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特集ワイド:’09シリーズ危機 政治家よ!/下 コラムニスト・天野祐吉さん

麻生さん一人の問題じゃない。自民党全体の問題です。自民党という建物の耐用年数が、もう完全に切れたんですよ。大体、森さん(喜朗元首相)みたいな人が、相変わらず陰で力を振るっているようではね。国民は見切りをつけているんじゃないですか」

「テレビに出るということは、顔を見せるということです。非常に危険も含んでいる。なぜなら、顔は中身を表しているからです。言葉ではうそを言うことができても、顔はうそをつけない」。

問題はテレビ側がそれをどうコントロールするかです。番組の視聴率ばかり考え、盛り上げてくれて、受けのいい人ばかり出している。それではまずい。どういう意図で政治家をテレビに引っ張り出しているのか。知恵が必要なのはそこです」

 「例えば、今度の衆院選。候補者同士、テレビで自由に討論させればいいんですよ。東京1区なら東京1区。愛媛1区なら愛媛1区。地域ごとに。各局で分担してもいい。そうすれば、見る側は『顔』で見抜きます。あいつは口数が少ないけど物を考えているとか、あいつはペラペラペラペラしゃべるけど中身のないやつだとかね

「そんなにストイックに考えたら何もできない。いいんです。ワーッと盛り上げて関心を引けば。丁々発止。利用しようとする政治家と、利用されるならうまくみんなの必要情報に転換するのがジャーナリズムで、テレビはそこで勝負したらいいんですよ。それで公共性がゆがめられるようであれば、テレビがだめなんです。そのぐらいのことはジャーナリズムなんだから、しっかりしてもらわなきゃ困るね」

「面白いことを言う小泉(純一郎)さんについていったら結果的にひどい目にあったと今、みんな思っているわけでしょ。一度だまされたら気がつくんです

「ただ真実を5W1Hで伝えていればいいってものじゃない。どうやったら、みんなが面白く見るだろう、読むだろうというジャーナリズムとしての芸がないといけないスキャンダリズムとセンセーショナリズムはある意味、ジャーナリズムに必要不可欠な要素。ただ、あくまでそれは芸として使い、その向こうに何を見せるか、ですよ

 天野さんの言う「言葉」には、発したときの表情や声の調子、強弱、身ぶり手ぶりから、使う単語までが含まれる。それは「顔」に表れる「中身」でもある。「言葉がこんなに生気を失って、息もたえだえになっている時代はない。言葉に酸素を送り込むことが、今この国に一番必要なことだと僕は思います