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ロシアで5年に一度となる議会の下院選挙は、小選挙区比例代表で合わせて450の議席が争われます。

ロシアは国内に10時間の時差があるため、投票は極東地域から順に行われ、極東の中心都市ウラジオストクでは、日本時間の17日午前7時に投票が始まりました。

投票所を訪れた市民は、入り口でアルコール消毒してから一票を投じていました。

プーチン政権を支える与党の「統一ロシア」に投票したという26歳の女性は「政権に満足しています。現状が維持されれば国は安定するでしょう」と話していました。

一方、野党に投票したという経営者の男性は「変化が必要です。今は後戻りしているだけです」と話し、政府の経済対策を批判していました。

与党の「統一ロシア」は、経済の低迷や年金受給年齢の引き上げなどで国民の不満が高まり、政府系の世論調査でも、ことし6月以降、支持率が20%台とかつてなく落ち込んでいます。

一方で、政権に批判的な野党勢力の活動は、選挙戦の中断を余儀なくされるなど、著しく制限されています。

今回の選挙は3年後に行われる大統領選挙の前哨戦とも位置づけられていて、与党が議会で安定した勢力を維持できるかが焦点です。

投票は新型コロナ対策を理由に、下院選挙では初めて、3日間にわたって行われ、19日に開票されます。

ロシアのプーチン大統領は下院選挙の投票日に先立ち、16日、大統領府のウェブサイトに、国民に投票を呼びかける動画を掲載しました。

このなかでプーチン大統領「17日以降、都合のいい日に投票所に行くか、電子投票を利用してください。愛する祖国のため、ロシアのすべての市民の利益のために働いてくれる議員を選出したいというあなた方の思いに期待しています」と述べました。

プーチン大統領自身は、みずからに近い関係者が新型コロナウイルスに感染していたとして自主隔離の措置をとっていますが、大統領府のペスコフ報道官は16日「いかなる場合でも大統領は投票に参加する」と強調しました。

ロシア極東では、生活水準が改善せず、都市部との経済格差が広がっていることなどを背景にここ数年で政権与党への不満の声が高まっています。

プーチン政権は、国土の3分の1余りの面積を占める広大な極東地域の開発を国の優先課題と位置づけ、空港や橋などのインフラ開発を進め、中心都市のウラジオストクでは、劇場や水族館など観光施設の整備も進めてきました。

ただ、住宅や医療など市民の生活環境の改善は進んでいない上、ウラジオストクのある沿海地方の平均月収は5万6000ルーブル余り、日本円にしておよそ8万5000円で、全国平均よりも低く、首都モスクワと比べると半分程度にとどまっています。

その一方で、物価はロシアのほかの地域と同じように高騰していて、子育て世代など若い世代を中心に不満をつのらせています。

ウラジオストクで契約職員として働く24歳の女性は、月収が3万ルーブル、日本円にしておよそ4万5000円で、生活を切り詰めざるをえないということで「家賃や光熱費を支払い、薬を買って、残ったお金を見ると、次の給料日までどうやって生活したらいいのか分かりません」と訴え、今回の選挙で与党「統一ロシア」には投票しないと話していました。

極東から首都モスクワなどの大都市に移住する人はあとを絶たず、人口流出に歯止めがかかっていません。

極東の人口は、30年前は800万を超えていましたが、ことし1月の時点では3年前に行政単位の変更で、極東に組み込まれた2つの地域を除いて、600万余りにまで減っています。

来月にもロシア中部へ家族で移住することを決めているウラジオストクの35歳の女性も与党には投票しないとしたうえで「住宅環境はひどいし、子どもたちの遊び場や学校、幼稚園など、すべてが嘆かわしい状況で、今すぐにも出て行きたい」と不満をあらわにしていました。

こうした中、極東では去年、異例とも言えるプーチン政権への抗議活動が相次いだことから、今回の下院選挙では与党の苦戦も予想されています。

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