ところが、菅政権で枝野幹事長は入閣せず、玄葉政調会長が入閣した。枝野幹事長は、官邸の首相補佐官室に机を置く、「中途半端な官邸入り」(民主党議員)となった。
「昨年の鳩山政権発足時、小沢幹事長が副総理として入閣するプランがありました。しかし、反小沢勢力が『小沢さんが入閣したら、政府も党も牛耳られてしまう』と難色を示し、当時の鳩山代表―岡田幹事長ラインは、小沢さんを党務に専念させるようにしたのです。小沢幹事長を入閣させなかったのに、枝野幹事長になったら一転、入閣させるわけにはいかない。露骨すぎますからね」(民主党事情通)
昨年の政権交代時に小沢幹事長が入閣していれば、党の決定イコール内閣の決定となり、「鳩山首相と小沢幹事長の意思疎通ができていない」などと批判されることはなかっただろう。
反小沢勢力が小沢排除の論理に固執しすぎたことで、結局、菅首相は長年思い描いていた「政府・与党の一元化」を正しい形でスタートさせられなかったのだ。
民主党はいい加減、「小沢か反小沢か」で動くのを終わりにしないと、矛盾だらけの政治から抜け出せない。