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カザフスタンでは、燃料価格が大幅に値上がりしたことをきっかけに政府に対する抗議活動が各地に広がっていて、ロシアメディアによりますと、最大都市アルマトイでは6日、中心部の広場に集まった数百人のデモ参加者の一部と治安当局との間で衝突が起きたということです。

警察当局は「数十人を排除した」としてデモの参加者に死者が出ていると明らかにしていて、その後、内務省はこれまでにおよそ2000人を拘束したと発表しました。

また、全土で1000人以上がけがをしたということです。

一方、カザフスタン政府の支援要請に応じて、ロシアが主導し旧ソビエトの6か国で構成するCSTO=集団安全保障条約機構の部隊が6日、ロシアなどからカザフスタンに派遣されました。

またロシア外務省は6日、今回の抗議活動について「外部から訓練された武装集団を使って国家の安全を損なおうとする試みだ」という声明を発表し、テロ行為だとしたうえで、カザフスタン政府と連携していく姿勢を強調しました。

派遣された部隊は治安が回復するまでの期間限定でカザフスタンで任務にあたるとしていて、政権側はロシアなどを後ろ盾に、抗議活動を抑え込む姿勢を強めています。

カザフスタンは北側でロシア、東側で中国と接する中央アジアの北部に位置する国です。

国土の広さは日本の7倍の面積で、世界で9番目、中央アジアでは最も広く、およそ1900万人が住んでいます。

ソビエト連邦を構成した15の共和国の1つでしたが、ソビエト崩壊に伴い1991年に独立しました。

ソビエト時代の1990年から30年近くにわたってカザフスタンを率いてきたのが、ヌルスルタン・ナザルバーエフ前大統領(81)です。

ナザルバーエフ氏は、ロシアとの伝統的な友好関係を維持しながら、石油や天然ガスなど豊富な天然資源を活用して欧米諸国や中国からも投資を呼び込み、開発を進めることで、カザフスタン中央アジアの5か国の中で経済的に最も豊かな国に押し上げました。

このためカザフスタンでは国父=国の父と呼ばれ、圧倒的な支持を集めましたが、富と権力はナザルバーエフ氏一族や側近たちが事実上独占してきたと批判の声もあがっていました。

ナザルバーエフ氏は2019年、任期の途中で突然大統領を辞任し、側近だったトカエフ氏を後継に指名しましたが、みずからは国家安全保障会議の議長や与党の党首といった要職にとどまりました。

トカエフ政権はカザフスタンの首都の名称を「アスタナ」からナザルバーエフ氏のファーストネームと同じ「ヌルスルタン」に変更するなど忠誠心を示し、ナザルバーエフ氏は政治の実権を握り続けました。

今回、燃料価格の値上がりをきっかけに大規模な抗議活動となるなか、参加者からは、長期にわたって権力を握るナザルバーエフ氏への批判や、政界からの完全な引退を訴える声もあがっていました。

トカエフ大統領は5日、ナザルバーエフ氏を国家安全保障会議の議長から解任したと発表しましたが、収束は見通せない状況で、ナザルバーエフ氏の今後の動向も注目されています。

カザフスタンで起きている大規模な抗議活動について、中央アジア情勢に詳しい北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターの宇山智彦教授は「不満が国民にたまっていることは確かだが、ここまで暴力的な展開になるのは驚いた」と述べて、カザフスタンで多数の死傷者が出る事態に発展している現状は異例だという見方を示しました。

抗議活動が大規模に広がった要因としては「いちばん叫ばれたスローガンは“老人よ、去れ”で、経済的な不満も大きいが、非常に広い範囲の人に共有されるのが、このナザルバーエフ氏の完全引退を要求する声だったと思う」と話し、30年近くにわたって長期政権を率いてきたナザルバーエフ前大統領が今もその影響力を維持していることに対して、国民が不満を蓄積してきたことが今回示された形だと指摘しました。

また宇山教授は、カザフスタン情勢について最も懸念しているのは隣国のロシアだとした上で「抗議行動によって政権が倒れる、それも小さな国ではなく隣のかなり大きな国で起きるのは、他のケースに比べて波及する可能性が高い。プーチン政権としては非常に心配しているはずだ」と述べて、ロシアや中央アジア諸国への波及を懸念したことから、ロシアが主導する軍事同盟が部隊を派遣することになったのではないかという見方を示しました。

さらに今後の展開については「抗議側はあまり組織だっておらず、政権側は軍を大量に投入して抑え込もうとしている。政権を転覆する可能性はかなり下がっていると思う」とした上で、「鎮圧には時間がかかるかもしれない。現在の政権が国民の信頼を取り戻すのは非常に難しいだろう」と述べて、さらなる不安定化につながるか注視する必要があると指摘しました。

アメリ国務省によりますと、ブリンケン国務長官は6日、カザフスタンのトレウベルディ外相と電話で会談し、平和的で人権を尊重した解決を支持すると伝えたということです。

また、ロシアの脅威に対抗してウクライナの主権や領土保全を支持することなど、ヨーロッパの安定の促進を優先課題として提起したということです。

一方、治安回復を目的としてカザフスタンに派遣されたロシアが主導する軍事同盟の部隊について、国務省のプライス報道官は記者団に対し「部隊の活動を注視している。平和的な解決につながるよう人権の尊重を求める」と述べました。

カザフスタンでは、燃料価格の大幅な値上がりをきっかけに、政府に対する抗議活動が各地で続いていて、最大都市アルマトイでは治安当局との衝突などで、これまでに2000人以上が拘束され多くの死傷者が出ています。

こうした状況を受けて6日、国連のバチェレ人権高等弁務官は声明を発表し「人々には平和的な抗議と表現の自由の権利がある。同時に、抗議する人は、どんなに怒り、苦しんでいても暴力に訴えるべきではない」と呼びかけるとともに、抗議活動に参加した数十人が死亡したことにも触れ、治安当局や抗議活動の参加者を含む、すべての人に対して暴力を控え、平和的な解決を模索するよう促しました。

さらに、広い範囲でインターネットが遮断されていることについて「インターネットは、新型コロナウイルスの緊急医療サービスにも不可欠だ」とし、直ちに再開するよう求めました。

また、EUの外相にあたるボレル上級代表は、ツイッターに「深く懸念している。市民の権利と安全は保障されなければならない」と投稿し、問題の解決に取り組む用意があることを強調したほか、イギリス政府も声明で「暴力行為や建物の破壊を批判する。また、当局は言論と表現の自由を尊重するよう求める」などと訴えています。

カザフスタンでは燃料価格の大幅な値上がりをきっかけに、政府に対する抗議活動が各地に広がり、内務省によりますと、これまでにデモの参加者26人と治安当局者18人が死亡し、3000人以上が拘束されたということです。

カザフスタン政府は、テロ行為だとしてデモ隊を一掃する作戦を進める中、7日、テロ対策に関する会合を開きました。

この中でトカエフ大統領は「対テロ作戦が始まった。すべての地域で秩序はほぼ回復した」と強調しました。

このあと、トカエフ大統領は国民向けに演説し「私は警告なしに射撃するよう軍に命令を出した。武装勢力は武器を捨てずに罪を犯し続けており、最後まで戦う必要がある」と述べ、抗議活動を徹底的に抑え込む考えを示しました。

現地ではカザフスタンの要請を受けて、ロシアが主導し旧ソビエトの6か国で構成するCSTO=集団安全保障条約機構の部隊も活動を始めていて、政権側は、ロシアなどを後ろ盾に強気の姿勢を示しています。

一方、日本の外務省によりますと、これまでのところ、日本人が被害にあったという情報は入っていないということです。

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