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経済産業省によりますと、先月の鉱工業生産指数の速報値は、2015年を100とした指数で99.5となり、前の月を2.7%上回って3か月連続で上昇しました。

ことし6月に中国 上海の外出制限が解除されて以降、生産活動や物流が回復傾向にあり、輸出向けの生産が伸びていることなどが影響しているということです。

品目別では「フラットパネル・ディスプレー製造装置」が46.7%、「半導体製造装置」が16.6%それぞれ上昇しました。

こうした状況を踏まえ経済産業省は生産の基調判断について、「一進一退」から「緩やかな持ち直しの動き」に上方修正しました。

今後の見通しについて、経済産業省は「企業の生産はゆるやかに持ち直すと考えているが、アメリカやヨーロッパ各国の金融引き締めが続き、世界経済の減速懸念が強まる中で設備投資や生産活動に影響が出ないかを注視していきたい」としています。

政府は今月の月例経済報告をまとめ、景気の基調判断を「緩やかに持ち直している」としました。
判断はこれまでと同じですが、円安など金融市場の変動に警戒感を強めています。

30日の関係閣僚の会議でまとめた今月の報告によりますと「個人消費」は「緩やかに持ち直している」と判断しました。

物価の上昇で節約志向が続く一方で、感染拡大が落ち着きを見せ、外食の売り上げや宿泊施設の稼働率に改善の動きがみられるとしています。

「企業収益」は「一部に弱さがみられるものの、総じてみれば改善している」としました。

中小企業が原材料高を十分に価格転嫁できず営業利益を減少させているものの、大企業を中心に円安が経常利益を押し上げていると見ています。

これらを踏まえて、景気全体の基調判断は先月と同じ「緩やかに持ち直している」としました。

一方、先行きについては、世界的な金融引き締めによる海外経済の下振れをリスクにあげました。

また、物価上昇の影響や、このところの急速な円安など金融市場の変動に十分注意する必要があるとしています。

#経済統計

東京国税局が新たに設置したのは「消費税不正還付対策本部」です。

30日は、対策本部で初めての会合が開かれ、重藤哲郎局長が、税務調査や徴収などを担当する職員およそ130人を前に、「消費税の不正還付は極めて悪質性が高い行為で、厳正に対処する必要がある。全力で取り組んでほしい」などと訓示しました。

消費税をめぐっては、事業者が商品を販売する際に受け取った額より、仕入れの際に支払った額が多い場合、その差額が国から払い戻されるなどの還付制度があります。

国税局によりますと、この制度を悪用し、仕入れを過大に申告するなどの手口で、不正に還付を受ける悪質な事案があとをたたないということです。

税務調査の結果、悪質だとして追徴課税された金額は、去年6月末までの1年間に、全国でおよそ34億円に上り、刑事事件に発展したケースもあるということです。

東京国税局は、消費税の不正還付は「国庫金をだまし取る行為だ」として、対応する職員を大幅に増員するなどして、未然防止のための啓発や税務調査の態勢を強化する方針です。

財務省の発表によりますと、先月30日から今月28日までのおよそ1か月間に、市場介入に使われた資金は2兆8382億円でした。

1か月間に行ったドル売り円買いの市場介入としては、これまでで最大だった1998年4月を上回りました。

1日ごとの介入の実績は明らかになっていませんが、政府・日銀は今月22日に24年ぶりにドル売り円買いの市場介入を行ったことを明らかにしていて、今回の介入が異例の規模だったことがわかりました。

この日の市場介入の直後、円相場は、5円以上変動し1ドル=140円台前半まで値上がりしましたが、現在は1ドル=144円程度まで円安が進んでいます。

アメリカの中央銀行がインフレを抑制するため、金融引き締めを強めているのに対し、日銀は今の大規模な金融緩和を続ける方針で、円が売られやすい状況は変わっていません。

今後、円安が加速する局面で再び政府・日銀が市場介入に踏み切るかどうかが金融市場の焦点になっています

政府・日銀の24年ぶりの円買い介入に英ポンドの混乱などで、ドル/円レートのボラティリティは過去5年間で最高水準に上昇し、個人を含む投資家の関心を集めている。世界的な関心度を示すGoogle Trendsでも、“ドル円”の検索頻度は調査開始の2004年以降の最高を更新し続けている。しかし、こうした投機的な人気の裏で、日本円の実取引での不人気ぶりは顕著になりつつある。

<実取引で不人気な円>

8月に実施された国際通貨基金IMF)の特別引し出し権(SDR)の構成の5年ごとの見直しで、日本円の比率は8.33%から7.59%に引き下げられた。ユーロやポンドもそれぞれ引き下げられたが、引き下げ率は日本円が最大である。

1995年ごろの日本円の構成比率は18%だったが、その後は低下の一途だ。一方、2016年にSDRに採用された中国人民元の割合は今回の見直しで10.92%から12.28%まで上昇、ドル、ユーロに次ぐ第3位となっている。

日本円の地位はなぜ、これだけ低下しているのか。邦銀のクロスボーダー与信は、ドルベースで2015年以降世界一の残高を誇り、この間の伸び率は主要国中最大である。にもかかわらず、世界の円建て与信の割合は、2011年末の3.8%から直近では2.8%まで低下した。

新興国向けに限ると、2.3%から1.5%まで低下している。いずれも、ドルやユーロに比べて著しい変化率となっている。邦銀は、その与信市場でのプレゼンスにもかかわらず、利用通貨の面ではバーゲニングパワーを発揮できず、結果として、330兆円に上る預貸ギャップ(預金から貸出を引いた金額)を生かせていない。

世界の与信市場で日本に代わって勢力を増しているのが「その他通貨」である。「その他通貨」の比率は、10年間で3倍の6.7%となった。さらに、新興国(中国を除く)のクロスボーダー与信に占める「その他通貨」の割合は、11%と円の7倍近い。国際決済銀行(BIS)は「その他」の内訳を開示していないため詳細は不明だが、ここでも人民元のプレゼンスが急拡大していると思われる。

民間企業間の決済についても、円の地位の地滑りが目立つ。国際送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)によれば、今年8月時点の世界の決済額に占める日本円の割合は2.7%と前年同月の3.6%から大きく低下した。

一方、人民元は、8月に2.3%と過去最大となった。最近では毎月概ね0.1%ポイントずつ上昇しており、ここでも円が人民元に抜かれるのも時間の問題かもしれない。

<悲願だった円の国際化の現実>

通常、国際貿易取引では輸出国の通貨が選ばれる傾向にある。人民元決済拡大の背景は、言うまでもなく中国の輸出の増加だろう。一方、日本はかつて製造業が強じんな競争優位性を有していた当時から、円建て取引の低迷に悩んできた。

過去にはこの問題への取り組みも何度か試されてきた。日本政府は、1998年に円、ドル、マルクの「3極通貨」プランを提案し、1999年には、外国為替等審議会が21世紀に向けた円の国際化への施策を提唱した。2001年には、90年代末の通貨危機を教訓に「アジア通貨バスケット」構想を打ち上げた。しかし、いずれも十分な成果は挙げられなかった。

当時は金融機関の不良債権問題等で円の信認が不足していることが、その理由として挙げられた。その後、金融機関の問題は解消されたものの、同時に輸出国ニッポンとしての力が低下したことから、通貨の地位向上は果たせぬ夢となった。

このような円の不人気はさらに加速する可能性もある。第1の理由はイノベーションの低迷である。日本独自の製品を輸出できるのであれば、商取り引き上のバーゲンニング・パワーが増すかもしれない。しかし、日本の製造業が世界を席巻したころでも発揮できなかった力を、今の日本のイノベーション力で奪還するのは相当ハードルが高いだろう。

第2に国内資本市場の課題である。通貨の国際化には、国債市場等の資本市場が成熟しており流動性が高いことも重要な要件とされる。だが、日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC)等のオペレーションで、国債市場の価格発見機能が損なわれ、IMFなどからも市場の流動性の低下が指摘されている。

加えて、あくまで一時的かもしれないが、昨今のボラティリティの上昇も不安材料だ。他国通貨との交換費用が低いことも選ばれる通貨のポイントの1つだ。従って、ボラティリティの上昇で交換リスクが高まっていることは、円の利用率向上の面では不利だ。今後、新たに為替介入が実施されれば、ボラティリティは一時的に抑制できるかもしれない。しかし、介入は為替レートの予見可能性を低下させ、企業等が円資産の価値の不確実性を高めかねない。

一方、中国は、アジアでの通貨覇権を狙って着実に歩みを進めている。今年6月下旬、中国人民銀行は、市場のストレス時に人民元を参加国が利用できる新しい緊急流動性協定をBISと締結した。 シンガポール、マレーシア、インドネシア等の東南アジアの大国の中央銀行が参加を表明した。

これに先立ち、一部の東南アジア諸国は、域内決済でドルの使用を削減するとの方向性を打ち出している。中国は、国内的には不動産市場やゼロコロナ政策の副作用等の問題はあるものの、人民元の国際利用は着実に進んでいる印象だ。日本が実現できなかったアジア通貨構想は、形を変えて中国が実現するかもしれない。

<使われない通貨の宿命とリスクシナリオ>

円が一層マイナーな通貨に転落した場合、どのような影響があるだろうか。日本のメガバンクは、コロナ発生前の2019年3月の3年間で、外貨建て資産を29.7%も増加させている(ドル建てベース)。連結総資産の伸びの13%を大きく上回るペースだ。

今後も国内で収益が上がらない分、海外資産の増加は続くだろう。だが、円のマイナー通貨化が進めば、円投や為替ヘッジのコストが上昇する可能性が高い。邦銀は、かつてと比べて現地預金を増加させたり調達を長期化させるなどして安定化を図っている。それでも、自国通貨建てに比べて高コストであることには変わりはなく、さらなるコスト上昇は痛手だ。

企業も同様である。外貨建て貿易の比率が高まれば企業の為替リスクも上昇する。為替交換時のスプレッドも、マイナー通貨になれば厚くなる。個人の海外渡航時の両替レートにも響く。円の保有コストが高まれば、海外のホテル等で円の用意がなくなる可能性も排除できない。

通貨の宿命は、使われない物はますます使われなくなることだ。過去に遡れば、基軸通貨から転落した英ポンドは他国での利用が低下し、1992年にはヘッジファンドの売りに押され大暴落を経験した。むろん外貨準備や経済規模等様々な違いはあるが、マイナー通貨になればなるほど、投機的な動きに狙われやすくなる可能性は排除できない。改めて、円の国際化の施策を考えるべき時に来ているのではないか。

#アベノミクス#リフレ#金融政策#円安政