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「日米同盟軸に指導的役割」 オバマ大統領がアジア演説

オバマ大統領のアジア演説骨子

 ・日本はアジア太平洋地域における米国の取り組みの中心的存在であり続ける

 ・中国との実務的な協力を追求、米国は中国封じ込めを目指さない

 ・東アジアサミットにいっそう正式な形での関与を期待

 ・日米ほど核兵器がもたらす結果を知る国はない。我々は共に核なき世界を追求

 ・北朝鮮に貿易や投資、安全保障を与える用意。日本人拉致被害者の行方がすべて明らかになるまで隣国との完全な関係正常化はありえない

 ・米国は太平洋国家として地域での指導力を強化

日米首脳会談 共同会見の要旨

 アジアにおける米国の重要性について大統領から指摘があった。東アジア共同体を構想しているのも、日米同盟が基軸にあるからこそ。アジアでの米国のプレゼンスが高まることを大いに期待したい。

オバマ大統領 日米同盟は両国だけでなくアジア・太平洋地域の安定と繁栄の基軸だ。

オバマ米大統領のアジア外交政策演説〈全文〉

 日本にまた来られたのはすばらしいことだ。知っている人もいるかもしれないが、少年時代、母に連れられて鎌倉を訪れ、平和や静けさをたたえた大仏を見上げた。子供の私は抹茶アイスクリームにより魅せられた。昨夜の夕食会で、その思い出を紹介しながらアイスクリームを食べられたことを、鳩山首相に感謝したい。どうもありがとう。日本の人たちが当時米国の少年に示してくれた温かみやもてなしは、忘れたことはなかった。

 私が今回の歴訪を日本から始めた理由は簡単だ。就任以来、米国のリーダーシップを刷新し、互いの利益や尊重に基づく世界をつくる新たな時代を追い求めてきた。アジア太平洋での我々の取り組みは、揺るぎなくかつ活性化した日米同盟を通して大いに定着していくことだろう。

 日米同盟が長続きしてきたのは、何よりもそれが我々の共通の価値――指導者を自ら選び、夢を実現しようとする自由な人々の民主主義の権利への信念――を反映してきたからだ。そうした信念によって変化を約束した鳩山首相や私自身が選ばれた。我々は国民や日米同盟のため新世代のリーダーシップをもたらすことを約束する。


 だからこそ、我々は歴史的に重要なこの時に、双方が日米同盟を再確認するのみならず、深化することで一致した。両国政府が達した沖縄駐留米軍の再編合意の履行のため、合同の作業部会を通じて迅速に進むことを合意した。日米同盟が未来に向け進化・発展していくにつれ、アイゼンハワー元大統領がずっと前に表現した精神に立ち、我々は対等で相互の尊重に基づく関係に向けて常に努力していく。

 我々は台頭する国々に、21世紀において一国の安全保障や経済成長は、他国の犠牲によって成り立つ必要はない、という観点から着目している。中国の台頭を米国がどう見るか尋ねる人が多くいる。しかしこれまで言ってきたように、この相互に関連づけされた世界では、勢力はゼロサムゲームになる必要はないし、国家は他国の成功を恐れる必要もない。勢力圏づくりを競うのではなく、協力圏づくりを深めることで、アジア太平洋は前進していくだろう。

 米国は中国を封じ込めるつもりはないし、米中関係の深化は(他国との)二国間同盟を弱めるものでもない。むしろ反対に、強固で、繁栄した中国の台頭は、複数の諸国からなる共同体を強化する源になる。北京やほかの場所で、我々は戦略・経済的な対話を深め、軍同士の意思疎通を改善したい。もちろん、すべての課題について同意はできないだろう。米国は、すべての人の信教と文化の尊重を含め、我々が重視する基本的な価値を主張する際に揺らぐことはないからだ。人権と人間の尊厳を支えることは米国に刻み込まれた伝統なのだ。しかし、敵意ではなく協調の精神でこれらの議論を前に進めたい。

 我々は経済回復の間際にあるが、それを持続的なものにしないといけない。世界的な景気後退を導いた、にわか景気に続く崩壊というサイクルに戻るわけにはいかない。不均衡な成長につながる政策を再びとることはできない。今回の景気後退が我々に教えた重要な教訓の一つは、経済成長を米国の消費者と、アジアの輸出だけに頼ることの限界だ。米国人があまりに巨額の借金に気づき、失業して雇用がみつからない時に、アジア製品への需要は急減したからだ。需要が急落した時、この地域からの輸出も急落した。アジア地域の経済は輸出に依存しすぎているため、成長が止まった。そして世界の景気後退がますます深まった。

 シンガポールで詳しく述べることになるが、米国において、この新戦略は、貯蓄を増やし、支出を減らし、金融制度を改革し、長期的な赤字と借り入れを減らすことを意味する。それはまた、我々が建設し、生産し、そして世界中に売り出すという輸出に重点を置くことも意味する。これは米国にとっては雇用戦略だ。

 私たち一人一人が、地球を傷つけずに経済を成長させるため、できることをしなければならない――しかも、我々はそれを一緒にやらなければならない。良い知らせは、正しいルールと動機付けをすれば、最高の科学者たち、技術者たち、起業家たちが創造する力が解き放たれる、ということだ。それは、新たな雇用、新たな事業、そしてまったく新しい産業にもつながる。日本はこの点において先頭に立ってきた。我々は、この重要な地球的目標を達成するうえで、日本の重要なパートナーとなることを楽しみにしている。

 ただ、ここには別の道がある。我々のパートナーと歩調を合わせ、直接外交に支えられながら、米国は北朝鮮に違う将来を提示する用意がある。自国民をぞっとするような抑圧の元に置く孤立ではなく、北朝鮮には国際社会に統合していく未来もありえる。貧困のままではなく、貿易や投資や観光が北朝鮮国民により良い生活への機会を与えるという経済的機会のある未来も持てる。不安定さを増すのではなく、安全と尊敬の未来もだ。この尊敬は、好戦的な態度を通じては獲得できない。完全に国際的な義務を果たすことで国際社会の中に地位を占める国にしか与えられないのだ。

 こうした未来を実現するために北朝鮮が取るべき道は明確だ。6者協議へ復帰し、これまでの合意を守り、核不拡散条約(NPT)へ復帰、朝鮮半島の完全かつ検証可能な非核化を行うことだ。そして、日本人の家族に対し、拉致された人たちの行方を完全に明らかにしなければ、近隣諸国との完全な関係正常化もない。これらは、もし自国民の生活を改善し、国際社会に参加することに関心があるならば北朝鮮政府がとることができる行動だ。

 アジア太平洋地域は、多くの文化に恵まれている。素晴らしい伝統と、力強い各国の歴史に彩られている。何度も何度も、この地域の人々が、人類の進歩のために示してきためざましい才能と熱意を見てきた。そして、明確なのは、伝統的文化や経済成長は、人権の尊重によって損なわれるのではなく、逆に強化されてきたということだ。人権を支持することは、他の手段では得ることができない、継続的な安全をもたらす。米国の民主主義と同様に、日本の民主主義で見られる話だ。

 以上が、米国がアジア太平洋地域においていっそうの繁栄、安全、人間の尊厳をもたらすために取る手段だ。その際には、親しい友人である日本を通じて行う。日本は常に、この地域での米国の努力における中心的存在だ。

 このきずながどのように築かれたか、話は、前世紀の半ば、太平洋での戦火が収まってしばらくした頃にさかのぼる。その際に、米国が日本の安全と安定を約束したことが、日本国民の復興精神と勤勉さとともに、「日本の奇跡」とよばれるものにつながった。つまり、世界が長い間見たことのなかったような急速で力強い経済成長の期間だ。

 これらはどれも簡単に実現しないし、後退や苦闘なしにも実現しないだろう。しかし、この変革の時期に、この奇跡の国において、歴史はそれが可能であることを示している。これは米国自身の課題だ。それが我々の日本との協力関係、そしてこの地域の他の国や国民との協力関係の目的である。米国初の「太平洋系大統領」として明確にしたい。この太平洋国家(米国)は、世界で死活的に重要な同地域での指導力を強化し、維持することを約束する。

REMARKS BY PRESIDENT BARACK OBAMA

It is wonderful to be back in Japan. Some of you may be aware that when I was a young boy, my mother brought me to Kamakura, where I looked up at that centuries-old symbol of peace and tranquility -- the great bronze Amida Buddha. And as a child, I was more focused on the matcha ice cream. (Laughter.) And I want to thank Prime Minister Hatoyama for sharing some of those memories with more ice cream last night at dinner. (Laughter and applause.) Thank you very much. But I have never forgotten the warmth and the hospitality that the Japanese people showed a young American far from home.

Now, I am beginning my journey here for a simple reason. Since taking office, I have worked to renew American leadership and pursue a new era of engagement with the world based on mutual interests and mutual respect. And our efforts in the Asia Pacific will be rooted, in no small measure, through an enduring and revitalized alliance between the United States and Japan.

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20091110#1257842391(イギリス旅行☆)
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20090123#1232704415オバマ新大統領と、ホワイト先生)
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20091113#1258068024(ビル・エモット)