https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

【経済が告げる】編集委員・田村秀男 大恐慌しのぐ「日本デフレ」

 1929年10月のニューヨーク株式大暴落「暗黒の木曜日」を機に大恐慌に突入した米国は経済全体の総合物価指数(デフレーター)が急激に落ち込んだが、4年後には前年比プラスに反転した。これに比べ、日本のデフレーターは1998年以来12年間も下落が続いている。デフレ度は緩やかなのだが、回復しないどころか、デフレが加速している。

 もうひとつは、現実の経済規模である名目国内総生産(GDP)である。大恐慌期の米国は1929年の名目GDPの規模に回復したのは、日米開戦の1941年で、実に12年を要した。日本の場合2007年、デフレ前の1997年の水準にいったんは回復したように見えたが、米バブル消費にリードされて輸出が好調だったためで、内需は不調のままだった。米金融バブル崩壊の2008年から再び縮小し始め、現在に至る。つまり、12年かかっても日本の実額経済規模がピーク時に完全回復するメドが立たない。大恐慌のスケール、期間をしのぐのが日本デフレだ。これでは今年にも中国にGDP規模で抜かれるどころの騒ぎではない。日本の経済規模ランキングはどんどん転落していくだろう。日本の強みである経済力の喪失に歯止めがかからない。

デフレ脱出のためには思い切った財政出動と日銀によるマネー大量供給が欠かせないが、インフレを呼び込む恐れが生じる。インフレに転じてしまうと、預金が目減りし、年金生活者は困窮しかねない。

 しかし、このままデフレの現状維持路線が続けば、税収はさらに減り続け、財政赤字は膨張する。そうなると、消費税などの大幅な増税に追い込まれるが、増税は消費需要をさらに縮ませ、デフレを加速させる。企業収益も、給与所得もさらに減る。親の世代の年金を負担する働き盛りの層は雇用不安にさいなまれ、住宅ローンも払えなくなる。結局、政府は増税したところで早晩、年金支給額を大幅削減するしかなくなるだろう。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20091209#1260312409
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20091210#1260402586