札幌 路線バスの運転手不足が深刻化 海外で人材募集し育成へhttps://t.co/tlIqUHicJs #nhk_news
— NHKニュース (@nhk_news) April 14, 2026
地域の生活を支える路線バスの運転手不足が深刻化する中、札幌市は海外で人材を募集し、現地と国内で運転手を育成する事業を行うことになりました。日本の文化やマナーも学んでもらい、実践的な運転手の確保を目指す考えで、国土交通省は全国でも異例の取り組みだとしています。
目次
3項目
全国各地で路線バスの廃止や減便 相次ぐ
外国人留学生を運転手に 札幌市がモデル事業
専門家「研修をきちんとできるかがスムーズな活用のカギ」路線バスは通勤・通学や通院、買い物など地域の生活を支えていますが、深刻な運転手不足によって廃止や減便が相次ぎ、運転手のなり手をどのように確保していくかが大きな課題となっています。
こうした中、札幌市は今年度から海外で人材を募集し、路線バスの運転手を育成する事業を行うことになりました。
この事業では札幌市から委託を受けた事業者がベトナムで人材を募集し、現地でおよそ1年かけて大型2種免許の取得に向けた対策や日本語の習得に取り組みます。
その後、バス会社が正社員として10人程度を採用し、国内で必要な免許や資格を取得してバスの運転手として独り立ちするまで支援します。
費用は札幌市とバス会社が全額負担し、日本の文化やマナーを学ぶカリキュラムなども用意するということで、実践的な運転手の確保を目指す考えです。
国土交通省によりますと自治体によるこうした事業は全国でも異例の取り組みだということです。
全国各地で路線バスの廃止や減便 相次ぐ
深刻な運転手不足により、全国各地で路線バスの廃止や減便が相次いでいます。日本バス協会の試算では、2030年度には全国で3万6000人のバス運転手が不足するとしていて、今後も路線バスの縮小が続くとみられています。
札幌市でも各地の都市と同じように、路線バスが市中心部のターミナル駅や病院などの主要施設と、郊外の住宅地などを結び、地域の生活を支えてきました。
しかし、運転手不足によってダイヤを維持できなくなっていて、昨年度の平日1日の運行数はおよそ6600便と、この6年で3割以上減少しました。
また、運転手の高齢化も進んでいて、札幌市内を走る主なバス会社3社の運転手は50代と60代が合わせて7割を占めていて、20代と30代はあわせて5%ほどにとどまっています。
このため、運転手の待遇改善を図る必要があるとして、おととし札幌市内の路線バスの運賃が27年ぶりに引き上げられましたが、運転手不足の状況は変わっておらず、現在、再び値上げする方向で議論が進められています。
外国人留学生を運転手に 札幌市がモデル事業
国内で運転手の確保が難しくなっているとして、国は外国人材の活用を後押ししています。おととしには、人手不足の分野で外国人労働者を受け入れている「特定技能」に自動車運送業などが追加されました。
これを受けて、各地のバス会社が外国人材の採用を進めていて、先月時点で国内で21人が特定技能のバス運転手として働いています。
札幌市でも昨年度からバス会社などと連携し、外国人留学生を路線バスの運転手として採用するためのモデル事業に取り組んでいます。
市が生活費や学費を補助する形でミャンマーから3人の留学生を招き、地元のバス会社が将来、路線バスの運転手として就職することを前提にアルバイトとして採用しました。
13日、3人は日本語学校での授業を終えたあと、バス会社の営業所に出勤し、室内の掃除やバスの洗車などを行っていました。
また、業務の合間には、日本語の学習に取り組んだり、従業員とことばを交わしたりしていました。
バス会社によりますと、3人はすでに外国の運転免許を日本の免許に切り替える「外免切替」の試験に合格していて、現在は路線バスの運転に必要な大型2種免許の取得に向けた勉強などに励んでいるということです。
バス会社は、早ければ2年後の2028年の春に運転手としてデビューすることができるとしています。
留学生 トウ・ズィン・テッさん
「以前から日本語と運転の仕事に興味があったので手を挙げました。日本に来て6か月ほどたちましたが、会社の人はとても優しいです。一生懸命頑張って早く運転手になりたいです」バス事業を運営 「じょうてつ」自動車事業部 松田信弘次長
「留学生を受け入れる際には、しっかり育てられるか不安もあったが、安心して働くことができる場所だとわかってもらおうという思いでやってきた。公共交通サービスを維持していくために、最も重要な安全意識について理解してもらえるようしっかり教育していきたい」専門家「研修をきちんとできるかがスムーズな活用のカギ」
交通政策に詳しい桜美林大学の戸崎肇教授は、札幌市の事業について「バス会社は経営難のため、新しい人材を育成して雇うことが難しい状況にある。行政として地域の足を守らないといけない中で、あえて税金を投入してでもバスの運転手を確保し、路線の運行を支えていく必要があると認識した結果で、非常に重要な役割だ」と話しています。
そのうえで「最も大事なのは乗客の安全確保であり、そうした配慮がきちんとできればコミュニケーションなどはあとからついてくるものだ。海外と日本では道路事情や運転マナーが全然違うため、研修をきちんとできるかがスムーズな活用のカギを握る」と指摘しています。
#アウトドア#交通(260414)