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ギリシャ債務再編、秩序だったデフォルトで市場の混乱回避すべき

ギリシャの民間債権者との債務再編交渉が山場を迎えている。市場では秩序だったデフォルトは不可避とみられており、クレジット・デフォルト・スワップCDSの履行で市場の混乱を回避すべきとの声が強い。

ギリシャは3月20日に145億ユーロ(185億ドル)の国債償還を迎える。事務作業を考慮すると最低でも6週間前には債権者と再編で合意する必要がある。

秩序だったデフォルトとなればCDSの支払い義務が生じる。ある市場参加者は匿名で「金融機関の欧州債権に対するヘッジが機能するので、世界中の規制当局者は安堵するだろう」と述べる。ギリシャ向け民間債権の減免が自主的ならCDSのクレジットイベントとならないが、ギリシャ政府は 強制的な債務再編をちらつかせており、そうなればCDSの支払い事由となる可能性が高い。


リーマン・ブラザーズ破綻の際は4000億ドル相当ものCDS支払いが生じると懸念されたが、実際の支払いは比較的小さかった。ギリシャの場合もそれほど大きくないとみられ、証券保管振替機関のDTCC(デポジタリー・トラスト・アンド・クリアリング・コーポレーション)によると、最大でも33億4000万ドルとなる見通し。

ギリシャの民間債権者との合意は国際的な第2次支援への前提条件となるため、ギリシャや欧州当局は無秩序なデフォルトは何としても避ける意向だ。

今週再開した債務再編交渉は19日も続けられるが、集団行動条項(CAC)で一部債権者に合意を迫る可能性が高い。条項での合意自体ではデフォルトにはならないが、これを発動すればCDSの支払い事由になるとみられている。