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【国語逍遥】(27)清湖口敏 古典を「読む」 声に出して味わいたい

 映画『たそがれ清兵衛』(藤沢周平原作、山田洋次監督)は国内外で高い評価を受けた名画である。その冒頭近くにこんな場面があった。


 つましい暮らしをする下級武士の清兵衛の横で、5歳になる娘が縫い物をしながら「子曰(のたま)わく…」と論語をそらんじている。「俺も子供の頃に何度も読んだから、懐かしい」と言いながら清兵衛は思わず、「曽子(そうし)曰(いわ)く、吾(われ)、日に三たび吾(わ)が身を省みる。人のために謀って而(しこう)して忠ならざるか…」と娘の声に唱和するのだった。

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