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アナウンサーの仕事 | SPECIALコンテンツ | テレビ朝日 新卒採用2013

小川:私は昔から、「アナウンサーってテレビに出ているとき以外は何をしてるんだろう?」と素朴な疑問をもっていましたが、実際に自分がなってみると、オンエアのための情報収集や資料整理が勤務時間の大半を占めているんですよね。入社当時、先輩が翌日のスポーツ実況のために丸一日資料を作っているのを見て、テレビで喋るためにはこれだけ準備しなきゃいけないんだ、と実感したのはよく覚えています。

竹内:『ミュージックステーション』で曲紹介をするとき、「これは上手くいったな」と思うことがあります。その曲にどういう想いが込められているかを理解しているかどうかで、言葉の響き方、伝わり方が大きく変わってくるんですよね。そのためにも、次回オンエア予定の曲は毎日聴き込みますし、アーティストの方が載っている雑誌も読むようにしています。

小川: 1年目に担当した『サンデープロジェクト』で、田原総一朗さんに出会ったことが本当に大きかったです。田原さんは、上っ面や小手先で何かをやったりすると全て見抜いてしまう方なんです。例えば私が少しでも背伸びした発言をすると、「じゃあこれはどう思う?」と重ねて質問をして袋小路に追い詰めたり(笑)。「立派な意見は言えないし、未熟な私がすべきことはなんだろう?」と試行錯誤しているうちに、「自分を飾らずに感じたことをそのまま表現したらいい」ということが分かったんです。自分は専門家じゃないけれど、だからこそ視聴者に近い視点から言えることがある。そう思って、自分の中に生まれた疑問や意見を素直に言葉にするよう心がけました。その頃の経験が間違いなく今の自分の土台になっていると思います。


宇賀:確かに、小川さんのコメントはいつでも視聴者目線だと思います。「かゆいところに手が届く」ような感覚を受けることが多いですね。

宇賀:どれだけ相手のことを考えられるか、そのためにきちんと情報を集められるかが大切だと思いますね。本番は一瞬で終わりますが、テレビ、ネット、雑誌、新聞とあらゆる媒体を使って調べても、「準備」にゴールはないんです。私は移動中とか、夜寝る前に取材相手のことを考えることがよくあります。というより、起きている間はほとんど仕事のことを考えてる気がしますね。そう考えると、ずっと仕事をしているようなものかもしれません。


小川:確かに、仕事とプライベートの境界はあまりない気がします。アナウンサーにとっては、日常の中で見たもの、読んだもの、感じたものの全てが教材。知識の層を積み重ねていく努力は必須だと思います。そうしないと、ニュース原稿ひとつまともに読むことはできないから。


竹内:テレビ画面って、その人が本当に理解しているのか、何を思っているのかをストレートに映し出しますよね。それは視聴者の方にも伝わっていて、絶対にごまかしがきかない。だからこそ、オンエア以外の時間でどれだけ積み重ねられるかが大事なんです。