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企業の間で取り引きされるモノの価格を示す企業物価指数の先月の速報値は、前の年の同じ月と比べて9.5%上昇し、2020年の平均を100とした水準で119.8と、去年12月と並んで過去最高となりました。

原油などのエネルギー価格や原材料価格の上昇を受け、企業の間で幅広い品目で値上げが進んでいることが要因です。

#経済統計(日本・企業物価指数)

ことし4月で任期が切れる日銀の黒田総裁の後任に、岸田総理大臣は、日銀の元審議委員で経済学者の植田和男氏を起用する意向を固めました。

植田氏は10日夜、都内で記者団に対し後任の日銀総裁への起用について「現時点では何も申し上げられません」と述べました。一方で今の日銀の大規模な金融緩和については「金融政策は景気と物価の現状と見通しにもとづいて運営しなければいけない。そうした観点から現在の日本銀行の政策は適切であると思います。現状では金融緩和の継続が必要であると考えています」と述べました。

在任日数が歴代最長となっている日銀の黒田総裁は、今の2期目の任期が4月8日に満了を迎えることから岸田総理大臣は、後任人事の検討を進めてきました。

そして、日銀の元審議委員で経済学者の植田和男氏を起用する意向を固め与党幹部らに伝えました。

岸田総理大臣としては、植田氏が、日銀の政策運営に深く関わった経験があることに加え、経済や金融をめぐる幅広い研究実績を重視したものと見られます。

日銀総裁の交代は10年ぶりで、新たな総裁は、ひずみも指摘されている「異次元の金融緩和」の「出口戦略」をどう描くかといった難しい課題に取り組むことになります。

また、新たな副総裁には前金融庁長官の氷見野良三氏と日銀理事の内田眞一氏を起用する意向です。

岸田総理大臣は、総理大臣官邸を出る際、記者団に対し「日銀総裁、副総裁人事については、14日の国会への提示に向けて、今調整中だ」と述べました。

植田氏は、記者団に対して後任の日銀総裁への起用について「現時点では何も申し上げられません」と述べました。

そのうえで、今の日銀の大規模な金融緩和をどう思うか記者団に問われ、植田氏は「金融政策は景気と物価の現状と見通しにもとづいて運営しなければいけない。そうした観点から現在の日本銀行の政策は適切であると思います。現状では金融緩和の継続が必要であると考えています」と述べました。

さらに金融政策を運営する上で何が重要か問われたのに対して「私は学者ですので、いろいろな判断は論理的にすること。そして説明は分かりやすくすることが重要だと思います」と述べました。

植田和男氏(71)は1974年に東京大学理学部を卒業後、マサチューセッツ工科大学大学院などで研究活動に取り組み、1993年からは東京大学経済学部の教授を務めました。

そして1998年から7年間は日銀の審議委員を務め、1999年の「ゼロ金利政策」や2001年の「量的緩和政策」の導入を理論面で支えました。

その後、東京大学大学院経済学研究科の教授として大学に戻り、2008年には内閣府の調査会の会長として、日本の成長戦略を描く21世紀版「前川リポート」の取りまとめにあたりました。2017年からは共立女子大学の教授を務めています。

長年にわたり大学で教べんを執る一方で、現在も日本政策投資銀行社外取締役や日銀金融研究所の特別顧問など学外でも幅広く活動しています。

外国為替市場ではドルを売って円を買う動きが強まり、午後5時すぎには、円相場は一時、1ドル=129円台まで値上がりしました。ただその後、植田氏が記者団に対し「現状では金融緩和の継続が必要だ」などと述べたことが伝わると、一転して円が売られ、一時1ドル=131円台前半に値下がりしました。午後5時時点の円相場は9日と比べて、70銭円高ドル安の1ドル=130円44銭から46銭。ユーロに対しては9日と比べて、65銭円高ユーロ安の1ユーロ=140円11銭から15銭でした。ユーロはドルに対して、1ユーロ=1.0741から42ドルでした。

市場関係者は「今後、新しい総裁がどのような金融政策を行うのか見極めたいという投資家が多く植田氏の発言内容などに神経質に反応した」と話しています。

日銀総裁は、職員数が4600人余りの日銀のトップで、国会の同意を得て内閣が任命し、任期は5年で再任も可能です。

日銀の独立性や中立性を踏まえ、任期中は政府や国会の意向で解任されることはありません。日銀は物価の番人とも呼ばれますが、総裁の最も重要な役割は、物価の安定に向けた金融政策のかじ取りです。

日銀は年に8回、金融政策決定会合を開き、景気や物価の状況を踏まえ、世の中に出回るお金の量や金利の水準をどのようにコンロトールするのかなどを議論しています。総裁は、この会合で議長として議論を取りしきります。

金融政策決定会合は、2人の副総裁を含む9人の政策委員が多数決で決める仕組みですが、この会合で議長の提案が否決されたことはなく、総裁の考えは日本の金融政策の方向を大きく左右することになります。

また総裁は国会で景気の現状や金融政策などについて答弁するほか、経済財政諮問会議といった政府の会議にも出席し、金融の専門家としての発言は重視されます。G7やG20財務相中央銀行総裁会議などの国際会議にも出席して、各国の中央銀行の総裁らと国際金融情勢を議論したり、日本の立場を世界に説明したりして、各国との連携を図る役割も担っています。

総裁のひと言がマーケットを大きく動かすこともあり、その言動には世界の市場関係者からの関心が寄せられています。

日銀総裁は国会の同意を得た上で内閣が任命します。まず政府が国会に人事案を提示し、候補者は衆参両院の議院運営委員会で行われる「所信聴取」で所信を表明し質疑を受けます。

その後、衆参両院の本会議で採決が行われ、同意されれば、候補者の総裁就任が正式に決まります。今回の黒田総裁の後任人事について、政府は、来週14日に、国会衆参両院の議院運営委員会の理事会に人事案を提示することになりました。そして24日に衆議院議院運営委員会で所信の聴取と質疑を行う方向です。

総裁人事は衆議院の優越がなく、両院の同意を得る必要があるため、手続きは法律や予算より厳しくなっています。

2008年には、当時の福井俊彦総裁の後任として政府・与党が、財務次官経験者で日銀の副総裁を務めていた武藤敏郎氏らを総裁に昇格させる人事を国会に提出しましたが「財務省出身者はふさわしくない」として野党が反対し、参議院で同意が得られなかったことがあります。

その後も与野党の調整が進まず、日銀の総裁ポストが戦後初めて空席になるという異例の事態をへてこの時は日銀出身の白川方明氏が総裁に就任しました。

氷見野良三氏(62)は富山市出身で東京大学法学部を卒業後1983年に当時の大蔵省に入り、1987年にアメリカのハーバード・ビジネススクールMBA経営学修士を取得。大蔵省や金融庁でのキャリアを通じてグローバルに活動する銀行などを対象とした国際的なルールのとりまとめや各国との交渉に一貫して関わりました。

このうち2003年から2006年にかけては金融庁から派遣されて主要国の金融監督当局でつくるバーゼル銀行監督委員会の事務局長を日本人として初めて務め、新たな資本規制の策定などに取り組みました。

2007年からは金融庁メガバンクを担当する銀行第一課長を務め、翌年のリーマンショックの際には大手銀行グループの「三菱UFJフィナンシャル・グループ」が金融危機で苦境に陥ったアメリカの大手証券「モルガン・スタンレー」への出資を決めるにあたって当局側の担当者として再編の実務をサポートしました。

2016年に金融庁の国際担当で次官級の金融国際審議官に就任し、2019年には、各国の金融当局などでつくるFSB=金融安定理事会で、当局間の協調促進に向けた活動を行う常設委員会の議長を務めました。

そして2020年から1年間、金融庁の長官を務め、新型コロナウイルスの影響を受けた企業への資金繰り支援などの対応にあたりました。

退任後は、東京大学公共政策大学院で客員教授を務めているほか、去年からは生命保険系のシンクタンクニッセイ基礎研究所でエグゼクティブ・フェローを務めています。

氷見野氏はフランスの彫刻家、アリスティド・マイヨールの研究者としても知られマイヨールの生涯をつづった評伝を出版しています。また漢籍にも造詣が深く中国の経典「易経」の入門書も執筆しています。

内田眞一氏(60)は、1986年に日銀に入った後は金融政策の立案を担う企画局に長く在籍し、2010年から新潟支店長を務めたあと、2012年に49歳で企画局長に就任し、5年間にわたって金融政策の実務を取りしきりました。

局長就任の翌年には黒田総裁が就任し、2%の物価目標の達成に向けた大規模な金融緩和やマイナス金利の導入、そして、長期金利短期金利に誘導目標を設けるいわゆる「イールドカーブコントロール」の策定に携わりました。

その後、名古屋支店長を経て2018年に理事に就任し、去年再任されましたが、この間、大規模な金融緩和政策で中心的な役割を担ってきました。

【黒田日銀の10年】
日銀は、2013年3月に就任した黒田総裁のもと、2%の物価目標を2年程度で実現することを掲げ、国債などの買い入れを大幅に増やし、市場に大量の資金を供給する政策を打ち出しました。

「黒田バズーカ」とも呼ばれた大規模な金融緩和で、当時の歴史的な円高は修正され株高が進み、マイナスで推移していた消費者物価指数の上昇率もプラスに転じました。

2016年1月には、日銀史上初めてとなる「マイナス金利政策」の導入に踏み切りました。2016年9月には、短期金利をマイナスにした上で、長期金利をゼロ%程度に抑えるという国際的にも珍しい今の大規模な金融緩和策を導入しました。2020年には、新型コロナウイルスの影響を受けた経済を下支えするため金融緩和を強化し、国債や複数の株式をまとめて作るETF=上場投資信託などの買い入れの上限を引き上げました。

しかし日銀が目指す賃金の上昇を伴った形での2%の物価目標は実現できず当初、2年程度としていた大規模な金融緩和策が常態化しています。

【異次元緩和の功罪】
異次元とも言われた大規模な金融緩和は、当時、産業界を苦しめていた行き過ぎた円高を是正し、デフレでない状況を実現しました。専門家の間でも景気や物価に一定のプラスの効果があったという見方が少なくありません。

その一方で、金融緩和の長期化でさまざまな副作用も指摘されています。金利の上昇を抑えて景気を下支えするために大量に国債を買い続けた副作用として、債券市場の機能が低下するなど市場のゆがみを無視できなくなり去年12月には、金融緩和策を一部修正し長期金利の変動幅の上限を引き上げました。

大量の国債の買い入れで、日銀が保有する国債の残高は去年9月末の時点で500兆円を超え、短期を除くと、半分以上を日銀が保有する異例の状況となっています。日銀の買い入れによって国の財政規律が緩んでいるという批判が出ています。

また、株価指数に連動したETF=上場投資信託の去年9月末の時点の保有額は帳簿上の価格で36兆9057億円。時価で見ると48兆208億円に上っています。市場関係者などからは日銀が実態として筆頭株主になっている日本企業も多く、日銀が市場をゆがめているという批判もでています。

【新体制の課題】
新しい体制の大きな方向性としてはこれまでの路線を受け継ぎ、賃金の上昇をともなって物価が安定的に上昇する経済の実現を目指すと見られます。

ただ去年、エネルギー価格の高騰に、日銀の金融緩和を背景にした記録的な円安がかさなって消費者物価指数の上昇率は日銀が望まない形で4%に達しています。
実質賃金もマイナスが続き暮らしに影響が広がっています。市場には、大量の国債の買い入れを続ける今の政策はいつまでも持続できないという見方が広がり、海外の投資家などの間で緩和策の修正観測がくすぶり続けています。

緩和策の修正を見越した投資家が国債を売って長期金利に上昇圧力がかかるなど日銀と市場の攻防も激しくなっています。日銀は難しいかじ取りを迫られています。

三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「市場では、日銀もしくは財務省出身者が総裁になるという見方が多かったため、学者の方が総裁になるというのはサプライズだった。ただ、副総裁が日銀と財務省出身なのでバランスが取れている」と話しています。

その上で今後の政策運営について「金融政策をよく研究されている方なので、急速に引き締めの方向にかじを切るのは危険だと認識されていると思う。マーケットの動向や日銀内部の意見を集約しながら、適切に政策を遂行していくのではないか。基本的には緩和路線を維持しつつ一部の政策のゆがみや不具合を正していく方向にゆっくりと向かっていく可能性が高いのではないか」と指摘しました。

バークレイズ証券の山川哲史調査部長は「植田氏の選任はサプライズだったが、かつてのゼロ金利政策量的緩和政策の導入にも関わっていたので知見、経験ともにある人物だ。これまでの金融政策に関する論説を見てもバランスのとれた人だと思う」と述べました。

そのうえで、今後の政策のかじ取りについては「即座に何か物事を変えるというよりは、段階的に調整していくだろう。景気の指標や物価指標など、データに基づいて政策運営の姿勢を詰めていくのではないか」と指摘しました。

●じっくりファンダメンタルズ見極めたかじ取りへ

大和証券 チーフマーケットエコノミスト 岩下真理氏>

植田和男氏が日銀新総裁として起用されるとの報道は若干驚きだった。過去に日銀審議委員をやったことがあるので、金融政策の理論も含めて非常に詳しい。氷見野前金融庁長官と日銀の内田理事が副総裁に選ばれたことは、とてもバランスが良く、総裁を支える強力なサポートになるだろう。

市場では雨宮副総裁が本命とみられていたことから、今回の報道を受けて為替市場では円高に振れた。ただ、植田氏は焦って引き締めに動くという印象はない。日銀審議委員時代は金融緩和の部分で能力を発揮された印象であり、学者である上にじっくりとファンダメンタルズを見極めるタイプだ。状況を見極め、ふさわしい状況で引き締めを進めていくのではないか。  

今後国会で所信聴取がある。世界経済が減速局面に向かっていくとみられ、状況を見極めながら、慎重な発言を行うのではないか。

●サプライズ、市場は初期反応ではタカ派リスク意識

大和証券 チーフエコノミスト 末広 徹氏>

次期総裁として事前に名前が挙がっていた日銀プロパーの方たちでなく、植田和男氏というのはサプライズだ。副総裁が日銀理事の内田真一氏と財務省金融庁系で国際派の氷見野良三氏というのは順当な人選と言える。

植田氏については、学者として日銀に近い方との認識を持っている。その主張については、昨年7月に円安が進行して日銀の金融緩和が批判されていた時に日経新聞のコラムで「拙速な引き締めは避けるべき」との考えを示したこともあり、それほど金融緩和に否定的だとは言い切れない。

一方で、黒田東彦総裁と直近まで金融緩和を一緒に進めてきた関係ではないとの観点からは、黒田氏が行ってきた金融緩和の否定をすることもしやすいと言える。

次期総裁は雨宮正佳氏だとの予想を織り込んでいたマーケットのファーストリアクションとしては、やはりタカ派のリスク、即ち金融正常化のリスクが高まったと捉えるだろう。ただ少なくとも昨年夏の時点では「無理して引き締めをやる必要はない」との見方であったということも踏まえ、市場は徐々に落ち着きを取り戻すとみる。

●4月会合で政策修正の可能性

シティグループ証券 チーフFXストラテジスト 高島修氏>

日銀新総裁候補として報じられた植田(和男)氏は、アプローチがオーソドックスな印象がある。学術的な裏付けがあれば、新しいことも前向きに検討するだろうし、これまでのクリエイティブな金融緩和に、強く否定的な訳でもないだろう。人選としては極めてニュートラルだとみている。

報道が流れた直後から円高が進行しているが、仮に有力候補だった雨宮(正佳)副総裁の昇格でも、同様のことが起こったのではないか。いずれにせよ、新総裁が担う4月の決定会合で、大規模緩和政策の修正に向けた何らかの措置が取られるとの見方に変わりはない。

アベノミクスと決別、長期的には日本株にプラス

ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出真吾氏>

元日銀審議委員の植田和男氏が次期総裁の人事に起用されるとの報道は、多くの市場参加者にとってサプライズとなった。金融緩和の正常化を進めてリフレ政策から脱却し、「アベノミクスとの決別」する印象を受けた。

具体的な手段はこれからだが、政府の本気度を感じる。今後は、金融緩和でぬるま湯のような状態になっている足元から、痛みを伴いながらも政策変更をするということではないか。初期反応として為替が円高に振れ、日経平均先物が急落したのは、市場も正常化を意識したからだろう。

ただ、長期的にみれば、日本企業をより筋肉質にさせるという期待感もあり、株式市場にとって悪い話ではない。目先は不安要素もあるが、中長期的には、単なる量的緩和に頼ってばかりいる「温室経済」から脱却できるのではないか、との期待もある。

この点を海外投資家がどう捉えるかが注目されるが、(日銀人事報道が)好感されれば週明けに海外投資家が日本株買いに動く可能性もあるとみている。

仮にこのまま円高が進行した場合は、株式市場にとってネガティブだが、市場の受け止め次第では大きな波乱はないかもしれない。物色動向としては、金融政策正常化の思惑が強まり、金融セクターが買われるのではないか。

副総裁の人事については、非常に強力な布陣という印象を受けた。内田真一・日銀理事は日銀のエースと呼ばれ、実務にも詳しい。氷見野良三・前金融庁長官は海外中銀のトップともコミュニケーションがとれる外交力のある人で、それぞれの役割分担で新総裁を支えていくのだろう。

●植田氏起用はサプライズ、発言見極めへ

野村証券 チーフ金利ストラテジスト 中島 武信氏>

次期日銀総裁植田和男氏が起用される見通しとの報道に対し、債券市場は売りで反応しているが、雨宮正佳副総裁以外では、誰でも同じ反応になったのではないか。市場の予想外の人選であり、サプライズだ。

植田氏の、金融政策に関する過去の発言をみると、ややタカ派で、中央銀行はある程度、債券利回りをコントロールできるとの立場のようだ。ただ、昔の発言であり、所信聴取での発言などを確かめる必要がある。

学者であり、金融政策の理論にも詳しいとみられる。すぐに現在の緩和政策を修正するのではなく、徐々に舵を切るのではないかとみている。

政府は10日、日銀新総裁に経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏を起用する方針を固めた。政府関係者ら3人が明らかにした。14日に人事案を国会に提示し、衆参両院の同意を得て内閣が正式に任命する。以下は植田氏の略歴。

1951年生まれ。71歳。

現在は共立女子大学ビジネス学部ビジネス学科教授。東京大学名誉教授。

1974年に東京大学理学部卒業、同大学経済学部に学士入学

1976年マサチューセッツ工科大学大学院入学、80年卒業。

1998年4月から2005年4月まで日銀審議委員。ゼロ金利政策導入時に審議委員として「時間軸効果」の政策を主導。2000年8月のゼロ金利解除では反対票を投じた。審議委員退任後も日銀金融研究所特別顧問に就くなど日銀との関係は継続、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)運用委員長なども務めた。

2022年7月の日経経済教室への寄稿では、円安を回避するための利上げは景気悪化を招くなどとする一方、出口に向けた戦略を立てておく必要があると指摘している。

著書に「ゼロ金利との闘い」、「世界金融・経済危機の全貌」、学術論文に「マイナス金利政策の採用とその功罪」などがある。

政府が日銀新総裁に起用する方針を固めた経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏は10日、記者団に対し「現在の日銀の政策は適切であり、現状では金融緩和の継続が必要であると考えている」と述べた。人事に関してはノーコメントとした。

日本テレビでの発言をロイターが確認した。

植田氏は金融政策を専門としてきた経歴から「金融政策は景気と物価の現状と特に見通し、先行きに基づいて運営しないといけない。その観点から、現在の日本銀行の政策は適切であると考えている。いずれにせよ、現状では金融緩和の継続が必要であると考えている」と語った。

その上で自身の経歴に関連して「学者でずっとやってきたので、いろいろな判断を論理的にするということ、あと説明を分かりやすくするということが重要」と話した。

政府・日銀の共同声明のあり方や黒田総裁の10年間については、来週以降、話ができる機会があれば説明したいとの意向を示した。

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