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改革の本丸は国会にあり(4)

英国では、選挙で選ばれるのは候補者でなく政党のマニフェストである。従って議員は党議拘束に縛られる。選挙で勝った与党の政策が実現するのは当り前で、議会では修正のための議論が行われる。その議論を与野党が勢揃いした本会議で行う。野党は本会議で政府与党の政策を批判し、国家のあり方について政府と論争をしながら次の選挙のマニフェストを作る。こちらは政党のマニフェストが勝負である。

日本では奇妙な事が起きている。選挙は米国型である。公職選挙法は候補者を選ぶ選挙を想定している。候補者は地縁・血縁のある選挙区から立候補し、名前を売るためポスターを作り、街宣車で名前を連呼する。最近では日本でもマニフェスト選挙と言うが全く英国型ではない。英国の選挙は戸別訪問でマニフェストを説明するだけである。候補者が誰かは関係ない。


 しかし当選すると日本の議員には英国と同様に党議拘束がかけられる。それなら英国型の国会運営を行うかと思えばそうではない。米国と同じ委員会中心主義の国会だから法案の一つ一つが勝負になる。党議拘束があるから政府与党の法案は全て成立する筈で、野党がやれるのは修正協議だけなのだが、日本の野党は修正に力を入れない。与党の採決を「暴挙」と言って審議拒否に入る。このため国会が英国のように修正のための討論や国家の将来を巡る議論の場にならない。