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アフガニスタンでは、武装勢力タリバンによる新政権樹立に向けた調整が最終段階に入っていますが、銀行業務の停止で多くの国民が現金を引き出せないうえ、物流が滞り物価が高騰するなど混乱が続いています。

アフガニスタンと国境を接するパキスタン南西部チャマンには、生活に困窮するアフガニスタン人が援助機関や親族の支援を受けようと、次々に訪れています。

パキスタン政府は新たな難民は受け入れないとしていますが、国境周辺の住民に限って一時的な滞在を認めています。

人々は「飢えて死にそうで、どうしようもない」とか「銀行で働く人が戻ってきていない」などと訴えていました。

こうした中、首都カブールの空港には3日、UAE=アラブ首長国連邦から食料や医薬品など支援物資を積んだ航空機が到着しました。

またカタール政府は、こうした人道支援物資の搬入や国外退避を希望する人の出国などのため、空港の本格的な運用再開を目指して技術者を派遣するなど、各国の支援の動きも出始めています。

武装勢力タリバンが新たな政権の樹立に向けた準備を進める中、首都カブールでは3日、大統領府の近くに女性たちが集まり、新政権が女性の権利を尊重するよう訴えました。

かつてのタリバン政権は、イスラム教の極端な解釈をもとに、女性の就労や教育を厳しく制限しましたが、タリバンの幹部の1人は、新しい政権でも、主要な閣僚ポストに女性を登用することはないだろうとの見通しを示しています。

集まった女性たちは「男性と同じように女性の権利を」とか「団結してすべての抑圧を打破しよう」などと叫びながら市内の中心部を行進しました。

参加した女性の1人は「アフガニスタンの女性たちはこの20年間、一生懸命働き、勉強し、教育にも携わってきましたが、新しい政権から排除されています。私たちは人権の尊重を求めます」と話していました。

ロシアのプーチン大統領は3日、極東のウラジオストクで、アフガニスタン情勢について意見を述べました。

アメリカに代わって誰が世界の秩序を守るべきかという質問に対して、プーチン大統領常任理事国5か国を含む、国連の安全保障理事会だ」と答えたうえでアメリカは、長年かけて、アフガニスタンのために1兆5000億ドル以上を費やし、何の結果も得られなかった」と指摘しました。

また、アフガニスタンと国境を接するタジキスタンウズベキスタンがロシアと軍事的にも経済的にも近い関係にあることを踏まえてアフガニスタンは、ロシアの安全保障上、非常に重要だ」と述べました。

そのうえでテロリズムや麻薬のまん延と効果的に対抗するためには、団結する必要がある」と述べ、アフガニスタン情勢の安定化に向けて、国際社会が協力していく必要性を強調しました。

Q タリバンを率いているのは誰ですか?
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タリバンの現在の最高指導者は、アクンザダ師です。

タリバンは1994年に結成されましたが、2016年に2代目の最高指導者だったマンスール師がアメリカ軍の空爆で死亡しました。そこで、当時ナンバー2だったアクンザダ師が就任しました。

長く宗教教育に携わった経歴を持つことから、教え子の多くが戦闘員になっていて、精神的な指導者とみられています。

一方で、公の場に姿を現すことがほとんどなく、どこまで細かく意思決定に関わっているかはわかっていません。

Q では、実際に率いているのは誰ですか?
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タリバンは、実際にはアクンザダ師の下にいる3人の副指導者による集団指導体制をとっていると言われています。

その3人とは、▼政治部門のトップを務めるバラダル師▼初代最高指導者オマル師の息子のヤクブ師▼そして、強硬派のハッカーニ・ネットワーク(アメリカ政府が2012年にテロ組織に指定)の創設者、ハッカーニ氏の息子のシラジュディン・ハッカーニ氏です。

このうち現在、最も重要な役割を担っていると見られているのがバラダル師です。

Q バラダル師とはどんな人物ですか?

バラダル師は、タリバンの実質的なナンバー2です。

初代最高指導者のオマル師とともにタリバンを創設した1人で、指導部で最も穏健派として国連でも知られていました。

2009年ごろ、当時のカルザイ大統領との対話を始めようとしましたが、2010年に隣国のパキスタン政府に拘束されました。

その後、2018年からタリバンとの和平交渉を始めたアメリカ政府がパキスタンに働きかけ解放されました。

そして、バラダル師はカタールにあるタリバンの政治事務所の代表としてアメリカとの本格的な交渉を続け、去年2月(2020年)、和平合意に署名しました。

今回、タリバンが権力を掌握したあとにアメリカのCIA=中央情報局の長官と極秘に面会したと伝えられ、新政権の発足にあたりキーパーソンになる人物とみられています。

Q バラダル師以外はどんな人物ですか?

ヤクブ師は、2016年に副指導者の1人に就任しました。

しかし、これまで表舞台に出てきたことはなく、今後もオマル師の息子として精神的な指導者としての役割が見込まれているという見方もあります。
そして、もうひとりのハッカーニ氏は国際テロ組織アルカイダとの関係があるという指摘されていますが、実際にどの程度関係があるかは不明です。

いろいろな分析がありますが、タリバンは、少なくともこの1、2年は、バラダル師の統率のもと組織が動いているように見えます。

Q 自爆テロを起こしたISの地域組織と対立関係にあるんですか?

ISの地域組織とタリバンとは関係が悪く、互いに非常に強い敵対心を持っていて、これまでも激しい戦闘を続けてきました。

テロを引き起こしたとされる組織は、中東のイラクやシリアに拠点があるISの分派で、2014年ごろからアフガニスタンで活動を始めたと言われています。

組織を世界全体に広げ、アメリカの覇権に挑戦するという考えをもっているISは、イラクやシリアでは勢力が縮小するなか、アフガニスタンで勢力を拡大しようと活動を続けてきました。

ISの地域組織による26日の空港での自爆テロは、新しい国づくりを始めようとするタリバンの統治能力への信頼にダメージを与え、米軍にも打撃を与える、そんなねらいがあったと考えられます。

Q ISの地域組織に今後どう対処していくのでしょうか?

タリバンはこれまでも、自分たちが政権につけば治安はよくなると訴えてきました。

厳しい統治はするけれども、人々が安心して暮らせるようになるというわけです。

しかし、テロが続けば、治安の安定を望む国民にも、また国際社会からも統治能力に対する疑問を持たれてしまいます。

タリバンとしては市民をねらった攻撃をいかに抑え込むかが重要な課題ともなるため、これから厳しく取締りをしていくことになると思われます。

Q タリバンは情報発信も積極的なようですが、そのねらいは?

自分たちが欧米諸国とも付き合える組織だということをアピールするのがねらいだと思います。

アメリカなどの軍事作戦で2001年に崩壊した旧タリバン政権では、サウジアラビアパキスタン、それにUAEアラブ首長国連邦の3か国からしか承認を受けられませんでした。

それを防ぎたいという意志は、タリバンにもあると思います。

タリバンは、女性の教育や就労の権利を保証し、国際テロ組織を取締り、国内の多様な民族が参加する包括的な政権をつくるとメッセージを打ち出しています。

問題は、こういった対外的な約束が、どこまで本当に実施されるかです。

Q タリバンは各国とどのように向き合っていくのでしょうか?

タリバンは主要な国々とつきあいたいという気持ちはあるように見えます。

アメリカとの和平合意のあとには、バラダル師が中国やインド、それにロシアやイランを回って、タリバンの今後の方向性について説明しつつ、支持を求めて積極的に外交を行っていました。

ただし、現状では、IMF国際通貨基金世界銀行が相次いで支援を停止するなど、経済的に厳しい状況に追い込まれつつあります。

こうなるとタリバンは、中国やロシアなど欧米諸国と一線を画す国々に頼っていく可能性があります。

アフガニスタンは、中国が経済的支援で影響力を強めているパキスタンとイランの真ん中に位置し、一帯一路構想を進める上でも要衝の地です。

また国内に多くのイスラム教徒を抱える中国は、アフガニスタン国内の治安が不安定になるのは避けたいと考えており、タリバン主導の政権への影響力を増しながら、国が安定するように支援していく可能性が高いと見ています。

Q 今後のポイントは?

タリバンが対外的に主張してきたことが、本当に実践されていくかを、日本も含め国際社会は見ていくことになると思います。

1つ目は、多様な民族が参加する包括的な政権がどの程度実現するのか。

特定の勢力や少数民族を排除せず、アフガニスタンの人たちが納得できるものになるかです。

2つ目は、女性の問題です。

タリバンは女性の就労や教育の権利を認めると何度も明言しています。

今後の政策を、欧米諸国がどう判断するかというだけではなくて中国やロシア、中東諸国など体制の異なる国々がどう評価するかも、非常に大事な点になると思います。

3つ目は、自爆テロを引き起こすような国際テロ組織の拠点にしないという対外的な公約を、どこまで実現できるかです。

この点については、アメリカとの協力関係を構築するのかどうかにも関わる問題で、タリバンも難しいかじ取りを迫られます。

この3つの課題に真剣に取り組みつつ、治安の安定も実現することができれば、国民からも受け入れられ、かつ国際的にも一定数の国々と関係を構築することができる可能性はあると思っています。

アフガニスタンでは先月30日にアメリカ軍が撤退したあと、権力を掌握していたタリバンが指導部内や前の政権の幹部らとの間で協議を続け、新政権樹立を目指しています。

こうしたなか、イギリスのラーブ外相はアフガニスタン情勢を巡る各国の外交拠点になっている中東のカタールを訪れたあと、3日、パキスタンを訪問しました。

アフガニスタンとの国境地帯を視察したラーブ外相は、自国民などを空路だけでなく陸路で退避させる可能性も視野に入れていることを明らかにするとともに「テロの脅威への対応や人道支援、地域の安定化のためにパキスタンと連携している」と述べました。

アメリカ軍の撤退後、ドイツとオランダの外相もタリバンと関係を築いてきたカタールを訪れて、アフガニスタンの政治情勢や人道支援について意見を交わしています。

アメリカも、ブリンケン国務長官とオースティン国防長官を5日からカタールなどに派遣する予定で、各国政府はアフガニスタンの安定化に向けて近隣諸国との外交活動を活発化させています。

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