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『戦略学』著者が語る 「人間の心理と知性を制するものが市場戦略を制す」|注目の新刊ちょっと読み|ダイヤモンド・オンライン

 経営学上、戦略が本格的に研究されるようになったのは比較的最近のことである。1980年代に、マイケル・E・ポーターが産業組織論との関わりで企業の競争戦略論を発表してから、資源ベース理論、ブルー・オーシャン戦略など様々な経営戦略論が論じられてきた。

 しかし、これらはいずれも物理的世界、つまり五感で理解できる世界の実在性だけを前提にした、力と力をぶつけ合う一元的な戦略にすぎない。そして、その理論的基礎の一つは、新古典派経済学にある。

 彼らによると、人間の合理性は限定されており、しかも人間は、隙あらば自己利益を追求しようとする機会主義的な存在でもある。それゆえ、知らない者同士が取引する場合、相手の不備につけ込んで、自分に有利になるような駆け引きをする人間が現れる。すると、相手にだまされないように激しい駆け引きが展開されることになる。

企業にとって、ポパーが展開した物理的世界、心理的世界、知性的世界からなる三次元的な世界観に基づく多元的立体的戦略が求められている時代が来ているのだ。