https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

「日本一新運動」の原点(67)── 脱原発とエネルギー問題

 田中角栄さんが、昭和49年に首相を辞めた直後だったと思うが、前尾衆議院議長の用事であったとき、こんな質問で困ったことがある。


「平野君、東京電力東北電力でつくる電気で、質の違いがあるがそれがわかるか」と。「わかりません。そんなことあるわけがないでしょう」と答えると、「まだ勉強が足りないぞ」と叱られ、その後ずっと気になっていた。

 西澤博士の答が勉強になった。「さすが角栄さんだ。最近の先端科学技術は、それに関わる人間の精神性や倫理性によって、製品の質に微妙な差が出る。例えば半導体の優れた製品は、儒教文化社会の日本・韓国・台湾で仕上がり率が高い(当時中国は先端技術は後進国だった)。その原因は電気の質にある。先端技術というものはそういった目に見えないもの、人間の心理的なものの影響を受ける世界なのだ。角栄さんは天才だ」という話だ。