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月16日「姿」

宮本武蔵尾張藩の槍術指南役・田邊長常を訪(おとな)うたことがある。たまたま玄関に出た長常は、武蔵を見て、これはみごと!と嘆じ、しばし凝然と見つめていたという(八代城山夜話)。もっともな、実に好い話である。

戦前は時に、うむ!出来ておるなと思わせられる人物に会うことがあった。その後、年を逐(お)うて、そういう人物の風姿に接することが少なくなった。
この頃人間の姿態の頽廃は実にひどい。脊柱が曲がって、顎を出し、腰がふらふらで、脚がひょろついている若者が多い。蹴とばしたら二片か三片に頽(くずお)れてしまいそうだ。
整形外科の専門医の話では、若い者にこの頃ぎっくり腰が多い。姿勢が悪いからだという。日本の政治も経済も教育も凡(すべ)て姿勢が正しくない。従ってとかくふらついている。まず姿勢を正したいものだ。

「人間の徳性の根本は清新溌剌(はつらつ)である」

人間の徳性の中でも根本のものは、活々している、
清新溌剌ということだ。
いかなる場合にも、特に逆境・有事の時ほど
活々していることが必要である。
その人に接すると自分までも気が爽やかに
なるという、これが人物の最も大事な要素だ。
そしてかくのごとき人であれば必ず役に立つ。
(照心語録)

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