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著作権を無視したエニグモは 雑誌ビジネスの未来を阻害するのか | インターネットは本を殺すのか | ダイヤモンド・オンライン

 今月7日、株式会社エニグモ社が「コルシカ」というサービスを開始しました。インターネットによる雑誌の販売サイトですが、通常のオンライン書店と異なるのは、同サイトに雑誌のデジタルコピーが用意され、利用者は雑誌代金を支払うことによりパソコンの画面上で、買った雑誌の全ページを閲覧できるというものです。紙の雑誌本体は送料を追加することにより利用者まで配送されます。

 デジタルデータを提供する場合、最大のネックは複製が容易であることなのですが、「コルシカ」サービスは「閲覧」なので「ダウンロード」よりは複製の危険性が大幅に減ります。

 また、エニグモ社及び同社に雑誌を納品する取次である太洋社は、「閲覧」サービスは雑誌購入者にのみ提供されるものであり、サービス利用者が増える分雑誌の販売数も伸びるのだから、権利者である出版社等に損害はないはずだと主張しています。雑誌を買った人間が自らコピーをしたのと実質的に同じだ、ということなのでしょう。

では、「コルシカ」サービスはよいサービスであり、著作権を盾にとった出版社の拒絶姿勢はおかしいということでしょうか。

 結論からいうとそうではない、と考えます。

「コルシカ」サービスは、雑誌の売り上げに影響を及ぼさないスキームなら勝手にやってもいいだろう、というもので、版元には雑誌売上の維持程度のメリットしかなく、せっかくデジタル化してもそこからのリターンが放棄されている構造です。もしこのような形が中途半端に定着してしまうと、雑誌コンテンツをいろいろな形でデジタル流通させていこうという現在の動きを阻害することにもつながりかねません。