近代のグローバリゼーショんは、25年ほど前に始まっている。輸送コストやコミュニケーションコストが急速に低下した頃からだ。
まずグローバリゼーションがさまざまな分野における成功の基盤になっていることを指摘しておきたい。つまり、たくさんの成果をもたらしてきたということだ。
グローバリゼーションは本来、先進国と発展途上国の双方に利益をもたらすはずのものだが、この「ゲームの支配者」は発展途上国に対して非常にアンフェアだった。
大事なのは、政府の役割と市場の役割のバランスである。
中国とインドは、短期の資本移動は経済の不安定化と、報酬なきリスクしかもたらさないことを理解していたのだろう。彼らはつまり自分たちがグローバリズムに利用されないようにして、逆に利用したのだ。
まず言いたいのは、世界のどこにも本当の意味の自由貿易は存在していないということだ。
もっと独立して行動すべきだ。たとえば1997年の東アジア通貨危機のときに、日本はアジア通貨基金の創設を提案し、経済回復に必要な資金を拠出するという、とてもいいアイデアを申し出た。
日銀が金利を上げるのは誤りである。
世に倦む日日 : スティグリッツは21世紀のケインズになる - 国連の新通貨構想
「この危機をきっかけに、新自由主義は終わりを迎えなければならないと思う。規制緩和と自由化が経済的効率をもたらすという見解は行き詰まった。ベルリンの壁崩壊で、共産主義が欠陥のある思想であると誰もが理解したように、新自由主義と市場原理主義は欠陥のある思想であることを、ほとんどの人々が理解した。私の研究はすでにそれを説明してきたが、今回は経験によって示されたことになる。基軸通貨としてのドルと、米国の役割も、やがて終わっていくことは明らかだ」
「結局のところ、特定の通貨に依存しない多角的でグローバルな準備通貨システム、すなわち『グローバル紙幣』が必要とされているのだ。それは各国通貨のバスケット方式であり、IMFのSDR(特別引き出し権)を恒久化したようなものだ。ケインズが44年のブレトンウッズ会議でドルやポンドの代わりに主張した国際通貨『バンコール』の現代版でもある。同時に、IMFに代わる国際機関を創立することも必要だろう。新たなブレトンウッズ会議を開催すべきときなのだ」
中国がどのような市場経済モデルを選ぶにせよ、いずれも政府の役割は発揮させなければならない。市場も変調を来たすことはある。普通市場も必ずしも効率の最大化をもたらすものではない。政府と市場はバランスを保たなければならない。
最も重要なのは自分に適した市場経済モデルを選ぶことである。異なる市場モデルには異なるデメリットがあり、また異なった評価の指標がある。
20.75世紀メディア: スティグリッツ、中国経済を語る その2
「市場経済は十分な競争があって初めてメリットが生まれる。しかし、利益をあげる最も簡単な方法は独占である。参入障壁を通じて競争を弱めるのだ。だから、積極的にして用心深い反独占機構があることが重要である」
「多くの競争を抑制するやり方はみな現地で発生している」
マネタリズム、インフレターゲットめったぎり by スティグリッツ
物価が目標値を上回ったら、金利を上げるべきというものだ。この粗雑な対応策は、経済理論にもほとんど基づいてないし、実証的な証拠もない。インフレの原因を無視して、利子を上げるのがいちばんいいと考える理由はどこにもないのだ。
スティグリッツ教授にきく地球温暖化防止策:NBonline(日経ビジネス オンライン)
ボルカー元FRB議長、米財務長官に適任=スティグリッツ教授 | ビジネスニュース | Reuters
「(次期財務長官候補に)名前の挙がっている人物の多くは、現在の混乱をもたらした規制緩和にかかわってきたか、あるいはこれを推進してきた」
スティグリッツ教授 サブプライム問題で警告
スティグリッツ提案弁護−新正統派ケインズ主義宣言
「太政官札」の発行を失敗ないし汚点であったと決め付ける明治維新史の見かたは、総じて、左翼陣営の歴史家たちのステレオタイプな姿勢である。滝田氏も、そのような見かたに追随しているわけである。しかし、坂本竜馬と光岡八郎(由利公正)の夜を徹しての協議(慶応3年10月末)で基本方針が定められ、慶応4年(明治元年)2月から実施されはじめた「太政官札」の発行は、客観的に見れば、明治維新を成功させるうえで、まさに決定打として役立った施策であったのである。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20080504#1209882413
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