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里見女流五冠は、5月下旬にプロへの「編入試験」を受ける条件を満たし、8月から五番勝負に挑んでいますが、第1局、第2局ともに敗れています。

負けられない対局となった13日の第3局は、午前10時から大阪市関西将棋会館で行われ、後手の里見女流五冠は前の2局と同じく、飛車を中央に据える得意の「中飛車」の戦法を取りました。

対局では、積極的に攻めの姿勢を見せる里見女流五冠に対し、先手の狩山幹生四段(20)は丁寧に受け、終盤に厳しく攻めました。

里見女流五冠は午後4時9分、103手までで投了。

これで3敗となり、今回の「編入試験」を合格することはできず、プロ入りはなりませんでした。

対局後、里見女流五冠は「迷いながら指してしまったので本意な展開ではなかった。今の自分の実力だと思うので、また勉強して頑張りたい」と話していました。

里見女流五冠は島根県出雲市出身で、女流タイトルのうち、清麗、女流王座、女流王位女流王将倉敷藤花の5つを保持しています。

プロ棋士になるための「編入試験」の制度は2006年に設けられて以降、2人が合格していますが、いずれも男性で、今回、初の女性プロ棋士誕生となるか注目されていました。

対局を終えた里見香奈女流五冠は会見に臨み「対策を練って臨んだが、中盤から終盤にかけての優劣が分からない段階で、読み負けている部分があったので、実力不足、弱いということにほかならないと思う」と振り返りました。

そのうえで「私自身、今回が最後の挑戦としていたので、受験を考えることはないと思う」と述べ、今後、プロ棋士への「編入試験」を受ける考えがないことを明らかにしました。

また、今回の「編入試験」については「大きな舞台で対局したことは貴重な経験になった。自分自身も成長できると思っているので今後の糧にしたい」と話していました。

このほか、女性初となるプロ棋士誕生に期待がかかったことを聞かれると「注目してもらえることはありがたい。今後挑戦する女流棋士などが増えればよりうれしい気持ちはある」と話していました。

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