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ビル・エモット 緊急インタビュー 「鳩山首相の辞任は日本にとっても世界にとっても良いことだ」|DOL特別レポート|ダイヤモンド・オンライン

 私も個人的には鳩山さんがいかに誠実で、高い理想を持ったナイスガイであるかは知っているつもりだ。しかし、リーダーは知性や誠実さだけでは務まらない。なにより果断な性格の持ち主でなければならない。ところが、この8カ月あまりの言動を見る限りにおいては、彼はその能力が著しく欠けていたと断ぜざるを得ない。

そもそも政権の生き死にを左右するような重大な政策テーマについては、本来は公約を口にする前に慎重の上にも慎重を重ねて、その道のプロらと共に、実行の可能性を検証するものだ。

 私が推察するに、政権交代後のかなり早い段階で、普天間基地問題については公約を守ることが難しいと分かっていたのではないか。政権発足から2ヶ月以内に、公約を守れない理由をきちんと説明できていれば、もしかしたら鳩山首相にも違う展開があったかもしれない。

 繰り返すが、政権を担おうとする政党は、確実にできないと分かっていること、あるいは確信が持てないことは、特に政権の命運を左右する重大な政策テーマに関しては、約束などしないものだ。歴史的な経緯を考えれば、沖縄の基地問題がそれに該当することぐらいは分かっていたはずだ。それすらも見えていなかったとすれば、世評どおり、役者不足だったということに尽きる。

 また、予算編成への基本的なアプローチ、すなわちソーシャルウェルフェアにより多くの予算を再配分しようとする姿勢も正しいと思う。しかし、残念ながら、鳩山民主党政権の経済運営には、大きな欠陥があった。高福祉を目指す一方で、同時並行的に、日本経済の競争力や生産性を高めるために規制緩和を進めるという意志が欠如していた。

鳩山政権をこれだけ批判しておきながら、何を言うのかと思われるかもしれないが、日本の政治の前途には、曙光が差し始めていると思っている。なにより政界再編の動きが本格化してきているからだ。

これで政界再編が加速するならば、嬉しい誤算といえるのではないか。

ジャパンウォッチャーの一人として、その再編の渦の中から、高福祉と市場競争の両立を目指す果断な実行力を持つポリティカルリーダーが生まれることを願ってやまない。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20100324#1269405169