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ウクライナの首都キーウ(キエフ)を電撃訪問したカナダのトルドー首相は8日、ロイターとのインタビューに応じ、ウクライナ戦争でロシアのプーチン大統領を敗北させるため、世界は全力を尽くすと発言、数年にわたってロシアを制裁下に置くと述べた。

首相は「西側がプーチンの行為に断固として反対する決意であることを彼は理解する必要がある」とし、「ウクライナにさらに侵攻するための違法な戦争、状況のエスカレート、一線を超えた行為は、われわれが世界として彼の敗北を確実にするため、全力を尽くすことを意味する」と発言。

「彼は市民に対する残虐行為を行っている。勝てると考えていたからそのようなことをしているが、敗北するしかない」と述べた。

クリスティナ・クビエン大使代理が率いる在ウクライナ米大使館職員チームが8日、首都キーウ(キエフ)に到着した。当局者が明らかにした。ブリンケン米国務長官が先月、キーウの大使館を近く再開すると約束していた。

大使館への復帰は、2月24日のロシアによるウクライナ侵攻後初めて。キーウでの業務全面再開を目指す。国外退避していた職員は、ウクライナ西部・リビウに戻り始めていた。

プーチンが2008年以降、世界各地で実現した軍事的成功はどれも、小規模の精鋭部隊と雇い兵と地元の民兵集団、そしてロシアの空軍力を組み合わせて実現したものだった。

ジョージアナゴルノ・カラバフ、シリア、リビア、マリ、そして2014年にウクライナで2度、ロシア政府は低コストで介入し、相当に有利な立場に立った(2014年にウクライナで2度というのは、まずクリミアを違法に併合したのち、ロシアに従属するルガンスクとドネツクの自称共和国を作ったことを指す)。

どの場所でもロシアは素早く、容赦なく動き、西側世界は段階的な制裁でしか対抗できなかった。西側の制裁に現実を変える力はなかった。プーチンは「現場で新しい事実を作り出す」のが得意だった。

今年2月に彼は、同じことをウクライナで、最大級の規模でやろうとした。人口4500万人の国、領土面積でいうと欧州で2番目に大きい国の、政治的実権を約72時間のうちに奪取しようとしたのだ。驚くほど無謀なギャンブルで、最も大事な第1週で、その賭けは完全に失敗した。

プーチンにはもはや、戦争を拡大して突き進む以外、あまり選択肢は残されていない。戦争を拡大とはこの場合、ウクライナ国内で拡大するか、ウクライナ以外で拡大するかだ。エスカレーションは現状に組み込まれている。そして欧州は近年の歴史で例を見ないほど、危険な時点にさしかかった。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の軍隊や、外の世界が反応できる前に、首都キーウ(ロシア語でキエフ)の政府を支配下におくという「プランA」の実現に失敗した後、ロシア政府は「プランB」に移った。これは「プランA」よりも「作戦展開」を重視する軍事的な計画で、まずキーウを包囲してから、チェルニヒウ、スーミ、ハルキウドネツクマリウポリ、ミコライウといった他の主要都市を攻略しようというものだった。降伏か全滅かと首都キーウを脅かす間に、ウクライナの武力抵抗をあっさり消滅させようというのが狙いだった。

しかし、これもまた失敗した。陥落してロシアの支配下に入った主要都市は南部へルソンのみで、ここでも住民はロシアの統治に抵抗し続けている。結局のところ、ウクライナほど巨大な国を圧倒的に支配するには、ロシアの軍勢は小さすぎた。そしてロシア軍の戦いぶりは実にお粗末だった。その理由はいくつかある。指揮系統の質が低く、キーウからミコライウまで4つの前線に部隊は分散され、全体を束ねる総司令官がいなかった。

加えて、ロシア軍を待ち受けていたのは、不退転の決意で立ちはだかるウクライナ軍だった。しっかり訓練されてきたウクライナ軍は、「動的防衛力」を古典的なまでに発揮し、戦線を維持するのではなく、敵軍が特に弱い急所を次々とたたくことで、ロシア軍を膠着(こうちゃく)状態に陥らせた。

戦況の停滞にいらだつロシア政府は、今度は「プランC」に移行した。これはキーウと北部の制圧を諦め、その代わり、東部ドンバス地域からおそらく南西部オデーサに至る南部全域に大攻勢をかけるため、戦力を集結させるというものだ。主要な港湾都市オデーサを含む南岸一帯をロシアが掌握すれば、ウクライナは事実上、内陸国になってしまう。

そして現在、南東部のイジューム、ポパズナ、クルルカ、ブラジキウカなどで展開しているのが、この作戦だ。

ロシア軍はウクライナ軍の統合作戦部隊(JFO)を包囲しようとしている。JFOはウクライナ陸軍の約4割にあたる部隊で、2014年以来、分離派が実効支配するルハンスクとドネスクの自称「共和国」に対峙(たいじ)している。この地域でロシア軍にとって鍵となる目標は、スロヴィヤンスクとその南のクラマトルスクを掌握することだ。両都市ともドンバス地方全域を支配するための要衝となる。

そしてこの戦争は、軍事的にこれまでとは異なる段階に入った。今までより広い土地で、今までより良い天候の中、戦闘が繰り広げられる。戦車と機械化歩兵、そして何よりも敵の装甲車がなだれ込んでくる前に相手の防衛を殲滅(せんめつ)するよう設計された大砲を駆使して。

しかし、これはそれほど単純なプロセスではない。

ロシアの攻勢は出遅れ、ウクライナのJFOはロシアの進軍を食い止めている。おかげで、今頃はここまで到達しているはずとロシア側が想定していたほどの前進は、まだ実現できていない。これによってウクライナ側は貴重な時間を稼いだ。戦闘が本格化する前に、それぞれが重火器を前線に投入しようと、今は「ヘビーメタル(重火器)の競争」が進行中だ。これは今後数週間でさらに状況が進むだろう。

しかし、ドンバスで何が起きたとしてもそれは、さまざまな敗北の選択肢から何かを選ぶ機会を、プーチンに与えるに過ぎない。

戦闘が秋になって膠着状態に陥った場合、それまであまりに多くの損害と苦しみを重ねたロシアに、プーチンはほとんど何も成果として示すことができないはずだ。戦況の勢いが変わり、ロシア軍が後退させられる事態になれば、なおさらだ。そして、たとえロシア軍がドンバス全域と南部全域の制圧に成功したとしても、ロシア軍を追い出したい数百万人のウクライナ人を前にして、いつまでも両地域を押さえ続けなくてはならない。

もしもロシアが軍事的な大成功を収めた場合はおそらく、ロシアが制圧する全地域で、大規模な反ロシア運動が際限なく続くだろう。プーチンは2月に「プランA」に全てをかけて臨んだ。それが失敗したせいで、続く「プランB」だろうが「プランC」だろうが、他のどのような計画だろうが、ロシアは全力であたり、広大な国の一部もしくは全土を押さえ込まなくてはならないのだ。

いずれにしても、ロシアはウクライナで戦い続けなくてはならない。住民と敵対しながら、あるいはウクライナ軍と敵対しながら。その両方と同時に敵対しながら、という可能性もある。そして、ロシア軍が撤退しなければ譲歩の検討などあり得ないという現在の姿勢をウクライナ政府が取り続けるならば、プーチンはかたくなに突き進むしか、ほかにできることはあまりない。

西側諸国は今後も、ウクライナ政府に武器と資金を提供し続けるし、強力な対ロ制裁をそうそうすぐに解除することもない。ロシア産エネルギーへの欧州の依存度がいずれ大幅に下がれば、欧州が本当に欲しいものをロシアはほとんど持っていない。そしてアメリカも欧州も、自国経済への打撃は小さく抑えたまま、ロシアを苦しめる厳しい制裁はそのまま残すことができる。

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#助攻撃

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渡辺惣樹,馬渕睦夫【2022年3月3日いわんかな#57】プーチンとゼレンスキーの関係は?高山正之,塩見和子,宮崎正弘,福島香織 /未来ネット/いわんかな

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 ルラ氏は「プーチンウクライナを侵攻するべきではなかった」としながらも、ゼレンスキー氏も「戦争を望んだ。そうでなければもう少し(ロシアと)交渉をしたはずだ」「戦争においては誰か一人に責任があるわけではない」などと述べた。また「米国や欧州にも責任がある」と非難した。

フィリップ・ブリードラブ氏は、2013年から3年間、NATO北大西洋条約機構ヨーロッパ連合軍の最高司令官を務め、任期中、ウクライナから軍事力を背景にクリミアを一方的に併合したロシアとも対じしました。

NHKのインタビューに応じたブリードラブ氏は、プーチン大統領が「シリアの虐殺者」とも呼ばれるドボルニコフ司令官を軍事侵攻の指揮官に任命したと伝えられたことについて「ロシア軍の部隊がブチャから撤収したあと、世界が目の当たりにした光景は恐ろしいものだったが、プーチン氏はこの部隊を表彰した。新たな指揮官に残虐性を求めたのは明らかだ」と述べ、同じスラブ民族うしの戦いで士気が上がらないと指摘される中、将校たちの統制を強めるねらいがあったという見方を示しました。

また、ロシア軍の次の軍事的な目標については「マリウポリを掌握したあと、南部の海岸沿いに軍を進め、オデーサの制圧をねらうだろう。マリウポリとオデーサの両方の港湾都市を制圧し、ウクライナを海から切り離し内陸に閉じ込めることで、経済的に大きな打撃を与えるつもりだ」と述べました。

そのうえで「プーチン氏は当初、首都キーウを軍事的に制圧し、ゼレンスキー大統領の殺害または追放を望んでいたが、失敗した。南部の沿岸を制圧し経済に打撃を与えることでゼレンスキー大統領を失脚させ、かいらい政権を樹立しようとしている」と述べ、ねらいはゼレンスキー政権の転覆だと分析しました。

さらに、ロシア軍が駐留するモルドバ沿ドニエストル地方で電波塔や軍の施設で爆発が起きたことについて、ロシアによる自作自演だという見方を示しました。

そして、ブリードラブ氏は「沿ドニエストル地方のロシア軍の部隊は警戒レベルを引き上げ、態勢を整えている。もしウクライナでロシアの侵攻を食い止められなければ、次はモルドバモルドバでも食い止められなければ、次はジョージアだ」と述べたうえで「われわれはすでに第3次世界大戦のさなかにある」と述べ、ロシアが今後、モルドバジョージアに侵攻するおそれがあると強い危機感を示しました。

また、プーチン大統領核兵器の使用も辞さない構えを見せていることについて「われわれは真剣に受け止めなければならない。通常兵器が使われている戦場で、ロシアが核兵器を使うことは起こりうる」と述べ、警鐘を鳴らしました。

そして、プーチン大統領は何年も前から核兵器の使用に言及し、脅すことで欧米の行動を抑止しようとしてきたと指摘したうえで「欧米諸国は今、ウクライナでの行動をほぼ完全に抑え込まれてしまっている。われわれが『ウクライナに入って戦わない』とか『これもしない、あれもしない』と言っているのはすべて、プーチン氏による核兵器の使用を恐れているからだ」と述べました。

そのうえで「相手に主導権を握られ、その対応に追われるのではなく、自分たちが主導権を握り、相手に対応を強いるべきだ。懸念すべきことは第3次世界大戦ではなく、犯罪的な指導者が率いる『ならず者国家』をいかに阻止するのかということだ」と述べ、欧米が脅しに屈せず、より強い行動をとるべきだと強調しました。

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 “米国が原因不明の小さな核爆発を演出し、ドンバス地域のどこかで何千人ものウクライナ人を殺すのではないか…当然それが起きた場合…世界中のすべての目が条件反射でロシアを責めるように訓練されています。…ロシアは悪魔、魔王ということになり…もはや真実は重要でない…こうすることで…もう1人のエリツィンを求めることに一歩近づく…ロシアが倒れた場合、中国が次のターゲットになる…これが政府内のネオコン無政府主義者が望んでいる…夢のシナリオだ”

ウクライナ東部ルハンシク州のガイダイ知事は8日、多くの市民が避難していた学校がロシア軍の空爆を受けたことを明らかにしました。

これについて、ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、ビデオメッセージを投稿し「ルハンシク州でロシア軍の空爆の結果、およそ60人が死亡した。砲撃から逃れるために学校にいた市民だ」と明らかにしたうえで「学校が標的にされた。これはロシア軍のもう一つの犯罪だ」とロシア側を強く非難しました。

国連のグテーレス事務総長も8日、声明を発表し、学校が攻撃を受けたことについて「がく然としている」としたうえで「戦争で最も大きな代償を払うのは市民だということをこの攻撃が改めて思い起こさせる。戦争において市民と民間施設は常に守られなければならない」と訴えました。

ロシア軍はウクライナ東部2州の完全掌握を目指して攻勢を強めていますが、欧米の軍事支援を受けるウクライナ側は抵抗を続け、一部では反転攻勢に出るなど激しい攻防が続いています。

ロシア軍の動きについてイギリス国防省は8日「ロシア軍は最前線で苦戦している」としたうえで「欠陥のある計画によって部隊が思うように進めなくなっている」と分析しています。

また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」も7日「ウクライナ軍は東部ハルキウの北東部で反転攻勢に出て、数日から数週間のうちにロシア国境まで前進する可能性が高い」として、ウクライナ軍が一部でロシア軍を押し返していると分析しています。

ロシアでは9日、プーチン政権が重視する、第2次世界大戦で旧ソビエトナチス・ドイツに勝利した戦勝記念日を迎えますが、ウクライナ東部2州の戦況はこう着し、戦闘はさらに長期化する見通しが強まっています。

ロシアのプーチン大統領は、9日の対ドイツ戦勝記念日までに、ウクライナ南東部の港湾都市マリウポリのアゾフスターリ製鉄所で抵抗を続ける「アゾフ連隊」の拘束ないし降伏といった成果を期待していたかもしれないが、それにはまだ時間がかかりそうだ。

  同連隊の情報担当幹部、イリア・サモイレンコ氏は8日のオンライン記者会見で、降伏は自殺に等しいと語り、まだしばらく抵抗を継続するのに十分な食料と武器があると発言した。

  サモイレンコ氏は同連隊が置かれた状況について、厳しさが増しており結局のところ勝算のないものである公算が大きいと説明。ウクライナ政府が南部の防衛に失敗し同製鉄所を見捨てたと述べ、政府に対する不満も明らかにした。

  同氏は「ロシアはわれわれの命に関心がないため、降伏は選択肢ではない」と述べ、戦争犯罪を目撃した同連隊の関係者をロシア当局が生かしておくわけがないと指摘。「われわれは基本的に死者同然だ。われわれの大多数はそれを知っているため、このように恐れずに戦っている」と語った。

  サモイレンコ氏のズーム経由の会見後、ウクライナのポドリャク大統領府顧問は「大統領が外国の指導者や国際機関と交わす全ての会話では、アゾフスターリを終始取り上げている」とコメントした。

  ウクライナのベレシチューク副首相は7日、アゾフスターリ製鉄所構内に取り残されていた全ての女性と子供、高齢者の退避が完了したことを明らかにした。

  ロシアのフスヌリン副首相は8日、ソーシャルメディアの「テレグラム」で、マリウポリを含むウクライナ東部の最近「解放された」地域を訪問したところだと発言。「この地域では平穏な生活の回復が始まる。やるべきことが多い」と語った。

  ロシア政府は、旧ソ連時代の第2次世界大戦でのナチス・ドイツに対する勝利を祝う軍事パレードを準備している。マリウポリでも何らかのパレードが実施されるとみられている。

  サモイレンコ氏によれば、アゾフスターリ製鉄所への空爆と砲撃は8日も続き、民間人退避後に激しさを増した。ロシア軍はさらに、製鉄所の制圧を目指し100人程度の地上部隊のグループを複数投入しているという。

  製鉄所のトンネル内で戦闘が始まったのかとの質問に対し、サモイレンコ氏は「われわれは準備ができている」と語った。

  どのような救出作戦を望むかとの問いには、マリウポリから200キロ余り離れたザポリージャからウクライナ軍の一部の旅団を直ちに進軍させるべきだと述べた。ただ、強固なロシア軍を突破するには数カ月かかることも認めた。

  そのため同連隊は政治的な合意を期待しているとサモイレンコ氏は述べ、外国の介入を呼び掛けた。「ロシアを恐れるのをやめることはそれほど難しくない。立ち上がって戦うだけのことだ」と語った。

原題:Mariupol Steel Plant’s ‘Dead Men’ Defenders Call for Rescue Plan(抜粋)

G7は8日、1時間余りにわたってオンラインで首脳会合を開きました。

会合後に発表された首脳声明によりますと、各国はロシアへの圧力をさらに強化するため、ロシアからの石油の輸入を段階的、もしくは即時に禁止し、ロシアへのエネルギー依存から脱却していくことで一致したということです。

このほか、ロシアの経済を孤立させるため、ロシアが依存する主要なサービスの提供を禁止または中止することや、ロシアの金融システムで重要な銀行などに対する措置を取ることなどにG7が一致して取り組むとしています。

また、会合にはウクライナのゼレンスキー大統領も出席し、ウクライナの最大の目的はロシア軍とその装備のウクライナ全土からの完全な撤退だなどとして、G7からの支援の重要性を訴えたということです。

今回の首脳会合はロシアが9日、第2次世界大戦で旧ソビエトナチス・ドイツに勝利したとする戦勝記念日を迎えるのを前に行われ、西側諸国の結束や圧力を強化する姿勢を改めて強く打ち出した形です。

ロシアでは9日、プーチン政権が重視する戦勝記念日を迎えますが、戦況はこう着し、さらに長期化する見通しが強まっています。

ロシア国防省は8日、ウクライナ東部のドネツク州ソレダール近郊にある鉄道の駅をミサイルで攻撃し、アメリカなどからウクライナに供与されたとする武器や装備品を破壊したほか、東部ルハンシク州やハルキウ州などでも武器庫などを破壊したと発表しました。

ルハンシク州のガイダイ知事は8日、ロシア軍が学校を空爆し、2人の死亡が確認されたほか、当時学校に避難していたおよそ60人がいまもがれきの下に取り残されているおそれがあると明らかにしました。

ウクライナの大統領府によりますと、ゼレンスキー大統領は8日に行われたG7のオンラインの首脳会合の中で「ルハンシク州でロシア軍の爆撃により60人の民間人が死亡した。彼らはロシア軍の砲撃から逃れるために、学校の建物にいた」と述べました。

さらに、東部の要衝マリウポリでは、ウクライナ側の部隊が拠点とする製鉄所の掌握を目指してロシア軍が攻勢を強めているとみられ、ウクライナの「アゾフ大隊」の副司令官は8日「敵は一晩中、爆撃を行い、戦車や歩兵も加わっている」と述べました。

また、親ロシア派の武装勢力は8日、ロシアのプーチン政権で都市開発などを担当するフスヌリン副首相がマリウポリを訪れ、街の復興や港からの商品などの輸出の計画について協議したと発表し、ロシアによる支配の既成事実化を強めようとしています。

一方、ロシア軍の動きについてイギリス国防省は8日「ロシア軍は最前線で苦戦している。欠陥のある計画によって部隊が思うように進めなくなっている」と分析しています。

また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」も7日「ウクライナ軍は東部ハルキウの北東部で反転攻勢に出て、数日から数週間のうちにロシア国境まで前進する可能性が高い」として、ウクライナ軍が一部でロシア軍を押し返していると分析しています。

ロシアでは9日、プーチン政権が重視する、第2次世界大戦で旧ソビエトナチス・ドイツに勝利した戦勝記念日を迎えますが、ロシアが完全掌握を目指してきたウクライナ東部2州の戦況はこう着し、戦闘はさらに長期化する見通しが強まっています。

ウクライナ東部の要衝、マリウポリの製鉄所を拠点にロシア軍と抗戦を続ける「アゾフ大隊」の副司令官は8日、新たに公開した動画で「現時点で停戦はなされていない。敵は一晩中、爆撃を行い、戦車や歩兵も加わっている」と述べ、マリウポリでは今も戦闘が続いていると明らかにしました。

また、市民の避難が完了したとされる製鉄所について「最悪なのは、ウクライナの指導部からも国際機関からも誰も製鉄所に来なかったことだ。地下室も防空ごうも調べず、さらに民間人がいるかどうかの確認もしていない。ここにもっと多くの民間人がいる可能性はあるし、がれきの下に何十もの遺体がある可能性もある」と述べました。

そのうえで「任務の遂行を続けている兵士たちも適切な治療を受ける必要がある」と述べてけがをした兵士たちなどについても避難が必要だと訴えました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は7日に公開した動画で、製鉄所から女性や子どもなど300人以上が救助されたと述べたうえで「私たちは避難の第2段階を準備している。負傷者や衛生兵が対象だ」などとして、けがをした兵士などの避難も必要だという考えを示しています。

ロシアでは9日、第2次世界大戦の戦勝記念日を迎え、極東地域から順次軍事パレードを含めた記念式典が行われます。

首都モスクワでは、日本時間の9日午後4時から中心部の赤の広場で式典が開かれ、プーチン大統領が演説する予定です。

プーチン大統領は、ウクライナへの軍事侵攻を続ける理由としてゼレンスキー政権が「ネオナチ」だと一方的に主張し、ロシア系住民を保護する必要性を強調しています。

1年で最もロシア人の愛国心が高まるとされる戦勝記念日で、プーチン大統領としては、ナチス・ドイツに勝利した先の大戦と重ね合わせることで軍事作戦に対する支持を国民に訴えるのではないかという見方も出ています。

また、戦闘が長期化する中、イギリスのウォレス国防相などは、プーチン大統領が演説の中で「戦争状態にある」と宣言し、ロシアの国民を大量動員する可能性に言及しています。

プーチン大統領国威発揚を演出する式典でどのような演説を行うのか関心が集まっています。

一方、演説の後、赤の広場では1万人以上の兵士が行進し、最新兵器なども披露される軍事パレードが行われます。

この中では、核戦力による戦争など、非常時に大統領などが乗り込んで部隊を指揮する「終末の日の飛行機」とも呼ばれる特別機「イリューシン80」も飛行する計画となっています。

核兵器が使用される事態を想起させることで、ウクライナを軍事支援する欧米側を強くけん制するねらいもあるとみられます。

また、ロシア側は軍事侵攻で掌握したと主張するウクライナの地域でも式典を開催する可能性が伝えられています。

ロシア側が9日に行う予定の一連の行事は、軍事侵攻の見通しやウクライナでの支配を既成事実化させようとする動きを見る上でも重要な意味を持つとみられます。

ロシアで5月9日は第2次世界大戦で旧ソビエトナチス・ドイツに勝利したことを祝う「戦勝記念日」で、最も重要な祝日の1つとなっています。

第2次世界大戦で旧ソビエトは、世界で最も多い、少なくとも2600万人の兵士と市民が死亡したとされています。

なかでもナチス・ドイツとの戦いはロシアでは「大祖国戦争」と呼ばれ、苦難の末に勝利した栄光の日と位置づけられています。

こうした歴史はロシアの学校現場でも詳しく教えられていて、この日はロシアの人たちがソビエト軍の功績や戦争に加わったそれぞれの祖先に思いをはせるなど、愛国心が最も高まる日とされています。

毎年5月9日は首都モスクワにある赤の広場で記念式典が開かれ、軍事パレードや大統領による演説なども行われています。

このうち2005年の60周年の式典には、日本からも当時の小泉総理大臣や、アメリカの当時のブッシュ大統領など、欧米を含む50か国以上の首脳が出席し、戦勝国・敗戦国を問わず犠牲者を追悼するなど、平和に向けた国際社会の結束が誓われました。

このように「戦勝記念日」は「追悼と和解」の象徴という側面もありましたが、プーチン政権は近年、この祝日を国威発揚の場として利用する傾向が強まっています。

プーチン大統領は、パレードで最新の兵器を披露させるとともに、欧米との対決姿勢を鮮明にする演説も行っています。

また、「ゲオルギー・リボン」という黒とオレンジ色でデザインされた勝利のシンボルを普及させる市民が始めた運動を、ここ最近では政権側が積極的に主導しています。

77周年となることしの記念日はウクライナへの軍事侵攻が続く中で迎えることになります。

プーチン大統領ウクライナのゼレンスキー政権を「ネオナチ」だと一方的に主張しながら、2か月以上にわたって軍事侵攻を続けています。

ロシアのラブロフ外相は今月1日に公開されたインタビューで「ロシア軍は戦勝記念日を含む特定の日にもとづいて行動を調整することはない。5月9日はいつものように厳粛に祝う」と述べ、1つの節目ともみられてきたこの記念日のあとも戦闘が継続されるという見方を示しています。

ただ、「非ナチ化」を掲げて軍事侵攻を正当化するプーチン大統領は、ナチス・ドイツへの勝利を記念した日を強く意識しているとみられ、式典の中でどのような演説を行うか注目されています。

ロシアでは、「戦勝記念日」の5月9日、毎年各地で軍事パレードが行われます。

特に首都モスクワでは、中心部の「赤の広場」で大規模なパレードが行われ、大勢の兵士が参加するほか最新の兵器なども披露され、ロシアの軍事力を内外にアピールする機会にもなってきました。

ロシア国防省はことしの軍事パレードについて、28の都市で実施されると発表し、一方的に併合したウクライナ南部のクリミアでもロシアによる軍事パレードを行うとしています。

モスクワのパレードでは兵士およそ1万1000人が参加するということで、去年と比べて1000人ほど少なくなっています。

また131の兵器が披露される予定で、去年と比べて60台ほど少なくなっています。

なかにはアメリカのミサイル防衛網に対抗するICBM大陸間弾道ミサイルの「ヤルス」や、ウクライナへの攻撃でも使用されている短距離弾道ミサイルの「イスカンデル」など、核弾頭も搭載できるロシア製のミサイルが登場するということです。

さらにことしは、戦後77年にちなんだ77機の戦闘機や軍用ヘリコプターなどが参加するということです。

このうち、ロシアの主力戦闘機の「ミグ29」は、8機が「Z」の文字を表す編成で飛行するとしていて、ウクライナへの軍事侵攻を支持する象徴となっている「Z」を用いて国民にも支持を訴える演出となっています。

また、核戦力による戦争など、非常時に大統領などが乗り込み、上空から部隊を指揮することから「終末の日の飛行機」とも呼ばれる特別機「イリューシン80」も飛行することになっています。

ロシアのメディアによりますと「イリューシン80」が最後に軍事パレードに参加したのは戦勝65年を祝う2010年以来だということです。

プーチン大統領核兵器を使用する可能性も辞さない構えを示していて、軍事パレードでは核大国であることを誇示し、ウクライナを支援するアメリカをはじめ、NATO北大西洋条約機構の加盟各国をけん制するねらいもあるとみられます。

ロシアでは、「戦勝記念日」を迎えるこの時期、「黒とオレンジ色」でデザインされたリボンが勝利の象徴として全土で配布されますが、ことしは、ウクライナへの軍事侵攻に反対し、平和を祈る「緑」のリボンが若者を中心に静かに広がっています。

戦勝記念日を前にロシアの街なかでひときわ目を引くのは、黒とオレンジ色でデザインされた「ゲオルギ-・リボン」。

「火と火薬」を表し、第2次世界大戦でナチス・ドイツに勝利した象徴となっています。

このリボンについて首都モスクワの通りで市民に話を聞くと「リボンは勇敢さと誇り、団結の象徴だ」とか「ひいおじいさん、ひいおばあさんの記憶です」などと誇らしげに語っていました。

モスクワに住む大学生のキリル・グラドゥシコさん(19)は、ことし「ゲオルギ-・リボン」を配る活動に初めて参加しました。

理由についてグラドゥシコさんは「ロシア軍の活躍がインターネットのニュースで流れると、人々が盛り上がる。その一体感を得ようと活動を始めた」と話していました。

グラドゥシコさんは、先の大戦の前線で戦ったひいおばあさんを誇りに思い、自分たちの世代も国を守る必要があると感じていて、「ゲオルギー・リボンという象徴のもと、団結することは命を懸けて戦う兵士たちの支援に重要なことだ」と力を込めていました。
その一方で、今、街なかで見かけるようになっているのが緑色のリボンです。

ウクライナへの軍事侵攻に抗議する人たちが「平和」と「命の再生」の意味を込め、公園のベンチや木の枝などに結んでいるのです。

ロシア国内に住む20代の男性は、みずからを危険にさらすことなく反戦の思いを伝えられる方法は何か考えた末、この取り組みに参加しました。

男性は「平和を尊重し、軍事侵攻を終わらせるべきだと考える人たちは国内のロシア人の中にもいます」と話していました。

SNS上に独自のチャンネルを開設し、街なかにつけた緑のリボンの写真を共有します。

5月8日の時点で登録者数はおよそ7500に上り、ロシア各地から投稿が相次いでいます。

男性は「ロシアは平和で、民主的な国でなければならない。根拠なく(ウクライナの現政権が)ナチスの信奉者だとか、NATO北大西洋条約機構が脅威であるなどと考えてはならない」と話していました。

ロシア全土を黒とオレンジ色のリボンが埋め尽くす中、緑色のリボンは、ひっそりと、しかし力強く、人々の良心に訴えかけています。

ロシアでは5月9日が「戦勝記念日」になっていますが、ウクライナでは、ロシアによる一方的なクリミア併合などで反ロシア感情が高まったことを背景に、2015年以降は、ほかのヨーロッパの国と同様、5月8日を記念日としています。

首都キーウにある第2次世界大戦の記念碑には、8日、人々がカーネーションなどの花を持って次々と訪れ、戦争で亡くなった人たちに思いをはせていました。
このうち、会社経営者のナタリア・コニフツェワさんは、(76歳)「5月9日は、ソビエト時代に記念日に定められたものです。ロシアがウクライナに軍事侵攻している、今の状況を考えても、5月8日こそが記念日です」と話していました。
また、東部のハルキウから来たアンリ・アボヤンさんは(34歳)「5月9日を記念日として祝うことはしません。私たちにとって5月8日は、みずから犠牲となり、将来への希望を与えてくれた人たちへの尊敬の念を示す日です」と話していました。

一方、激しい戦闘が続く東部のマリウポリから来た男性は「なぜ戦争が始まったのか理解できません。ロシアがウクライナの人々に対して行っていることはジェノサイドです。故郷のマリウポリには両親が残ったままで、連絡もとれません」と話し、涙を流しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領はナチス・ドイツに勝利した記念日としている8日、ビデオメッセージを発表し「第2次世界大戦から数十年がたって、闇がウクライナへ戻ってきた。違う姿をして、違うスローガンを掲げているが目的は同じだ。血塗られたナチズムがウクライナに再建された」と述べ、軍事侵攻を続けるロシアをナチス・ドイツになぞらえて強く批判しました。

そして、ナチス・ドイツが第2次世界大戦中、ウクライナやヨーロッパ各国に行った侵略の歴史にふれたうえで「われわれの軍隊や国民はナチズムに勝利した人々の子孫なのだから、再び勝利を収める」と述べ、ロシアに屈しない姿勢を改めて強調しました。

ロシア大統領府でプーチン大統領の演説の草稿を準備する部署に所属していた、ロシアの政治学アッバス・ガルリャモフ氏がNHKのオンラインでのインタビューに応じ、5月9日の戦勝記念日について「プーチンにとっての聖なる祝日だ」と表現し、プーチン大統領愛国心に訴えてみずからへの求心力を高めるとともに、国内の結束や国威発揚に利用してきたと指摘しました。

ガルリャモフ氏は、2016年までロシア大統領府に所属していましたが、その後政権批判に転じ、ロシアがウクライナへ軍事侵攻を始める前に身の危険を感じてロシアを離れ、現在はイスラエルにいるということです。

ガルリャモフ氏は戦勝記念日に行われる軍事パレードに関して「プーチン政権下のロシアは兵器を見せつけて世界を脅し、わが軍がいかに偉大かと誇示してきた」と政権のねらいを分析しました。

そのうえで「プーチンの正当性は、自分は強く、常に相手を打ち負かし、ほしいものを手に入れるという力の概念に基づいている」と述べ、ウクライナへの軍事侵攻にはこうしたプーチン大統領の考えが背景にあると指摘しました。

ただ、軍事侵攻についてガルリャモフ氏は「真に正当な戦争とは敵の攻撃に対して身を守るウクライナのほうだ。ロシアの場合は『なぜ私たちは戦っているのか』という疑問が存在する」と述べ、多大な犠牲を払って祖国を守ったとする第2次世界大戦とは根本的に異なるという認識を示しました。

そして、ウクライナ側の激しい抵抗で劣勢も伝えられる現状について「戦場で勝利できていないことがわかった今、ショックを受けている。それこそが大統領や側近が直面している喫緊の問題だ」と指摘し、プーチン政権が動揺していると分析しました。

こうした中で、プーチン大統領が「戦争状態」を宣言し、ロシア国民が総動員される可能性も指摘されていることについては「問題は戦場の人員不足ではなく、ウクライナが国際社会の支援で強くなったことだ。新兵を送り込んでも戦死者がさらに増えるだけだ」と指摘しました。

そのうえで「国民はソファーの上にいる間なら政権の行動に賛成するが、それ以上ではない。政権や愛国心のために自分を犠牲にすることは決してない」と述べ、むしろロシア国内で反戦の機運を高めることにつながるという見方を示しました。

さらに欧米などの制裁の影響が市民生活に出始めているとして「この戦争が長引けばあっという間に不人気になる」と述べ、軍事侵攻の長期化によってプーチン大統領への支持が落ち込んでいくという考えを示しました。

ただ、政権による情報統制を恐れて国民が声をあげられない現状を踏まえ「強権的なプロパガンダの成功は恐怖に基づくものだ。ナチス・ドイツでもそうだったし、ここでも同じだ」と述べ、ナチス・ドイツに勝利した日を祝うプーチン政権が同じことを繰り返していると皮肉りました。

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻のこれまでを振り返ります。

【2月/勃発】
ロシアのプーチン大統領はことし2月24日のテレビ演説で、ウクライナ東部のロシア系住民を保護するため、特別な軍事作戦を行うと宣言しました。

そして、ウクライナの北と東、それに8年前に一方的に併合したクリミアがある南の3方向から一斉に軍事侵攻を開始しました。

当初は、ゼレンスキー政権を打倒するため、首都キーウの早期掌握を目指したとみられ、首都に戦車部隊を進軍させたほか、各地に激しいミサイル攻撃を加えました。

これに対してウクライナ側は、アメリカなどが軍事支援の一環として供与した対戦車ミサイルなどを駆使して抵抗し、キーウをめぐる攻防はこう着しました。

ロシアは、侵攻直後にウクライナの制空権を完全には獲得できなかったほか、前線の部隊運用、特に補給部隊の運用で失敗を重ねました。

さらに、ウクライナ側の反撃で多くの兵士が死亡し、部隊の士気の低下も指摘されています。

【3月/激化】
戦局を立て直したいロシアは、ミサイル攻撃の標的をキーウに限定せず、東部にある第2の都市ハルキウや、要衝のマリウポリ、さらには西部の中心都市リビウなどに拡大させ、住宅地への爆撃など、市民を巻き込む無差別な攻撃が目立つようになりました。

戦闘が激しさを増す一方で、ロシアとウクライナは停戦交渉を進め、3月29日、トルコのイスタンブールで行われた協議のあと、ロシア国防省は首都キーウやその周辺での軍事作戦を大幅に縮小すると表明しました。

ロシアは、当初想定していた首都の早期掌握を事実上断念し、作戦の重点目標をウクライナ東部に移行したとみられています。

そしてキーウ周辺に展開していた地上部隊に撤収を命じ、同盟関係にある隣国ベラルーシに移動させたあと、再編成を行うなど、態勢の立て直しを図りました。

一方、ロシア軍が部隊を撤収させたキーウ近郊のブチャなどで多くの住民の遺体がみつかり、一部には拷問など残虐な行為の形跡が残っていたことから、国際社会でロシアの戦争責任を追及する声は一層強まりました。

【4月/東部攻勢】
4月に入ると、ロシアは、親ロシア派の武装勢力が一部を事実上統治する東部の2州、ドネツク州とルハンシク州の完全掌握を目指し、東部への攻勢を強めました。

また、南部軍管区のトップ、ドボルニコフ司令官が新たに指揮をとることになったと伝えられ、指揮統制の一元化を目指した動きとみられています。

ウクライナ側の抵抗は続き、先月14日には、ロシア黒海艦隊の象徴でもある旗艦「モスクワ」を対艦ミサイルによる攻撃で沈没させたと伝えられました。

ロシア軍は先月20日ごろから軍事作戦が第2段階に入ったとしていて、東部の2州や南部の掌握を掲げています。

これによって、8年前に一方的に併合した南部クリミアから東部に至る広い地域を支配し、さらに黒海沿岸に点在する港をウクライナから切り離すことで経済的にも大きな打撃を与える思惑とみられています。

そして4月21日、プーチン大統領は激しい攻撃を続けてきたマリウポリを掌握したと主張しました。

これを受けて、ロシア軍は東部2州の完全掌握に向けて動き出し、ハルキウ州から地上部隊が南下するともに、マリウポリを包囲していた部隊は北上を目指しました。

しかし、ウクライナ側が、欧米による軍事支援の強化を追い風に激しく抵抗して一部で反転攻勢に転じているうえ、ロシア軍も部隊を運用する上での課題が依然解決していないとみられることから、一進一退の攻防が続き、戦況は再びこう着しています。

【5月/こう着】
今月に入っても、プーチン大統領が「掌握した」と主張したマリウポリでは、製鉄所を拠点とするウクライナ側の部隊が降伏を拒否していることから激しい戦闘が続き、ロシア軍による完全掌握には至っていません。

プーチン政権が重視していた今月9日の「戦勝記念日」までの東部2州の完全掌握は困難な情勢となり、戦闘は長期化する見通しです。

このため、欧米の防衛当局や軍事専門家の間では、今後、ロシア側が戦局を打開するため、生物兵器化学兵器などを使うことや、さらには限定的な核兵器の使用にまで踏み切ることを懸念する声が強まっています。

ロシアはウクライナへの軍事侵攻を続ける中、9日、第2次世界大戦で旧ソビエトナチス・ドイツに勝利してから77年となる戦勝記念日を迎え、極東地域から順次、記念式典や軍事パレードが行われています。

このうち極東サハリン州の中心都市ユジノサハリンスクでは日本時間の午前8時から中心部にある広場で陸軍の兵士など800人以上が参加して軍事パレードが行われ、弱い雨が降る中、多くの市民が集まりました。
ことしは最新鋭の地対空ミサイルシステム「S400」のほか、サハリン州が事実上管轄する北方領土択捉島にもロシア軍が2016年から配備している地対艦ミサイルシステム「バスチオン」が初めて披露されました。

またウラジオストクで行われた軍事パレードではウクライナへの軍事侵攻を支持するシンボルとなっている「Z」のマークの旗を振る市民の姿もみられました。

ロシア国防省によりますと、軍事パレードは一方的に併合したウクライナ南部のクリミアを含む28の都市で実施され、首都モスクワではこのあと日本時間の午後4時から始まる予定で、プーチン大統領がどのような演説を行うか関心が集まっています。

戦勝記念日に合わせて各国にあるロシア大使館では、外交官とその家族などが参加して戦争で死亡した親族の遺影をかかげながら行進する催し「不滅の連隊」が行われました。

ロシアの国営通信によりますと、このうち中国 北京にあるロシア大使館では8日、デニソフ大使や中国側の関係者などおよそ350人が参加して行進が行われ、ナチス・ドイツや旧日本軍と戦った人たちをしのんだということです。

「不滅の連隊」はヨーロッパや中東、南米など各国にあるロシア大使館などで行われ、東京 港区にあるロシア大使館でも今月4日に行われたということです。

ロシア外務省は各国で行われた行進の様子をSNSなどで積極的に発信していて、ウクライナへの侵攻をめぐってロシアに対する国際的な批判が高まる中、外国に住むロシア国民に結束を呼びかけるねらいもあるとみられます。

岸田総理大臣は総理大臣官邸で記者団に対し「ロシアの思惑について何か申し上げる立場ではないが、国際秩序の揺らぎが懸念されている中であり国際社会の結束が大事だと強く感じている。国際社会が結束して強い制裁措置を科すことと、ウクライナと周辺国に対する支援をしっかり行うことの重要性を改めて感じている」と述べました。

松野官房長官は午前の記者会見で「ロシアによるウクライナ侵略はいかなる理由をもってしても正当化されるものではない。これまでも数多くのむこの民間人が尊い命を奪われ、マリウポリをはじめとする各都市における惨状と人道危機の深刻さ、そして破壊のすさまじさに強い衝撃を受けている。わが国はロシアによる非道かつ残虐な行為を厳しく非難する」と述べました。

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【LIVE・同時通訳】ロシア「戦勝記念日」軍事パレード プーチン大統領が演説

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ロシア軍事パレード全部見る/プーチン大統領 ウクライナ軍事作戦は「正しい決定」【ノーカット】

プーチン大統領「さまざまな提案 むだだった」

ロシアのプーチン大統領は日本時間の午後4時から戦勝記念日の式典で演説を行い、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻について「去年12月、われわれは安全保障に関するさまざまな提案を行ったが、すべてむだだった」と述べました。そのうえで「ドンバスでの作戦が行われ、キエフでは核兵器使用の可能性も口にされた。ロシアにとって受け入れられない脅威が国境付近にある」と述べ、軍事侵攻を正当化しました。

また「ドンバスの民兵、ロシア軍の兵士に呼びかける。祖国の未来のために戦っているのだ。ナチス・ドイツが復活しないよう、皆さん力を尽くしている。亡くなったすべての皆さんに頭をたれる」と述べました。

ウクライナではNATO加盟国から最新兵器が提供された」

プーチン大統領は「ウクライナでは外国の軍事アドバイザーが活動を始め、NATOの加盟国から最新兵器が提供された。唯一、避けられない、正しい決定だった」として、ウクライナへの軍事侵攻を正当化しました。

“欧米の脅威背景に軍事侵攻”と正当化

アメリカとその仲間が賭けた、ネオナチとの衝突は避けられないことをあらゆることが示唆していた。軍事インフラが配備され、何百人もの外国人顧問が働き始め、NATO諸国から最新鋭の兵器が定期的に届けられる様子を目の当たりにしていた。危険は日に日に増していた」と述べ、プーチン大統領は、ウクライナを軍事支援する欧米の脅威を背景に軍事侵攻に踏み切ったと正当化しました。

そして「ロシアは侵略に対して先制的な対応をした。タイムリーで、正しい判断だった。強く、自立した国の決定だ」としたうえで「アメリカは、特にソビエトが崩壊したあと、自分たちは特別だと語り始め、ほかの国々にも屈辱を与えた」と述べソビエトの崩壊後、唯一の勝者だとふるまってきたとアメリカを批判しました。

「敵が内部から弱体化させようとしたが、うまくいかなかった」

プーチン大統領は「ロシアの敵が国際テロ組織を利用して、民族や宗教どうしの敵意を植え付けて、われわれを内部から弱体化させ分裂させようとしたと記憶しているが、うまくいかなかった。きょう、われわれの兵士は、異なる民族どうしが、兄弟のように互いに銃弾や破片から身を守りながら戦っている。そしてそれこそがロシアの力であり、団結した多民族の国民の偉大で不滅の力なのだ」と述べました。また「クリミアを含むわれわれの歴史的な土地に侵攻する準備が公然と進められていた」と主張し、NATO側からの脅威を防ぐためだったとしてウクライナへの軍事侵攻を正当化しました。

「戦争状態」の宣言 言及せず

一方、プーチン大統領は、一部で指摘されていたウクライナでの戦闘による具体的な成果や、「戦争状態」の宣言については言及しませんでした。

モスクワ「赤の広場」で式典

ロシアの首都モスクワでは日本時間の午後4時に中心部の赤の広場で式典が始まりました。これに先立ってロシア大統領府は8日、プーチン大統領からウクライナの市民や退役軍人に向けたとするメッセージを発表しました。

このなかでプーチン大統領は「私たちの共通のすばらしい休日である勝利の日を心から祝福する」とする一方で「残念ながら、いま再びナチズムが頭をもたげ、野蛮で非人道的な統治を行おうとしている。私たちの神聖な義務は、『大祖国戦争』の敗北者の思想を受け継いだ者たちによる復しゅうを阻止することだ」と述べ、軍事侵攻の目的がウクライナのネオナチ集団との戦いだと主張しています。

“戦闘機などの上空飛行は中止”

ロシア国営の通信社は、ロシア大統領府のペスコフ報道官が、モスクワの赤の広場で行われる軍事パレードのうち戦闘機などによる上空の飛行については天候のため中止されると明らかにしました。
首都モスクワでの軍事パレード 日本時間の午後4時から開始予定
ロシアはウクライナへの軍事侵攻を続ける中、9日、第2次世界大戦で旧ソビエトナチス・ドイツに勝利してから77年となる戦勝記念日を迎え、極東地域から順次、記念式典や軍事パレードが行われています。

極東サハリン州では

極東サハリン州の中心都市ユジノサハリンスクでは日本時間の午前8時から中心部にある広場で陸軍の兵士など800人以上が参加して軍事パレードが行われ、弱い雨が降る中、多くの市民が集まりました。
ことしは最新鋭の地対空ミサイルシステム「S400」のほか、サハリン州が事実上管轄する北方領土択捉島にもロシア軍が2016年から配備している地対艦ミサイルシステム「バスチオン」が初めて披露されました。
またウラジオストクで行われた軍事パレードではウクライナへの軍事侵攻を支持するシンボルとなっている「Z」のマークの旗を振る市民の姿もみられました。

ロシアでは9日、第2次世界大戦で旧ソビエトナチス・ドイツに勝利して77年の記念日を迎え、各地で軍事パレードなどの記念式典が行われています。

首都モスクワでは、日本時間の9日午後4時から赤の広場で式典が開かれ、プーチン大統領が演説しました。

およそ10分にわたる演説でプーチン大統領は「去年12月、われわれは安全保障に関するさまざまな提案を行ったが、すべてむだだった」とし、安全保障をめぐるロシアの提案が欧米各国に受け入れられなかったと批判しました。

そのうえでウクライナのゼレンスキー政権が核兵器を取得する可能性を明らかにしていたなどと、一方的に主張しました。

そして「われわれにとって受け入れがたい脅威が直接、国境に作り出されていた。アメリカやその同盟国が背後についたネオナチとの衝突は、避けられないものになっていた」と強調しました。

そして「NATOの加盟国から最新兵器が提供されるようすを目の当たりにし、危険は日増しに高まっていた。必要で、タイミングを得た、唯一の、正しい判断だった」と述べ、ウクライナを軍事支援する欧米の脅威を背景に軍事侵攻に踏み切ったと正当化しました。

一方、プーチン大統領は、一部で指摘されていたウクライナでの戦闘による具体的な成果や「戦争状態」の宣言については言及しませんでした。

ウクライナのゼレンスキー大統領は9日、新たに動画を公開しました。このなかで「これは2つの軍隊による戦争ではない。2つの世界観の戦いだ。ミサイルが、われわれの哲学を破壊できると信じている野蛮人による戦争だ」とプーチン政権を非難しました。そして「ナチズムに勝利したこの日、われわれは新たな勝利のために戦っている。その道のりは険しいが、われわれは勝利を確信している」と述べました。

そのうえで「私たちの土地に根を張ることができる占領者はいない。自由な国民を支配できる侵略者などいない。もうすぐわれわれは勝利する」と訴え、徹底抗戦する姿勢を改めて示しました。

クレバ外相は、9日日本時間の午後5時から、オンラインでNHKの単独インタビューに応じ、モスクワで行われた戦勝記念日の式典でプーチン大統領が行った演説について、驚く内容はなかったとしたうえで「彼は1940年代のスターリンのように、ナチズムと戦っているという彼自身の世界観の中に生きている。すべてでっち上げで、彼が見ているものは現実と一致していない。ウクライナにはネオナチ主義などないからだ」と述べ、プーチン大統領ウクライナへの侵略のための口実を求めているだけだと批判しました。

そのうえで「戦いは長く続くかもしれないが最後にはわれわれが勝利する。これはウクライナだけでなく、民主主義を支持するすべての人たちにとっての勝利だ。もしもロシアが勝った場合、歴史や世界の地図を書き換えたい者たちにとって、侵略がその手段であるというメッセージを与えてしまう。それは許すことができない」と述べ徹底抗戦を続ける考えを強調し、そのためにも、日本を含めた世界各国からの支援が欠かせないと訴えました。

ウクライナの首都キーウの市民からは、ロシア側にとって都合のいい理屈を並べただけだとして軍事侵攻を止めるべきだと改めて求める声が上がっています。

このうちスポーツ用品店に勤める33歳の男性は「ロシアでの式典には全く興味がありません。プーチンの発言はどうせ事実ではない。軍事侵攻はすぐに止めるべきで、ウクライナ軍のおかげでわれわれが勝つのは間違いない」と話していました。

また弁護士の23歳の女性は「ニュースを見るかぎり、演説では『戦争状態にある』という発言も、ロシア国民を大量動員するという発言もなかったようだが、これはプーチン自身も軍事作戦がうまくいっていないことを認めざるをえないからではないか」としたうえで「ロシアの軍事侵攻によって、逆にウクライナ国民はますます団結している」と話していました。

イギリスのウォレス国防相は9日、ウクライナ情勢をめぐってロンドン市内で演説し、プーチン大統領は第2次世界大戦の戦勝記念日の軍事パレードを利用して世界を威嚇しようとしていると批判しました。
そして「プーチン大統領や側近たちにとって、勝利の日はない。あるのは不名誉だけで、確実にウクライナで敗北することになる」と強調しました。

ウクライナから和歌山大学に留学しているパーダルカ・オリハさん(22)は自宅で時折、涙を流しながら聞いていました。オリハさんはウクライナの首都キーウにある国立大学で日本語を学び、ことし3月から和歌山市にある和歌山大学に留学しています。
オリハさんは「演説の内容はすべてうそばかりで、心が傷つけられて涙が込み上げてきました。多くの人が亡くなっている今の状況で軍事パレードをするのも信じられない」と強く批判しました。
そのうえで「母国の家族や友人、すべてのウクライナの人が無事でいてほしい。戦争がもっと激しくなる心配はもちろんありますが、戦争が早めに終わってほしいです」と話していました。

札幌市に住む、ウクライナ人のベロニカ・クラコワさん(27)は、ロシアのプーチン大統領戦勝記念日の式典での演説でウクライナへの軍事侵攻を正当化したことについて「ロシアはとてもよいことをしているという、思ったとおりの内容だった。なぜ市民が爆撃されているのか本当にプロパガンダでしかない」と強く非難しました。
またウクライナに残り、戦闘に参加している父親について「私の父がいる場所は詳しく言えないが、今激しく爆撃されている。父からの返事がないとすごく不安だが信じるしかない」と話していました。
そしてウクライナから避難し、先月9日に来日した母親のナタリアさんについては「来日したときはすごく疲れていたが、ここ1か月で元気になった。もちろん早く帰りたいと言っているし父のことも心配している」と話していました。

モスクワ出身で京都市に住むナイフズ・イアンさんは自宅でプーチン大統領の演説を聞きました。ナイフズさんは「とてもつらいです。きょうは先の戦争で犠牲になった家族や友人のことを思うロシア人にとって大切な日です。演説の中で、プーチン大統領は今の軍事侵攻と先の戦争が同じことのように話していましたが、全く違うことだと思います。ロシア人をごまかそうとするプロパガンダだと思います」と複雑な心境を明かしました。
そのうえで「なぜモスクワがこんな状態になり、なぜ今ロシアが戦争をしているのか、演説を見ていてとてもつらい気持ちになりました。開戦の宣言をしなくてよかったですが、ロシア出身者として、どうやって戦争を止めらるか分からず、何もできない無力感があります」と話していました。

40代のロシア人男性は「想像していたよりも演説が短く、新しい情報が盛り込まれていなかったことが印象的だった。役に立つ情報しか出さない今の政権のやり方の1つだと感じた」と話しました。また、軍事パレードの様子について「私が子どものころ、『戦勝記念日』は戦争で亡くなった人を思い、静かに過ごす思い出の日だった。しかし今は祭りのような盛大な行事になってしまい、戦争に利用するためのものになってしまっている」と話していました。

日本に住む30代のロシア人の女性は「今までロシア人にとって5月9日はたくさんの人が命を落としたことや、戦後の大変な暮らしを思い出し戦争を終わらせてくれたおじいさんやおばあさんに感謝する記念日でした。けれど、きょうテレビで流れていたパレードはみんながうれしそうにしていて、違和感がありました。本来はうれしい記念日ではありません」と語りました。そのうえでロシアによる軍事侵攻について「最近はロシア国民が戦争に慣れてきてしまいよくないことだと思っている。早く終わってほしいがどうすればいいか全く分かりません」と話していました。

北方領土の元島民で千島歯舞諸島居住者連盟根室支部の角鹿泰司支部長代行(85)は根室市内の自宅のテレビでプーチン大統領の演説を聞きました。角鹿さんは「自分の国のことしか考えておらず、ウクライナのことを1つも考えていない。演説で言っていたことをプーチン大統領にそのまま返してあげたい」と話しました。ウクライナへの軍事侵攻を正当化したことについて「話し合いで解決するべきところをどうにもならないからといって軍事侵攻を始めたのは異常だと感じる。私たちはあくまで話し合いでの領土問題解決を目指している。北方四島の返還を求めている身としては、いち早く軍事侵攻が終わって元に戻ってもらいたい。返還運動は続けていく」と話していました。

自民党の茂木幹事長は、記者会見で「明らかに誤った行為を正当化するための発言だ。力による一方的な現状変更の試みは、世界のどこにおいても断じて受け入れられず、国際社会が一致団結して、ロシアに厳しく対応していくことが必要だ」と述べました。

尊敬するロシア国民の皆さん!

退役軍人の皆さん!

兵士と水兵、軍曹と下士官、中尉と准尉の同志たち!

そして同志である将校、将軍、提督の皆さん!

偉大な勝利の記念日に、お祝い申し上げる。

祖国の命運が決するとき、祖国を守ることは、常に神聖なことだった。

このような真の愛国心をもって、ミーニンとポジャルスキーの兵は祖国のために立ち上がった。

ロシアの人々は、ボロジノの草原でも戦った。

そして、モスクワとレニングラードキエフミンスクスターリングラードとクルスク、セバストポリとハリコフ、各都市の近郊でも戦った。

そして今、あなたたちはドンバスで、われわれ国民のために戦ってくれている。

祖国ロシアの安全のために。

1945年5月9日は、わがソビエト国民の団結と精神力の勝利、そして、前線と銃後での比類なき活躍の勝利として、世界史に永遠に刻まれた。

戦勝記念日は、われわれ一人ひとりにとって身近で大切な日だ。

ロシアには、大祖国戦争の影響を受けていない家庭はない。

その記憶は薄れることがない。

この日、大祖国戦争の英雄たちの子ども、孫、そしてひ孫が「不滅の連隊」の果てしない流れの中にいる。

親族の写真、永遠に年をとらない亡くなった兵士たちの写真、そして、すでにこの世を去った退役軍人の写真を持っている。

われわれは、征服を許さなかった勇敢な戦勝者の世代を誇りに思い、彼らの後継者であることを誇りに思う。

われわれの責務は、ナチズムを倒し、世界規模の戦争の恐怖が繰り返されないよう、油断せず、あらゆる努力をするよう言い残した人たちの記憶を、大切にすることだ。

だからこそ、国際関係におけるあらゆる立場の違いにもかかわらず、ロシアは常に、平等かつ不可分の安全保障体制、すなわち国際社会全体にとって必要不可欠な体制を構築するよう呼びかけてきた。

去年12月、われわれは安全保障条約の締結を提案した。

ロシアは西側諸国に対し、誠実な対話を行い、賢明な妥協策を模索し、互いの国益を考慮するよう促した。

しかし、すべてはむだだった。

NATO加盟国は、われわれの話を聞く耳を持たなかった。

つまり実際には、全く別の計画を持っていたということだ。

われわれにはそれが見えていた。

ドンバスでは、さらなる懲罰的な作戦の準備が公然と進められ、クリミアを含むわれわれの歴史的な土地への侵攻が画策されていた。

キエフ核兵器取得の可能性を発表していた。

そしてNATO加盟国は、わが国に隣接する地域の積極的な軍事開発を始めた。

このようにして、われわれにとって絶対に受け入れがたい脅威が、計画的に、しかも国境の間近に作り出された。

アメリカとその取り巻きの息がかかったネオナチ、バンデラ主義者との衝突は避けられないと、あらゆることが示唆していた。

繰り返すが、軍事インフラが配備され、何百人もの外国人顧問が動き始め、NATO加盟国から最新鋭の兵器が定期的に届けられる様子を、われわれは目の当たりにしていた。

危険は日増しに高まっていた。

ロシアが行ったのは、侵略に備えた先制的な対応だ。

それは必要で、タイミングを得た、唯一の正しい判断だった。

主権を持った、強くて自立した国の判断だ。

アメリカ合衆国は、特にソビエト崩壊後、自分たちは特別だと言い始めた。

その結果、全世界のみならず、何も気付かないふりをして従順に従わざるを得なかった衛星国にも、屈辱を与えた。

しかし、われわれは違う。

ロシアはそのような国ではない。

われわれは、祖国への愛、信仰と伝統的価値観、先祖代々の慣習、すべての民族と文化への敬意を決して捨てない。

欧米は、この千年来の価値観を捨て去ろうとしているようだ。

この道徳的な劣化が、第2次世界大戦の歴史を冷笑的に改ざんし、ロシア嫌悪症をあおり、売国奴を美化し、犠牲者の記憶をあざ笑い、勝利を苦労して勝ち取った人々の勇気を消し去るもととなっている。

モスクワでのパレードに来たいと言っていたアメリカの退役軍人が事実上、出席を禁止されたことも知っている。

しかし、私は彼らに「あなたたちの活躍と共通の勝利への貢献を、誇りに思っている」ということを知ってもらいたい。

われわれは、アメリカ、イギリス、フランスといったすべての連合国の軍隊に敬意を表する。

そして抵抗運動の参加者、中国の勇敢な兵士やパルチザンなど、ナチズムと軍国主義を打ち負かしたすべての人たちに敬意を表する。

尊敬する同志たち!

こんにち、ドンバスの義勇兵はロシア軍兵士と共に、自分たちの土地で戦っている。

そこは、スビャトスラフやウラジーミル・モノマフの自警団、ルミャンツェフやポチョムキンの兵士、スボロフやブルシロフの兵士、そして大祖国戦争の英雄ニコライ・ワトゥーチン、シドル・コフパク、リュドミラ・パブリチェンコが、敵を撃破した土地だ。

いま、わが軍とドンバスの義勇兵に伝えたい。

あなた方は祖国のために、その未来のために、そして第2次世界大戦の教訓を誰も忘れることがないように、戦っているのだ。

この世界から、迫害する者、懲罰を与える者、それにナチスの居場所をなくすために。

われわれは、大祖国戦争によって命を奪われたすべての人々、息子、娘、父親、母親、祖父母、夫、妻、兄弟、姉妹、親族、友人を悼む。

2014年5月に労働組合会館で、生きたまま焼かれたオデッサの殉教者たちを悼む。

ネオナチによる無慈悲な砲撃や野蛮な攻撃の犠牲となった、ドンバスのお年寄り、女性、子どもたち、民間人を悼む。

そしてロシアのために、正義の戦いで英雄的な死を遂げた戦友を悼もうではないか。

1分間の黙とうをささげよう。

(1分間の黙とう)

兵士や将校、一人ひとりの死は、われわれ全員にとって悲しみであり、その親族と友人にとって取り返しのつかない損失だ。

国家、地域、企業、そして公的機関は、このような家族を見守り、支援するために全力を尽くす。

戦死者や負傷者の子どもたちを特別に支援する。

その旨についての大統領令が、本日署名された。

負傷した兵士や将校が速やかに回復することを願っている。

そして、軍病院の医師、救急隊員、看護師、医療スタッフの献身的な働きに感謝する。

しばしば銃撃を受けながら、最前線で、みずからの命も顧みず戦ってきたあなた方には、頭が下がる思いだ。

尊敬する同志たち!

今、ここ赤の広場には、広大な祖国の多くの地域からやって来た兵士と将校が肩を並べて立っている。

ドンバスやほかの戦闘地域から直接やって来た人々もいる。

われわれは、ロシアの敵が、国際テロ組織を利用して、民族や宗教どうしの敵意を植え付け、われわれを内部から弱体化させ、分裂させようとしたことを覚えている。

しかし何一つ、うまくは行かなかった。

戦場にいるわれわれの兵士たちは、異なる民族にもかかわらず兄弟のように、互いを銃弾や破片から守っている。

それこそがロシアの力。

団結した多民族の国民の、偉大で不滅の力だ。

こんにち、あなた方は、父や祖父、曽祖父が戦って守ってきたものを、守ろうとしている。

彼らにとって、人生の最高の意義は、常に祖国の繁栄と安全だった。

そして彼らの後継者であるわれわれにとって、祖国への献身は最高の価値であり、ロシアの独立を支える強固な支柱だ。

大祖国戦争でナチズムを粉砕した人々は、永遠に続くヒロイズムの模範を示した。

この世代こそ、まさに戦勝者であり、われわれは常に見習い続ける。

われわれの勇敢な軍に栄光あれ!

ロシアのために!

勝利のために!

万歳!

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ウクライナのゼレンスキー大統領は9日、対独戦勝記念日の演説文で、ウクライナはロシアとの戦争に勝つと表明、領土を明け渡すことは一切ないと述べた。

「ナチズムに勝利したこの日、われわれは新たな勝利に向けて戦っている。道のりは厳しいが、われわれが勝利することは間違いない」とし、ウクライナ人は史上何度も自国を守るために戦ってきた自由な人々であり、「独自の道」を歩んできたと表明。

「われわれは今日、この道で戦争を戦っている。領土は一切誰にも渡さない。われわれの歴史は一切誰にも渡さない」とし「反ヒトラー連合諸国とともにナチズムを負かした祖先を誇りに思う。われわれは誰かがこの勝利を併合することを許さない。私物化することを許さない」と述べた。

「われわれの自由な精神を束縛できる足かせは存在しない。自由な土地に定着できる占領者は存在しない。自由な国民を支配できる侵略者は存在しない。遅かれ早かれ、われわれは勝利する」と表明した。

ロシア各地で、第2次世界大戦の戦勝記念日が行われる中、ウクライナ東部ルハンシク州のガイダイ知事は9日、フェイスブックに「ロシア側が攻撃を始めていて外出は危険だ。何をしてくるか予想できないので、外出を控えてほしい」と投稿し、市民に対し屋内にとどまるよう呼びかけました。

ルハンシク州では7日、多くの市民が避難していた学校が空爆を受け、およそ60人が死亡したことが明らかになっていて、ゼレンスキー大統領が「学校が標的にされた。ロシア軍のもう一つの犯罪だ」と強く非難したほか、国連のグテーレス事務総長も声明で「がく然としている。市民と民間施設は常に守られなければならない」と訴えました。

またイギリス国防省は9日に「軍事侵攻がロシア側の事前の予想より長引くことで、ロシア軍の精密誘導兵器の備蓄はかなり減っていて、信頼性や精度が低い兵器を使わざるを得なくなっている。ロシアは民間人の犠牲をほとんど、あるいは全く考慮せず、無差別爆撃の対象にしている」として、ロシア軍の侵攻が長期化する中、精密な攻撃ができなくなってきているという分析を示しました。

そして、欧米側の支援を受けるウクライナ側が一部で攻勢に転じているという見方も出ています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は8日に「東部ハルキウの北東部でウクライナ側の反転攻勢を受けたため、ロシア軍はほかの地域での作戦を強化できなくなっている」として、ロシア軍の前進は見られないと分析しています。

ゼレンスキー大統領は9日、新たに動画を公開し「ナチズムに勝利したこの日、われわれは新たな勝利のために戦っている。自由な国民を支配できる侵略者などいない。遅かれ早かれ、われわれは勝利する」と述べ、改めて徹底抗戦を呼びかけました。

#戦犯

ウクライナとの和平交渉のロシア側の交渉責任者メジンスキー大統領補佐官は9日、交渉は停止しておらず、オンラインで実施していると述べた。インタファクス通信が伝えた。

対面協議は3月29日以降、行われていない。メジンスキー氏は、再開時期に関する質問に「対面協議をするには、より具体的な情報が必要だ」と述べた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は先月、和平交渉が打ち切りになるリスクが高いとの認識を示していた。

#NATOexpansion

#反ロシア#対中露戦

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