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イラクの首都バグダッドで29日、首相府など複数の政府機関の建物に数百人から数千人規模のデモ隊が押し入り、一部が治安部隊と衝突しました。

現地の保健当局によりますと少なくとも12人が死亡し85人がけがをしたということです。

押し入ったのはイスラムシーア派の指導者サドル師の支持者らで、先月30日には議会に押し入り治安部隊と衝突して120人以上がけがをし、その後も1か月にわたって座り込みのデモを続けていました。

サドル師が率いる政党連合は去年10月の国民議会選挙で最大会派となったものの連立交渉に行き詰まって首相や大統領を選出できず、ことし6月、所属する議員70人余りが一斉に辞職したうえで選挙のやり直しを求めています。

デモ隊はサドル師が「政治活動から身を引く」と声明を出したことをきっかけに行動を起こしていて、声明の背景には引退をちらつかせて揺さぶりをかけるねらいがあるとみられます。

治安当局は全土に外出禁止令を出して事態の鎮静化に乗り出していますが、衝突は各地で散発的に続いていて混乱に拍車がかかっています。

イラクの首都バグダッドで29日、イスラムシーア派の指導者サドル師の支持者と対立する親イラン勢力が衝突し、警察と医療関係者によると少なくとも17人が死亡した。

サドル師はこの日、政治活動から引退する意思を表明。ツイッターで「私はここに最終的な撤退を発表する」と発表し、改革を求めるサドル師の声に耳を貸さない同じシーア派の政治指導者を批判していた。

この数時間後、議会前ですでに数週間にわたる座り込みを続けていたサドル師の支持者らがデモを展開し、首相府の建物を襲撃する事態に発展した。

目撃者によると、サドル師支持者に向かって発砲したり、空に向けて発砲する者があった。また、対立するグループは互いに石を投げつけ合ったという。

サドル師はその後、あらゆる勢力の武器使用に抗議しハンガーストライキを行っていると述べた。

また、イラク軍は混乱の拡大を懸念して、全土に夜間外出禁止令を発令した。

イラクでは昨年10月の総選挙でイランの影響力排除を掲げたサドル師派が第1党になった。しかし、連立政権を樹立できず、サドル師派の全議員が辞職。サドル師は早期の解散総選挙を要求している。

イラク北部クルディスタン地域での石油生産は、新たな探査や大規模な投資がなければ2027年までにほぼ半減する可能性があることが政府文書で分かった。この地域を統治するクルド人主体の自治政府クルディスタン地域政府(KRG)」にとって石油収入の急減は経済的苦境をさらに深刻化させると外交筋やエネルギー専門家は指摘する。

文書によると、クルディスタン地域の石油生産量は、投資が完全に最適化されたシナリオでは5年後に日量58万バレルまで増加し、53万バレルが輸出可能になる。

しかし新たな投資がなければ、古い油田が枯渇し、輸出可能な量は日量24万バレルにとどまる可能性がある。

同地域の石油・ガス委員会のメンバーは「これは非常に危険だ。しかしイラク政府との問題を解決すれば、クルディスタンは新しい鉱区を開発し、生産量を増やすことができる」と述べた。

KRGはコメント要請に応じていない。

イラク憲法では、同地域は国家予算の一部を受け取る権利がある。しかし14年にクルド人イスラム過激組織「イスラム国(IS)」から北部の主要油田キルクークを奪取し独自に原油を販売し始めたため予算を巡る取り決めは無実化した。

18年、イラク政府軍がキルクークを含む係争地を奪還するとクルディスタン地域への予算配分を一部再開したが、散発的なものにとどまっている。

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