報告書では、去年までの10年間の世界の平均気温が、すでに1.09度、上昇したとしています。

そのうえで、2050年ごろに世界全体の温室効果ガスの排出量が実質的にゼロになるペースで削減できた場合でも、2040年までに気温の上昇が1.5度に達する可能性が50%を超えると予測しています。

そして温暖化が進むほど、世界各地で熱波や豪雨といった「極端現象」の頻度や強さが増すと指摘しました。

50年に一度の高い気温が観測される頻度は、産業革命前の19世紀後半と比べると、現在は4.8倍となっていて、平均気温が1.5度上昇した場合は8.6倍に、2度上昇した場合は13.9倍になると試算しています。

また10年に一度の大雨の頻度は、現在は1.3倍ですが、平均気温が1.5度上昇した場合は1.5倍に、2度上昇した場合は1.7倍になると予測されています。

IPCCの報告書は、国際的な温暖化対策に大きな影響力があり、ことし11月にイギリスで開かれる予定の国連の会議「COP26」の議論への影響が注目されます。

IPCCとして初めて地球温暖化の原因が人間の活動によるものと断定したことも今回の報告書の大きな特徴です。

IPCCは、1990年に最初の報告書を公表してから、人間活動が及ぼす温暖化への影響についての表現を徐々に強め、8年前の第5次の報告書では「温暖化の主な要因は、人間の影響の可能性が極めて高い」としていました。

今回の報告書ではさらに踏み込んで「人間の影響が大気、海洋および陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」と記し、初めて断定する表現となりました。

その理由については、産業革命以降に観測された急激な気温の上昇が、過去2000年以上の間で例がない水準であり、過去10万年で最も地球が温暖だったころの気温の推定値を超えていることや、人間の活動と自然の影響を両方とも考慮して試算した気温の推定値とおおむね一致していることなどが挙げられています。

報告書の執筆者の1人、国立環境研究所地球システム領域の江守正多副領域長は「これまでの報告書と大きな方向性は変わっていないが、温暖化の原因が人間活動であると言い切ったことなど、さまざまな論点が精緻でクリアになった。2040年までに世界の平均気温の上昇が1.5度に達する可能性も新たに分析されたが、パリ協定で定められた目標をしっかりと実現しないといけないことが、改めて確認されたと受け止めている」と話しています。

温室効果ガスの排出量が世界で5番目に多い日本は、欧米各国の対策が進む中、去年から、排出削減に向けた新たな目標を表明してきました。

去年10月には、2050年までに国内の温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」の実現を目標に掲げました。

そしてことし4月、2030年度の温室効果ガスの排出量を、2013年度と比べて46%削減する目標も表明しました。

さらに先月には、この目標の実現に向け、2030年度の電源構成について再生可能エネルギーの割合を現状の2倍の水準の「36%から38%」とし、二酸化炭素を排出する火力は現状の75%から41%に大幅に減らす方針も明らかにしました。

しかし、山がちで森林が多い日本では、再生可能エネルギーの発電に適した土地が少なく、各地で建設に反対する声も上がるなど、目標達成には課題も多くあります。

また国際社会の中では石炭火力発電の輸出についての対応も焦点となります。

日本はこれまで、発電効率の高いものにかぎり石炭火力発電の輸出を支援する方針をとってきましたが、ことし6月のG7サミット=主要7か国首脳会議では、排出削減対策が取られていない石炭火力発電について、政府による輸出支援を年内に終える方向で合意されました。

このため日本は、輸出支援を継続できる条件についての再検討が求められています。

地球温暖化によって日本の気象はどう変化するのか。

気象庁文部科学省は今世紀末を対象に予測を行い、去年12月に公表しています。

想定は2つで「パリ協定」の目標を達成し、世界全体の気温上昇が今世紀末に、産業革命前と比べて2度前後に抑えられた場合と、追加的な対策をとらず、4度前後上昇した場合です。

まずは暑さです。

35度以上の猛暑日は世界全体の気温上昇が2度前後に抑えられたとしても全国平均でおよそ2.8日増えるとされています。

また、4度前後上昇した想定では、猛暑日が全国の平均で、半月以上に当たる、およそ19.1日増加すると予測されています。

なお、去年までの30年間で全国13地点の年間の平均日数は、およそ2.5日です。

雨の量もさらに増える見込みです。

20世紀末と今世紀末とを比べると、1時間に50ミリ以上の「非常に激しい雨」が降る頻度は、2度前後上昇の想定では全国平均でおよそ1.6倍に増え、4度前後上昇の想定では、およそ2.3倍にまで増えるということです。

1日の降水量が200ミリ以上と大雨になる日数も2度前後上昇の想定ではおよそ1.5倍に増え、4度前後上昇の想定ではおよそ2.3倍に増えるとされています。

また、台風については、大気中の水蒸気量が増えるため、4度前後上昇の想定では、猛烈な台風ができる頻度が増えるとされています。

日本沿岸の平均の海面水位は、2度前後上昇の想定ではおよそ0.39メートル、4度上昇ではおよそ0.71メートルそれぞれ上昇すると予測され、高潮や高波による浸水被害のリスクが高まるおそれがあります。

台風の専門家は、こうした海面水温の上昇で、台風が勢力の強いまま上陸するリスクが高まると指摘しています。

東京大学大気海洋研究所の佐藤正樹教授などの研究グループは、去年の台風10号を対象に台風が発生した位置や強さ、それに大気の条件などをわずかに変え、台風の進路や強さがどう変わるのか50パターン、シミュレーションをしました。

去年の台風10号は一時、中心気圧が910ヘクトパスカル、最大風速が55メートルと猛烈な勢力となり専門家などが「スーパー台風クラスだ」と指摘をしたほか、気象庁が、最大級の警戒を呼びかけました。

ただ、九州に近づく直前に弱まった上、九州の西を進み上陸することもありませんでした。

今回のシミュレーションで仮想の「台風10号」を発生させたところ、進路は、九州や四国に向かうものが大半となったほか、930ヘクトパスカルを下回る強さで上陸するものもあったということです。

佐藤教授は、今後、去年の夏と同様の高い海面水温になれば台風10号のような台風が上陸することは十分考えられるとしてしています。

佐藤教授は「地球温暖化が進めば、勢力の強い台風が上陸する可能性はますます高くなってくる。去年大丈夫だったからといって油断せず、備えていくことが重要だ」と指摘しています。

「『観測史上最高の海面水温』が早ければ10年後には2年に1度の頻度で起きるようになる」。

今回のIPCCの報告書が使用しているシナリオに基づいた日本周辺の海面水温の予測結果です。

専門家は「パリ協定の目標を達成したとしても台風や大雨のリスクがさらに高まっていく」として警鐘を鳴らしています。

国立環境研究所の林未知也特別研究員などの研究グループは、IPCCが今回の報告書に用いている、温室効果ガスの排出シナリオなどに基づき日本周辺の海面水温が近い将来どう変化するか詳しく解析しました。

この30年、日本周辺の平均の海面水温は上昇が続き、去年8月には、広い範囲で30度前後に達し、統計を取り始めてから最も高くなりました。

研究チームが将来の海面水温のシミュレーション結果を解析したところ、去年8月を超えるような海面水温は今から10年後から30年後の2031年から2050年ごろには2年に1度以上の頻度で起きるようになることがわかりました。

このような水温は、産業革命以後、人間の活動によって温室効果ガスなどが増えることがなければ1000年に1度以下の頻度でしか起きなかったみられるということです。

8月平均の海面水温を予測した画面では、日本周辺の海面水温が広い範囲で29度や30度になっていくようすが確認できます。

林特別研究員によりますと、こうした海面水温の上昇は、「パリ協定」で目標としている、世界の平均気温の上昇を産業革命前から1.5度に抑えることを達成したとしても、避けられない可能性が高いということです。

林特別研究員は「海面水温が高くなると、台風が勢力を落とさずに日本に接近や上陸をするリスクが高まるほか、漁業などにも影響を与える可能性がある」と指摘しています。

報告書の公表にあわせて記者会見したIPCCのイ・フェソン(李会晟)議長は「人間の活動が気候変動を引き起こし、極端な気象現象をより頻繁に、深刻にしていることは議論の余地がない。また、報告書は気候変動が地球上のあらゆる地域に影響を与えていることを示している。地球温暖化を抑制するためには、温室効果ガスの排出量を早急に、大幅に削減する必要があるのは明らかだ」と述べ、各国に対策を加速するよう呼びかけました。

IPCCの報告書について小泉環境大臣は談話を出し「今回報告された重要な科学的知見を踏まえ、世界の国々と共に野心を高め、パリ協定の着実な実施につながるCOP26になるよう、日本の環境外交力を発揮していく」としています。

そのうえで「すでに影響が現れている気候危機に対し、気温上昇を1.5℃に抑制するために、まずは2030年に向けて、カーボンプライシングをはじめ、大胆な政策強化に全力を尽くさなければならないとの思いを新たにした」としています。

IPCCの報告書の公表を受けて、ことし11月の温暖化対策の国連の会議COP26で議長国を務めるイギリス政府は9日、声明を発表しました。

声明では「報告書は人間の活動が驚くべき速度で地球に損害を与えているという世界中の科学者からの厳しい警告だ」としています。

そしてジョンソン首相のコメントとして「この先の10年が地球の未来を守るうえで極めて重要なのは明らかだ。報告書が、世界が今行動を起こすための警鐘になることを願っている」としています。

アメリカのブリンケン国務長官は9日、声明を発表し「IPCCの最新の報告書は気候変動がすでに危機的であることを明確に示している。また、人類によって気候は急速に変化し、地球が大きく変わっていると強調している」と指摘しました。

そのうえで「気候変動対策をこれ以上遅らせることはできない。各国のリーダーや民間企業、それに個々人がともに行動し、私たちの地球と将来を守るために、できることをすべて行わなければならない」として各国がすみやかに気候変動対策に取り組むよう呼びかけました。

フランスのマクロン大統領はIPCCの報告書が公表されたことを受けて9日、みずからのツイッターに投稿し「この報告書に議論の余地はなく、もはや憤慨しているだけではすまされない。フランスは、パリ協定や脱炭素社会の実現のために行動する市民とともにある」としています。

また、フランス外務省はルドリアン外相の声明を発表し「報告書は地球温暖化を防ぐために私たちの羅針盤であるパリ協定を完全に実施する必要があり、その緊急性があることを示している」と述べ、11月にイギリスのグラスゴーで開かれるCOP26に向けてフランスは先頭に立ってパリ協定の履行を国際社会に呼びかけていくと強調しました。

IPCCの報告書の公表を受けて国連のグテーレス事務総長は9日、声明を発表し「報告書は人類に対する警鐘だ。温室効果ガスの排出が地球を窒息させ、何十億もの人たちを差し迫った危険のもとにさらしている」と危機感を表しています。

そして「私たちの社会を存続できるかどうかは、各国の政府や企業、それに市民社会のリーダーたちの手にかかっている」として断固たる行動が求められているとしています。

そのうえで「今、力を合わせれば破滅的な状況は回避できる。しかし、今回の報告書で明らかになったように対応を先延ばしにしたり言い訳をしたりする余裕はない」として、直ちに行動をとるべきだと強調しました。

スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんはIPCCの報告書の公表にあわせてロイター通信のインタビューに答えました。

この中でグレタさんは「報告書は何をすべきかを教えてくれるわけではなく、解決策を示してくれるわけでもない。決断するのは私たちだ。私たちは未来の生活環境を維持するために行動を起こす準備ができているのか。危機は拡大し、刻々と深刻化している」と訴えました。

2015年に採択された地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」では、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べ2度未満に保つとともに、1.5度に抑える努力をすることや、世界全体の温室効果ガスの排出量を今世紀後半に実質的にゼロにすることを目標に掲げています。

また、2018年に発表されたIPCCの特別報告書をきっかけに「1.5度」に抑える必要性が世界的に意識されるようになって以降、その対策のために国連が必要だとする、2050年までの温室効果ガスの排出量の実質ゼロを目指す国が増えています。

各国の対策を調査しているイギリスのシンクタンクエナジー・アンド・クライメイト・インテリジェンス・ユニット」によりますと、EUヨーロッパ連合や日本、アメリカなどが、2050年までの温室効果ガスの実質ゼロを目指すとしています。

また中国政府は、二酸化炭素の排出量を2060年までに実質ゼロにすることを目指すとしています。

さらに、こうした目標を達成するため、2030年までの温室効果ガスの削減に向けた新たな目標を掲げる動きも出ています。

各国が国連に提出した目標では、アメリカは2030年までに2005年に比べて50%から52%削減するとしているほか、EUは2030年までに1990年に比べて少なくとも55%削減することにしています。

気候変動の問題に詳しい東京大学未来ビジョン研究センターの高村ゆかり教授は「秋にイギリスで開催されるCOP26では、IPCCの知見も生かしながら、1.5度という目標を世界全体で目指すことにどれだけ合意できるかが焦点となる」と話しています。

国連のIPCC=「気候変動に関する政府間パネル」は1988年、WMO=世界気象機関とUNEP=国連環境計画によって設立されました。

各国の政府から推薦された研究者が協力して、最新の研究成果をもとに地球温暖化の現状や今後の見通し、地域や生態系への影響、そして対策についてそれぞれ3つの報告書と、それらをまとめた統合報告書を数年ごとに発表しています。

第1次評価報告書は1990年に発表され、1992年に採択された国連の気候変動枠組条約の、重要な根拠の1つとなりました。

また、前回の第5次評価報告書を受けて2015年に採択されたパリ協定では、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べ2度未満に保つとともに、1.5度に抑える努力をすることなどが盛り込まれました。

2018年には、特別報告書を発表し、世界の平均気温は今のままでは、早ければ2030年には、1.5度上昇し、異常気象がさらに増加すると予測しました。

この結果、温暖化を「1.5度」に抑えることが世界的に意識されるようになりました。

IPCCは2007年、人類の活動が地球温暖化と関係があることを明らかにするなどした活動が評価され、ノーベル平和賞を受賞しています。

IPCCの日本代表団メンバーで海洋研究開発機構の河宮未知生さんは「京都議定書やパリ協定など、国連の気候変動枠組条約の活動の節目となる重要な成果の前には必ずIPCCの報告書が更新されていて、気候変動に関する国際的な合意に科学的な基盤を提供し続けてきた」と話しています。

ことしも、世界各地で記録的な暑さや洪水などの被害が相次いでいて、中には気候変動の影響が指摘されるケースもあります。

ことし6月、カナダやアメリカの西部の広い範囲で記録的な暑さとなり、カナダ西部、ブリティッシュ・コロンビア州のリットンでは49.6度と、カナダの観測史上最も高い気温を記録し、州内では暑さが原因で亡くなる人も相次ぎました。

この熱波についてイギリスなどの研究機関や気象当局の専門家でつくるチームは、分析の結果「温暖化がなければ事実上、起きえなかった」と指摘しました。

また、先月、大雨による影響でドイツやベルギー、オランダなどで洪水が相次ぎ、被災地を訪れたドイツのメルケル首相は「科学を信じるならば、気候変動との関連がある」と述べて、気候変動への対策を進める必要があると訴えたほか、EUヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長も、気候変動が影響しているという見方を示していて、気候変動に対する危機感が強まっています。

facta.co.jp

興味深いのは、同報告書が「このシナリオは予測ではない。むしろ私たちが将来に向けて準備していく方法、より良い未来を作るためにさまざま戦略を考え、リハーサルすることを可能にする仮説である」と、なぜかわざわざことわっている点だ。英語ではあるが、ウェブサイト上に今でも公開されているので、ご関心のある方は直接読まれてみるとよい(*http://www.nommeraadio.ee/meedia/pdf/RRS/Rockefeller%20Foundation.pdf)。

#テレビ

d1021.hatenadiary.jp
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厚生労働省で、こんな動画を公開しているということに驚きました。国民にとって重要なのは「安全」と「安心」ということでしょう。それは医療にとっても同じことなのだと思います。そもそも「予防注射」の役割とは何なのかということを考えさせられる動画です。何のためか。

#アウトドア#交通