https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

横浜市神奈川区の旧「大口病院」の元看護師、久保木愛弓被告(34)は、5年前の2016年9月、70代から80代の入院患者3人の点滴に消毒液を混入し、殺害した罪などに問われました。

これまでの裁判で、被告は起訴された内容を認めていて、被告の当時の精神状態や刑の重さが争点になり、検察が死刑を求刑したのに対し、弁護士は心神こう弱状態で、無期懲役が相当だと主張していました。

9日の判決で横浜地方裁判所の家令和典裁判長は、起訴された内容について認定したうえ、争点となっていた被告の当時の精神状態について「『ASD自閉スペクトラム症』の特性を有し、うつ状態と認められるが、完全責任能力が認められる」と述べました。

そのうえで「看護師としての知見や立場を利用し、動機は身勝手極まりなくくむべき点は認められない。被害者は苦痛の中で命を奪われており、結果は極めて重大だ」と指摘しました。

一方で、量刑については「もともとの特性から看護師には向いていないと自覚していたが、大口病院の業務を聞いて自分でも対応できると考えた。しかし、実情は異なっていて、うつ状態となり、短絡的に犯行を繰り返した。反省して罪を償いたいと述べており、更生の可能性が認められ、死刑を選択するのはちゅうちょせざるをえない」と述べ、無期懲役を言い渡しました。

無期懲役の主文が言い渡されたとき、被告は証言台の前に座り、裁判長のほうをじっと見つめていました。

そして裁判長が「裁判所の判断です。わかりましたか」と尋ねると、被告は「はい」と小さな声で答えました。

言い渡しの際、検察官の後ろに座っていた遺族は、じっと被告のほうを見ていました。

最後に裁判長は「それぞれの犯行について慎重に検討しました。苦しい評議でしたが、われわれ全員で出した結論が無期懲役です。生涯をかけて償ってほしい」と語りかけ、閉廷しました。

判決を受けて、久保木被告が勤務していた横浜市の旧「大口病院」、今の「横浜はじめ病院」はコメントを出しました。

このなかで「患者様に寄り添い、守るべき病院において看護師がこのような恐ろしい行為に及んだことが認定される結果となりました。改めまして、被害にあわれた患者様およびご遺族の皆様には心よりお詫び申し上げます。今はただ、事件によりお亡くなりになられた患者様のご冥福を、心よりお祈り申し上げます」としています。

#法律