https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

NY株高:金融緩和で資金流入 「経済実態以上」の見方

 現在の株高を支えているのは、日米欧各国による金融緩和だ。高い利回りを求める投資資金が世界的にだぶつき、それが景気指標の堅調さを材料に国債などの安全資産から株式に流れている。米国では深刻な財政赤字への対応策など不安要素も残っており、米メディアなどでは「熱狂なき株価上昇」という批評も目立つ。

 ダウ平均は07年10月9日に過去最高値を記録。その後、信用度の低い住宅ローン問題などによる金融危機の広がりで09年3月に6000ドル台まで急落した。


 その後は、米連邦準備制度理事会FRB)による継続的な金融緩和を受けてほぼ一本調子で回復。最近も、住宅市場の改善などで米経済の先行きに期待感が高まっていることや、欧州債務危機への懸念の後退で、余剰資金を株式市場にシフトする動きが活発化。1日の米債券市場では10年物国債が売られて価格は下落し、利回りは2.2%と10カ月ぶりの水準まで上昇した。


 ただ、米経済の実態は昨年10〜12月期の実質成長率が0.1%のマイナスに落ち込み、回復の足取りはなお不安定な状況。1月の失業率も7.9%と高水準だ。市場では、株価上昇について「経済の実態以上に強く、投機色の強い短期的な資金に底上げされている」(証券アナリスト)との見方が根強い。


 財政赤字削減策を巡るオバマ政権と議会の交渉も楽観できない。昨年末の「財政の崖」を巡る協議は、歳出の強制削減を3月初めに延長、債務上限引き上げ問題は5月に先送りしたに過ぎない。財政赤字削減には増税社会保障費の削減など景気下押し要因となる措置が避けられず、株式市場は3月に向けて再び不透明感が高まる展開になりそうだ。