首相就任後、たった３カ月で無能を露呈した菅が、それでも再選された理由は２つだ。「コロコロ首相を代えるのは良くない」という消極的支持と、最高権力者の立場をフル利用。恫喝とポストで中間派議員を籠絡（ろうらく）したからだ。
国内景気、外交問題、予算編成、補正予算と難題を挙げていけばきりがないし、もちろん、国会はねじれたまま。いつ参院で問責決議案が可決されてもおかしくない。小沢一郎は周囲に「菅政権は３月まで」と予言しているらしいが、その通り。菅はのたうちまわることになる。
「そこにアジアの緊張が重なります。北朝鮮の後継者問題が秒読み段階に入り、米韓が軍事演習などで急接近している。これに神経をとがらせている中国は漁船衝突事件で丹羽大使を４度も呼び出したことでも分かるように、日本を揺さぶり、牽制している。中国は日本の政権の弱体化を見越しています菅政権を待ち受けている難題は、国内問題だけではないのです」（名古屋大特任教授・春名幹男氏）
こうなれば、いつ菅が政権を放り投げてもおかしくない。それでも権力亡者が粘れば、今度は引きずり降ろされる。あるいは小沢が仲間を引き連れて飛び出す。いずれにしも、何をやりたいわけでもなく、ただ続投だけが目的だった菅政権に明日はない。
「菅首相は勝っても地獄」（政治ジャーナリスト・野上忠興氏）になるのである。
