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【政治部デスクの斜め書き】首相「こだわらない」発言の真意は? 厚労省分割論はなぜ混乱したのか

 この問題が急浮上したのは15日の政府の安心社会実現会議だった。委員の1人である渡辺恒雄グループ本社代表取締役会長が持論である厚労省分割論を力説し、首相は「国民生活に力を入れる省を作ってはどうかと思っていた。単に厚労省を2分割するのではなく、例えば内閣府を含め国民の安心を所管する省を検討してもよい。(略)総務省も巨大だ。(平成13年の)省庁合併はよいことだったが、今はもう少し分けた方が効率的になるとなっている。ただ、役人の数は増やさない」と応じた。つまり最初から厚労省分割ではなく省庁再々編の必要性を説いているのだ。

 ところが、与謝野馨経済財政担当相は経済財政諮問会議後の記者会見で「首相から厚労省の組織分割、幼保一元化の案を出してくれという指示があった」と説明した。

 ところが、与謝野氏は首相の意向を無視して、厚労省分割に向け関係閣僚と折衝を始めるなど一気に動き出した。読売新聞を筆頭に各メディアも一気に厚労省分割を既定路線として報じ始めた。

 省庁再々編は現実に動き出すのに数年を要する大プロジェクトだ。

 だが、厚労省分割となると話は別だ。これの原型が6月に策定される「骨太の方針2009」に盛り込まれれば、衆院選後の秋以降に一気に進む可能性があるからだ。

 ところが、どうやら首相は新型インフルエンザの対応に追われていた上、25日には北朝鮮が核実験を強行。参院予算委員会での答弁も続いており、朝から晩まで忙殺されていた。どうやら党内の不穏な空気に気付いていなかったようなのだ。

 一連の経緯をたどってみると腑に落ちないが与謝野氏の動きだ。

与党には、えも言われぬ不安感が広がりつつある。