【土・日曜日に書く】ニューヨーク支局長・松尾理也 ブロンクスから来た判事
ソトマイヨール氏は以前、ある討論会でこう述べたことがある。「私は、アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)の申し子なのです」
ソトマイヨール氏はプリンストン大、そしてエール大法科大学院に学んだ。これらアイビー・リーグの大学群への入学は極めて難しい。「私の成績は飛び抜けていいわけではなかった。アファーマティブ・アクションなしでは合格しなかっただろう」という述懐も、真実味をもって受け止められた。
ソトマイヨール氏も公聴会でアファーマティブ・アクションについて尋ねられた際、まず「立法が決めること」と前置きしたうえで、「もし、こうした措置が不必要な世の中が来れば、それが一番いいのだが」と述べた。つまりやんわりと、しかしはっきりとその必要性を主張したことになる。