今すべきことは、中国よりさきに『国民への』説明であり、
官房長官に必要なのは、そういう言葉を、まず口に出すことだと私は思う。
今の政府は、常に最も大切なことを避けて通ろうとしており、
素人であり一般人である国民に語りかける言葉を間違えている、
という印象が、どうしても私には、ある。
戦後長らく眠っていた、一番よけいな種類のナショナリズムを
今まさに政府が育てていることに、彼ら（と支持者）は気がつかないのか、
わかったうえで無視しているのか。
ある意味、極右政党が正面から国民をあおるよりも、
もっと危険で効果的なことに、なりつつあるではないか。
YouTubeへの投稿者はこの件に関して明らかに犯罪者であり、
機密漏洩罪などで逮捕され事実関係が確認されれば、有罪となるだろう。
しかしこの投稿者の行為を讃えたい雰囲気が、国民の間にはあると思う。
こんな、犯罪者を褒め称える空気を作ってしまったのは、
もとは言えば、政府与党のあり方があまりにもまずかったからだ。
実際には、なんでもかんでも情報開示するなど非現実的な話であり、
そんなことは、核密約の問題のときだって本当はわかっていたことだ。
ならば、ビデオを公開できないと判断した理由を、
すみやかに、具体的に、国民に向けて言葉にすべきだったし、
今からでも、まずその点を説明すべきだと思う。
