宮田秀明の「経営の設計学」いつまでも未熟で、いつまでも成長する
人生は毎日、毎週、毎月、毎年どれだけの時間を費やして勉強し、自分を鍛えて向上するかが、最大の価値を持っているのだ。
それでは人の何倍もの速度で成長している人は満ち足りた人生を送っているのだろうか。大きな達成感を持って自信満々の人生を送っているのだろうか。
多くの場合は全く逆だと思う。毎年挑戦を繰り返し、急速に成長している人は、いつも自分の成し遂げた成果に不満足で、自分を未熟と思っているものだ。
自分が自分の成長を理解することは難しい。ほとんどの場合、日々の努力を重ねて着実に成長してきたはずなのだが、それを客観的に知ることは難しい。
ふと5年前の1995年の夏、自分が発した言葉を思い出して、恥ずかしくなった。
しかし、それは2000年の私が1995年の私より成長したということでもあった。
仕事やプロジェクトに挑戦して成功するために一番大切なことは、まず自分が未熟だと思うことだと思う。その次に大切なのは、未熟だからそのプロジェクトのために最大限の努力と時間を注ぐことだ。
人に挑戦させ人を成長させる環境を作り、いつまでも向上心の衰えない社員がいる企業は伸び続ける。自分が偉いと思っているリーダーのいる企業は危険がいっぱいだろう。