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松浦晋也の「宇宙開発を読む」近づく「テポドン2」打ち上げ

 今回の打ち上げは2つの理由から衛星打ち上げであると推定できる。一つは、1998年同様に真東への打ち上げを行うとしていること。衛星打ち上げの場合、真東に打ち上げることで、地球の自転速度を利用してより少ないエネルギーで打ち上げを行うことが可能になる。一方大陸間弾道ミサイルの実験ならば、真東に打つ必然性はない。

 もう一つは、衛星打ち上げ用ロケット技術も、ミサイル技術も基本は同一であるということだ。同じ技術を試験するならば、衛星打ち上げを行ったほうが国際的な摩擦を引き起こしにくいし、国威発揚にもなる。

 衛星の打ち上げを模式化して説明すると、「第1段で上に昇って大気圏を抜け、第2段と第3段で水平加速を行って軌道速度を得る」というやりかたをとる。従って離床直後のロケットは少なくとも1分程度、主にへと上昇していく。

 一方、ICBMの場合は、可能な限り重い弾頭を可能な限り遠くに落下させるのが目的なので、斜め45度に向けて打ち上げる。離床後、割と早い段階から、ロケットは斜め上方向へと飛行していく。

 従って、打ち上げを観察していれば、離床後1分程度の軌跡の違いから、衛星打ち上げを狙ったのか、それともミサイル実験を行ったものかは区別することができるはずである。

 日本へのロケットの落下は、打ち上げ後のごく短い時間、おそらく数分前後の間にトラブルが発生して打ち上げが中断した場合に限られる。そのタイミングでトラブルが発生する確率は低い。

北朝鮮が本気で技術開発を行うつもりならば、太平洋に電波受信設備を搭載した追跡船を派遣しなければならない。

 しかし、これまでのところ追跡船が北朝鮮の港から出港したというニュースは聞こえてこない。

明らかに政治の側が「核弾頭を搭載可能で、長距離の射程を実現するロケット技術」を早急に要求しているためだろう。

【北ミサイル】北の軍艦船が秋田沖に展開

周辺海域の情報収集とミサイルの一部の回収が目的とみられる。

Institute for Science and International Security
【北ミサイル】慎重になった北朝鮮技術陣