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田中秀征の一言啓上 首相の読み違いで疑われる政治家の知性

 JRの車内の雰囲気から察すると、首相が立派な政策を打ち出しても多くの人たちが本気で聞いてくれない恐れを感じた。

 昔の政治家はわれわれよりはるかに読書家であった。特に指導的な立場に立った人たちは万巻の書に埋もれていたと言ってよい。

 石橋湛山元首相は、就任2カ月で病気退陣の止むなきに至った。退陣表明した日の深夜、官房長官が自宅を訪れると、書斎で経済学の原書を読んでいたという。

 政治家の判断資料は、(1)自らの体験、(2)視察や意見聴取、(3)情報収集と読書であろう。

 読書は体験や視察を短時間で補うもの。そして知識の会得ばかりでなく、深く思索する機会を与える。偉大な政治家はほとんど例外なく読書家だが、それは読書家だから政治家になったということではなく、真剣に政治に取り組もうとしたら本を読まざるを得ないからだろう。

 漢字を間違いなく読める人を見ていると、そういう人ほど辞書を引く習慣があるように見える。