ダブル司令塔“小泉時代”再現狙う 「成長と再建 両立道筋を」
長引くデフレから脱却して日本経済の再生を果たすため、安倍政権は大胆な金融政策と機動的な財政政策、企業の国際競争力向上や技術革新を後押しする成長戦略の「3本の矢」を推進する方針を掲げる。
ただ、日本の公的債務残高は国内総生産(GDP)の約2倍と主要国でも最悪水準だ。財政出動の財源を確保するため、政府が借金を重ねれば、日本国債が売り込まれて価格は急落し、金利が急騰。利払い費が膨らんで財政が一段と悪化するだけでなく、国債を大量に保有する銀行の財務も傷ついて日本経済の足を引っ張りかねない。経済再生のためにも、諮問会議が財政再建の道筋を示して市場の財政運営に対する懸念を和らげる必要がある。
一方で安倍政権は経済の司令塔として成長戦略の策定などを担う日本経済再生本部も新設した。諮問会議との連携がうまくいかなければ政策運営を混迷させる恐れもあり、2つの司令塔をどう使いこなせるかも試される。