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うかとうせん【羽化登仙】の意味 - goo国語辞書

『安岡正篤先生動情記』

P117

先生「これは楽しい旅だから歩けなくなるまで参りますよ」と、ゆるやかに新緑の景勝を愛で、最上川の舟遊びを楽しみ、河畔の茶店に憩い、白糸の滝に対す。先生に微吟の声あり。「浩々乎(こうこうこ)として虚により風にのって其のとどまるところを知らず。飄々乎として世を遺(のが)れ羽化して登仙するが如し、云々」と「赤壁の賦」の一節である。

清風徐ろに来りて | 井手敏博の日々逍遥

私はそれに応えて語った。「君もまたこの水と月とを知っているのか。行く水はこのように流れ去って行くけれども、未だかつて枯れ果てたことはない。月が満ち欠けするのはその通りであろうが、どうあれ消えたり大きくなったりはしない。つまり、変わっていくものとして観察すれば、不変の天と地であっても一瞬でも変わらなかったことはない。なにも変わることはないと思って観れば、人をも物も尽き果てるものではない。であれば、なにを羨むことがあろう。天と地の間のあらゆる物にはそれぞれ主というものがある。自分の所有するものでなければ、一本の毛なりとも(他人の物を)取ってはいけない。しかしながら、江上を渡る芿風と山の端に照る明月とは、聴けば嘆声を発し見れば容色を和ます。耳や目でいくら取っても禁じられることなく、いくら絵や文に用いても尽きない。これを造物者の無尽蔵といい、私と君が今その只中に適している所である」と。客は喜び破顔して、杯を洗って更に酒を酌む交わす。酒肴すでに尽きて杯盤狼藉。客とともに舟中に枕をもやって、すでに東方の白むを知らなかった。

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