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彼女がキレイな理由(わけ) 麻生花帆

立ち振る舞いの美しさは、その人の内面からにじみ出るものなのでしょう。

自分を確立するために、自分に自分がどう責任を持つか、自分を信じていられるかということを、自分と対話して選びました。

囃子方として座って演奏するとき、細やかな楽器の取り方や正座している時の手の置き方など、そうした動作にいかに人間性というか内面を感じてもらえるかというところも大事にしています。深層にある心と心が触れ合うことで相手の心に響いたものは、いつまでも残ると思いますし、それを実感できた時、幸せを感じます。

日本の古典芸能の場合は、息が長いと言いますか、60歳になって「最近良くなってきたわね」とか、70歳になって「何だか枯れてきて魅力的ね」とか、80歳を超えたからこそ出せる存在感と雰囲気を良しとするようなところがあるので、私なんてまだまだひよこです。

音が出ていない時もそれは休符ということではなく、打ち手は息を止めて本当の静寂を作ったり、息を吐いて緊迫感を出していたりします。

鼓は、よく「乾いた音がいいですよね」って言われますが、私には湿っていて憂いのある深い音に聞こえます。体が浄化されていくような、精神が澄んでいくという感覚があります。

6歳の時に日本舞踊を始めました。親が海外に赴任していたこともあって、やはり日本人は日本の文化を身につけた方がいい、逆の言い方をすれば国際人であるためには何か日本的なものを一つ身に方がいいと親に勧められました。

日本の伝統芸能は、見て習え、聞いて習えというところがあって、構え方、打ち方、掛声など基本的なことは教えて下さいますが、あとは自分で勉強していく世界です。

素晴らしいと思うものと、自分とでは何が違うのか、そうなるためにはどうしたらいいのかということを、全部自分で感じて、学んでいくしかありません。

男性の力強さの中にも繊細さはあるし、女性の内に秘めたる思いというか、表面的には静として表れていていることでも内面にはすごく激しさもあります。どんなことにも相反する要素というものが同時にあって、それで一つのものを成り立たせているということです。そしてその相反するものが混じりあって、人間の面白味というか「情感」ができていると思います。

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