衆院本会議まで1時間余しかない。
細田氏は16日、所属する町村派会長の町村信孝元官房長官からの電話に「首相が絶対に開かないと言っている。総理の固い意思だ」。与謝野財務相、石破農水相が15日、首相に総会開催を迫った際も首相は「出て行っても中川(秀直)氏らが好き勝手言うだけ。開く必要はない」とそっけなかったという。
署名した議員も一枚岩ではなく、中川氏らの「倒閣派」、石破茂農相(52)らの「対話重視派」、与謝野馨財務相(70)や小泉チルドレンらの「選挙事情派」に分かれていた。
執行部は最も多い選挙事情派を中心に工作を進めた。
自由に発言する場を設ければ地元で「首相にこう言ってやった」とアピールできる。それでトーンダウンしていった。
結局、執行部が手をこまぬいている間に、両院総会開催要求の署名が130人を突破。あわてた執行部は両院総会に代えて、議決権のない両院懇談会を開く妥協案を17日に決め、なんとか乗り切ったものの、細田氏や河村氏がもっと早く動き、懇談会開催で軟着陸させていれば、混乱はここまで拡大しなかった。