【特別対談】竹中平蔵vsビル・エモット(1) 米国型資本主義の終焉を説く愚|対談 竹中平蔵×ビル・エモット|ダイヤモンド・オンライン
先日、中国や香港を訪れたのですが、現地での見方はこうでした。香港の成長率は恐らく大きくマイナスになるが、中国本土は6%から8%の成長は可能だと。もしも7%や8%の成長が本当に持続可能ならば、世界経済はさほど深刻な事態には落ち込まないはずです。
「百年に一度」という表現に対する意見を求められるならば、私も同感です。第一に、(世界経済は)1930年代よりも悪い状況にはない。率直に言って、百年に一度という表現は暗すぎるし、馬鹿げています。
ただし、ロシアは別です。他の石油生産国同様に、非常に深刻な経済危機の局面に入っていると私は見ています。
価格下落は中国のような巨大消費国にとっては、福音です。
今回のことは、単なる米国のバブル崩壊ではない。正しくは、“マルチバブルの崩壊”とでも呼ぶべきものなのです。
私は世界が貿易をオープンにしている限りは、悲観的になりすぎる必要はないと思っています。いくつかの国で成長が再び始まり、新しい投資が貿易の拡大を通じてやがて他の国・地域に伝播されていくはずです。
“市場の失敗”と同時に、“政府の失敗”があった。