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「より多く」ではなく「よりよく」へ 世界的に進む「消費のシフト」 ──ジョン・ガーズマ 『スペンド・シフト』著者|『週刊ダイヤモンド』特別レポート|ダイヤモンド・オンライン

 調査を進めると、07年の終わりごろから米国では景気後退が始まっており、消費者がだんだん慎ましい生活を送っていることがわかってきた。しかし、その背景には何かより深いところでの変化があるのではないかと考えるようになった。


 消費者が倹約をし始め、いままでの無節操な消費から節度のある消費に変わってきている。だが、ただ単に倹約しているのではなく、何らかの「価値を得る」ために消費をしているということだ。

 ひとつは「ニューフロンティア」と呼ぶべきトレンド。いろいろなマイナス要因、否定的な要因があっても、人々それらをチャンスと捉え、新たな問題に踏み出す機会を与えられたと捉えている。これを機に何かを変える──たとえば新しい仕事をする、企業を起こすとか、前に進むために取られる楽観主義が一つのトレンドとして見えてきた。

 もう一つ、「自立へ向かって前に進む」というトレンドがある。

 確かに米国の場合、消費支出はGDPの71%を占める。スペンド・シフトが国の将来を助ける方法としては、あらゆる企業が、次のような価値観をしっかりと頭の中に持つように変わっていくことだ。


 すなわち、透明性を持ち、倫理観、質の高さを提供できる企業、そういった価値観をきちんと念頭に置いている企業が出てくることで、国を助けることができる。そういう企業のものに自分たちはお金を使いたいという消費者がどんどん増えてきているからだ。そういう企業に対しては消費者は忠実で、常に消費者の頭のなかに“チャンピオン”として思い浮かぶ存在になる。


 マクロ的に言えば「量から質へ」ということだ。これまで量を追っていた企業、スペンド・シフトに対応できない企業は、今後、苦しい状況になるのは間違いない。

スペンド・シフト ― <希望>をもたらす消費 ―

スペンド・シフト ― <希望>をもたらす消費 ―