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サンデー時評:「申し訳ありません」をめぐって

 結局、女性乗務員との三回の短いやりとりのなかで、都合七回も、

「申し訳ありません」

 という謝罪の言葉を聞かされるハメになった。ほかの乗務員でも似たようなやりとりになっただろう。

 彼女たちを批判するつもりは毛頭ない。機内だけでなく、この言葉は日常生活のなかで多用されている。

言葉を使う側と聞く側の信頼関係をどう保つか、という割合大切なテーマである。どんな言葉を使えばお互いに信用し合えるか、と言い換えてもいい。

謝罪言葉はやりとりを封じる効果があるから、そこで話は終わる。だが、お客に不満は残り、

〈謝るのが手っ取り早いと思っているに違いない。誠実な感じでないなあ

 と不信も芽生える。

「申し訳ありません」

 からは一片の説明意欲も説得の姿勢も感じられないからだ。

 日常会話でも、テレビの出演者でもそうだが、聞く側は相手がどこまで本音でしゃべっているかをかぎとろうとしている。最近は、政治家のテレビ出演が多いが、能弁、多弁がいいわけではない。

「どうしたらいい文章が書けるのかねえ」

 と問いかけると、作家の井上靖さんが、

いい文章を読むことです

 とこともなげに言い、感じ入ったという。

「申し訳ありません」

 には本音と感じ取れるものが薄く、言葉のふくらみも乏しい。

やじうまプラス part19

夏休み(遅・・・)を頂き、スペインに行ってきました!! 向こうで聞いた言葉№1は「De nada」(大丈夫、気にしないで)。