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平衡系、あるいは価値へのコミットメント〜そろそろ「政治哲学」に戻りませんか(その5)〜

しかしほんのわずかではあるが、後者のタイプの人々は、徹底して言い続けてきたのである。そうした“想定外”こそ、“想定内”であり、日常となる日々がやってくる危険性がある、と。それはあまりにもかぼそい声ではあったが、確実に続いてきた声ではあった。しかもより注目すべきなのは、ある意味、趣味や価値観の問題としてこのことについて「言論」するのではなく、正に今回の「人知を超えた世界」が露呈する直前から、そうした事態への警鐘を突然鳴らし始め、警戒を呼び掛け始めた人々というのが現に一定数いるのである。

ここでいう「人知を超えた世界」へのアクセスを正に必要なタイミングで行うことがどうやらできそうな類型の人々とは、仮にリーダーの座に据えられたとしても、決して「権力」に固執することなく、その役割を粛々と果たすような人物である可能性が高いように思えるのである。