次の総選挙での政権交代を狙う小沢民主党が、遮二無二福田政権への攻勢を強めているとはいえ、半世紀以上の政権運営の経験を持ち、しぶとさが身上のはずだったこの党としては、いかにもひ弱で無様な幕切れではないか。
福田氏は記者会見で、民主党の攻勢が退陣の原因と語ったが、それは、福田氏自身も自民党も、政治の難局を切り開く地力に欠けていることを示しただけのことだ。
「首相退陣」に思う 論説委員長 皿木喜久 あの強い政治家どこへ
いずれも、権力への執着ともいえる。しかしその背景には、日本の最高権力者としての使命感のようなものがあったのは間違いないのだろう。
そうではあるが、昭和20年代から30年代の保守政治家たちに比べ、現代の首相たちはあまりにひ弱に思えてならない。