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今月23日、知床半島の沖合で、26人を乗せた観光船「KAZU 1」(19トン)が遭難した事故から30日で1週間となり、これまでに捜索で見つかった14人の死亡が確認されたほか、29日は船体が海底に沈んでいるのが見つかりました。

事故の3日前には日本小型船舶検査機構が法律に定められた検査を実施し、機構を管轄する国土交通省は異常は確認されなかったと説明しています。

この検査の際、搭載が義務づけられている陸上との通信設備として会社側がこれまでの衛星電話から携帯電話に変更して申請し、検査を通過していたことが関係者への取材で分かりました。

国土交通省によりますと、携帯電話は航路で通信ができる場合にかぎり認められることになっていて、機構の担当者が確実につながるかを確認したところ、船長が「つながる」と答えたことから検査を通したということです。

ただ、海上保安庁によりますと、申請があった携帯電話のキャリアでは現場海域には電波が届かない「不感地帯」があるということで、船と海上保安庁の通話も1度しかできていないほか、船の無線は他の運航会社としか交信できず、衛星電話もつながらなかったことが明らかになっています。

海上での通信に詳しい神戸大学大学院の若林伸和教授は「会社側の申請は疑問で、安全意識は薄いと言わざるをえない。一方でチェック機能が働かない国の検査にも問題があり、在り方を考えなければならない」と指摘しています。

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