https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

#バカ田大学

それが二つ目の観点、つまり「ジェンダーの観点」です。

二〇二一年の集英社開高健ノンフィクション賞の受賞作は、平井美帆著『ソ連兵へ差し出された娘たち──証言・満州黒川開拓団』でした。満州開拓団の中の独身の女性たちが、開拓団の人々を守るために敗戦時にソ連兵に差し出された、その事実を書いたものです。

ジェンダーの問題とは女性そのものの問題ではなく、「女性を道具とみなす」「女性を性の対象としてしか見ない」「トータルな人間として共感を持って関われない」男性たちの問題です。それは戦争中という非常時に極端に現れますが、平常時でも同様で、しかも今日まで続いています。

多くの人を守るために耐え忍んだ女性たちは、帰国してからは汚れた者とみなされ、差別され、排除され、揶揄されました。「減るわけじゃなし」の類のからかいや処女信仰、支配・被支配の関係は、いまだに男性たちの中に巣食っています。それが従軍慰安婦へのヘイトスピーチとして現れ、家庭内暴力、家庭内外での性暴力も、いまだに後を絶ちません。

これらは極端な事例ですが、女性はいつも不思議に思います。女性は不特定多数の異性や同性と身体的なかかわりを持ちたいとは思いませんが、男性は、差し出された女性たちと平然と交わり、慰安所に列をなすこともあったわけです。

多くの女性は性行為を必要不可欠なものと考えませんが、多くの男性はそう「考え」ます。しかし実際には、生きるために必要不可欠なものではありません。女性を全体的な人間として対等に感じ考えることができれば、命にとって必要不可欠でない性的な交わりを、相手が望まないのであれば、自分も望まないでしょう。相手が望まないことをおこなう行為は、自分を惨めにするだけだからです。

d1021.hatenadiary.jp

#朝鮮半島