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伊東 乾 「政治を科学する」という大きな誤り

彼が最初に学んだのは、「OR(オペレーションズリサーチ)」と呼ばれる分野でした。

 さらに、大学院に進んだ鳩山氏は、こうした「最適化の理論」を元にスタンフォード大学で「経営工学」を専攻、博士号を取得します。

鳩山氏は経営合理化のスペシャリスト、1970年代に米国で学位を取得し、専修大学助教授として専門研究に従事していた、いわば「リストラの専門家」にほかなりません。

 鳩山氏が、21世紀に入ってサブプライム破綻なども引き起こしてしまった数理最適化理論の大本を1960〜70年代の黎明期から押さえた、経営工学の専門大学教授経験者であること。

様々に苦難の状況がある時、限界の中で最大の効用を発揮するよう、ムダを省き、太い稜線で企業や生産体制を再構造化するのが「リストラクチャリング」の原義です。

江崎さんの上司だったのが鳩山道夫博士

祖父の鳩山一郎氏の弟、民法の鳩山秀夫・元東大法学部教授の長男に当たる人物

山新首相は「戦略数理科学=OR」の専門家として出発し、その道で内外専門の第一線に立っていた人物です。第2次世界大戦後、日本は、極論するならば「戦略なきことの戦略」あるいは「戦略を見せない死んだフリ」というババ抜きのような戦術(多分に吉田茂氏の老獪な外交術のなせる業と思います)を国是として立ち上げていたように私は思っていますが、それはとりわけ、米国との関係において最も如実であったと言えるでしょう。

 今2008年以降、米国は一国超大国であることを止め、日本は(安全保障問題も含めて)国際社会の中で自らの「最適な戦略」をドラスティックに選んでいく必要性を迫られています。

 例えば米中関係を腹芸でなく客観的に見、沿岸部メーンランド・チャイナと台湾が揃って歓迎できるような最適の経済的手筋を、次々に、合理的に示していける日本などという、少し前には想像もできなかった自立能動的な外交も、決して不可能ではないのです。1つのポイントは、内外が襟を正して対峙せざるを得ない、きちんとした筋道を示していけるかにかかっていると言えるでしょう。

 何事によらず「ダメ」を言うことはたやすい。民主党政権は、選挙時のマニフェストに端的に示されるように、まだまだ脇が甘いのは誰もが承知する通りです。しかし、否、だからこそ、私は、シラけた評論ではなく、国民の1人ひとりが意識と自覚を持って、もろとものダイナミックな変化を主体的に実現していく可能性を考えたいと思うのです。

内政ではっきり通用する実質を持つ言葉が、メディアを通じて国民有権者全員にも通じる。そこまでやって「ウソ(lie)をつかない」政治になる。

 鳩山新政権もまたしかり。毎回の記者会見から議会での重要な演説まで、そうした体制を早急に整えていけるかどうかが、大きく問われるポイントでしょう。