深刻化する財政を消費増税でカバーするために、根っからの増税論者である与謝野馨氏に秋波を送り、その所属する「たちあがれ日本」に連立参加を打診するという、なりふりかまわぬ政権延命策からは、小沢氏らとともに政権交代を成し遂げた者とは思えない「胡散臭さ」が漂ってくる。
党運営も、岡田幹事長、枝野幹事長代理という、頭でっかちにして、いささか人望と機略に欠けるコンビではこころもとない。
そのうえ、次世代のエースとされる玄葉政調会長は、小沢氏が旧来の自民党政治を語るときに持ち出す「足して二で割る」式の調整型政治家で、官僚には受けがいいが、改革志向の政治家からみれば噴飯ものだろう。
「迷いの中の是非は是非ともに非なり」ということであり、この種の神経症状から解放されるには、あたかも化け物のように迫ってくるものの正体をじっと見極めるしかない。
その正体が、自分たちの「権力欲」そのものであることが分かったら、さっさと、囚われ人の服を脱ぎ捨てて白木綿の装束に着替え、心を解き放つ遍路の旅にでも出ればいい。