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trend:オーストリア 「脱カトリック」急増

キリスト教の守護者を任じたハプスブルク帝国の末裔(まつえい)の国オーストリアで、カトリック教会からの脱退者が激増している。昨年は全教徒の約1・5%に当たる8万7000人余を記録した。

ナチス・ドイツ時代に導入された世界的にも特異な「教会税」制度への不満がくすぶる中、聖職者による性的虐待が次々と明らかになり、教会への不信感が一気に表面化している。

80年代に年間3万人台だった脱退者は90年代に4万人台、00年代には5万人台に増加。

ウィーン大学のヨハン・ポック教授(カトリック神学)は「ますます多くの人が、自ら共感できない団体(教会)にこれ以上お金を払いたくないと考えている」と指摘する。

 ただ、改革派聖職者らが参加する民間団体「We are Church」を主宰するハンス・フルカ氏は「性的虐待は表面的な理由に過ぎない」と語る。生命や人生の疑問に教会が満足な答えを示せないことが根本的な問題だと分析するのだ。

 教会の古いしきたりを改め、決定過程に信徒を加え、聖職者レベルでの男女同権の実現や人道的な性的道徳の再構築、離婚や同性愛の容認などを進めるべきだ−−。


 脱退者の激増を受け、こうした改革を求める声は教会内部からも強まっているが、依然として少数派に過ぎないのが実情だ。