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米メタ・プラットフォームズ傘下のフェイスブック(FB)はこれまでインドで急成長を遂げてきたが、近年はユーザー数の伸びが頭打ちとなっている。

この背景として、多くの女性が安全性やプライバシーへの懸念から、男性中心のフェイスブックを避けていることが指摘されている。2月2日に社内で公表された調査報告結果で明らかになった。

調査報告は昨年末までの2年間に、数万人への聞き取りと社内のユーザーデータを元にまとめられ、ロイターがこのほど報告書を確認した。報告書は「安全性を巡る不安と、望まない接触が女性のFB利用を妨げている」とし、「女性を置き去りにしているとメタは、インドで成功できない」と指摘している。

ユーザー数の伸びが鈍い原因としては他に、ヌード画像の多さやアプリデザインの複雑さ、地方の言語や識字率が障害になっている点が挙げられている。

しかし、社内で調査が公表されたのと同じ2月2日に行われた昨年10―12月期の決算発表で、メタのデーブ・ウェナー最高財務責任者(CFO)は、こうした点に触れなかった。ウェナー氏は、アジア太平洋などの地域のユーザー数について、競争に加え、新型コロナウイルス感染再拡大で利用が増えた前年同期との比較が圧迫要因になったと説明。インドについては、モバイルデータ料金の上昇が「特有の」逆風だとした。

フェイスブックの1日当たりの全世界ユーザー数は、同四半期に初めて減少している。インドのユーザー数は昨年11月時点で4億4700万人強と、前述の内部調査によると世界最多だが、足元で伸びが鈍化している。

メタの広報担当者に問い合わせると、同社は商品の評価と向上のために定期的に内部調査に資金を投じていると回答。ただ、7カ月前に終わった調査がインド事業の全体像を正確に表していると位置づけるのは、誤解を招くとした。

<家族が許してくれない>

内部調査は、インドにおけるフェイスブックの主要問題が「ジェンダー不均衡」に関連していると指摘し、何年も前からその是正に取り組んできたが、ほとんど成果が見られないとしている。

調査によると、インドでは昨年の月間アクティブユーザーの75%が男性で、2020年初頭の世界全体の62%を上回っていた。インドではインターネット利用全般にわたって男女差が大きいが「フェイスブック・ユーザーでは、それがさらに顕著」だとしている。

フェイスブックを利用している女性の79%は「コンテンツと写真の悪用に懸念を示した」と調査は指摘した。また、インドの利用者全体の推計20―30%は、過去7日間にヌード画像をフェイスブック上で目にしている。この比率は世界最高。2021年8月の調査では、例えば、米国とブラジルは10%前後で、インドネシアでも20%を下回った。

調査では、女性がフェイスブックを利用していない大きな理由として「家族が許してくれない」ことも挙げられた。

メタの広報担当者は、インターネットのジェンダー不均衡は同社特有ではなく、業界全体の問題だと指摘。2016年以来、メタは安全性とセキュリティーに取り組むグローバルチームの人員を4倍に増やして4万人以上としており、今年1―4月には成人のヌードと性的行為に関するコンテンツの97%以上を通告される前に削除したと説明した。

<どこに住んでいるの>

女性ユーザーが直面する困難の実例を示すため、内部調査の資料には1枚のスライド写真が含まれている。インド人女性がサリーを着て道を歩いている写真だ。

その横に掲載された女性の証言によると、この投稿を受けて367人の知らない人から友だち申請があり、写真には「すごくきれいだね」、「どこに住んでいるの」、「美人だ」といったコメントが殺到した。

このため女性は、投稿の閲覧を「友だち」に限定する「ロックド・プロファイル」機能を使い、以降はこうしたコメントが来なくなった。

フェイスブックは、2020年にインドでこの機能を導入。内部調査によると、昨年6月時点でインドの女性ユーザーの34%がこれを採用しているが、女性利用率の低さに対処するためには、さらに「大胆な商品変更」が必要だという。

<主役はワッツアップ>

内部調査によると、インドのフェイスブック利用者数は昨年から頭打ちになった。

昨年5─10月のデータに基づくインド国内ユーザーの年間増加数は660万人で、同じくメタ傘下の対話アプリ「ワッツアップ」の7100万人、動画投稿アプリ「インスタグラム」の1億2800万人に大きくひけを取っている。

昨年11月時点のインド国内ユーザー絶対数は、フェイスブックが4億4700万人なのに対し、ワッツアップは5億6300万人だった。インスタグラムは3億0900万人。

フェイスブックはこれまでインドで急拡大しており、2014年にはユーザー数が1億人に満たなかったのが、2017年には倍増していた。

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