【日曜経済講座】編集委員・田村秀男 世界的ケインズ政策 成否の鍵は日本に
日本は1990年代のバブル崩壊不況時に公共投資を中心にした財政支出で内需拡大を図った。成果は不明なままだが、膨張した政府の累積債務が残された。結局、円安に後押しされた外需主導に逆戻りしてやっと不況から脱けたが、ケインズが失業増加の主因と断じたデフレはもう10年も放置され、社会を疲弊させている。
恐るべきことに、これから追加発行する約16兆円の国債を消化するゆとりに乏しい。
貯蓄こそは赤字国債の吸収源なのだが、年間で6兆円と10年前の6分の1にすぎない。
小手先の対策に終始する官僚主導の限界だ。