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【平野貞夫の国づくり人づくり政治講座】第136号 2011年10月07日発行

9月26日、東京地裁の登石裁判長は陸山会事件小沢一郎氏の元秘書の政治資金虚偽記載について、とんでもない異常な判決を行った。
それは検察が2年半という時間と約30億円の税金を使って、徹底的に捜査して起訴できなかった「水谷建設からの裏金」を、推測に推測を重ねて実証証拠もなく事実と「認定」して、それを前提に3人の有罪(禁固刑)の判決を下した。


「裏金」を認定しておいて、3人とも「執行猶予」としているが、不思議な話だ。
「裏金」が事実なら虚偽記載という形式犯でなく、公職者の斡旋利得罪等という重い刑罰もあり、裁判所はどうなっているかと多くの国民から批判が出ている。
私のところにも連日、大メディアの司法担当記者が取材に来るが、全員が「これは乱暴でヒドイ判決だ。自分たちも驚いている」ということだが、デスク以上の上司は彼らの意向は汲み上げないとのこと。
なかには、検察当局の反応も複雑で、「これはひどい。検察が不要となる判決だ」と語っている検察官もいるとのこと。


この判決のどこが問題かということだが、まず、「疑わしきは罰せず」という憲法の原理は、近代国家の普遍的原理で基本的人権を確立する人類の公共財的価値のあるものである。
それを「疑わしきは罰せよ」という、まったく反対の考え方で判決したわけで、民主主義社会に対する挑戦である。


さらに、司法の生命といわれる“法と証拠”による「公平な裁判」ということが憲法に規定されているが、政治家に対して証拠もなく裁判官の推測で有罪を判決するようになると、議会民主政治は成り立たない。
裁判官が嫌いな政治家を潰すこともできる。
国民主権や代表制民主主義は、まったく死滅する。


このような裁判官にも困ったものだが、谷垣自民総裁・山口公明党代表・福島社民党首らは、石川議員辞職勧告決議案を提出した。
登石裁判長と同じ知能である。
これだから日本の議会民主政治に問題が多いのだ。
3人の党首は弁護士だ。
司法試験に合格した人たちが真の民主政治を知らないのが日本の不幸である。